ドント・ストップ(THE SHIFT)84分

おすすめ度　★★★★★★☆☆☆☆

無差別テロ自爆犯を偶然乗せてしまった救急車の隊員達と犯人の緊迫感満載の駆け引きを描いた秀作サスペンスアクション！！

作品紹介

2022年1月28日公開

今回ご紹介するのは、無差別自爆テロ犯を乗せてしまった救急車の隊員達の息詰まるサスペンス作品です。

それでは、まずはあらすじから、

ブリュッセルの高校で、イスラム教原理主義者による無差別自爆テロ事件が発生する。

現場に急行した救急隊員のイザベルは、そこで意識不明になっている少年を担架に乗せて病院に搬送を開始する。

しかし、車内で応急処置を施している最中に少年の腹に巻かれた自爆装置を発見するのだった！？

無差別自爆テロ犯を乗せてしまった救急車の隊員二人と犯人の緊迫感溢れるやり取りを描いたサスペンス作品です。

とはいっても本作はテロリスト犯とアクションを繰り広げたり、走行速度を下げると爆弾が爆発する、というような内容の作品ではなく、

あくまで、救急車内で、爆破テロ事件の犠牲者だと思っていた少年が、実は犯人だと分かった救急隊員と犯人の駆け引きを描いた緊迫感のあるサスペンス作品ですので、

日本版の宣伝ポスターと邦題とはかなり異なる内容となっています。

ですので速度を下げてはいけない、どころか何度も止まりますし、警察車両とのカーチェイスなんかは一度もありません。

かと言って本作が面白くない残念な作品という事ではなく、別なジャンルの緊迫感のあるサスペンス作品として十分に楽しめる秀作となっています。

まずは、本作、冒頭で高校生たちが、楽し気に会話をしながらバスで登校し、学校に到着するまでの日常風景をスムーズに描写して、和やかなムードで始まります。

で、そこからその幸せな日常を破壊するように生徒の内の二人が、自爆用の爆弾を腹に巻いた状態で登場し、

周りの生徒たちを銃で乱射していきます。

犯人は、この学校の生徒ですが、イスラム教原理主義者の大人によって洗脳され、不特定多数の生徒を殺害する事で戦士として認められる、と信じてしまっています。

で、一人が爆死した時点で、主人公となる救急隊員二人の物語に切り替わります。

もう勤務が明ける時刻になっていた救急隊員二人が、学校での自爆テロ発生の知らせを受け、急遽学校に向かう事になります。

で、現場に急行、そこは地獄のような状態になっていて、多くの犠牲者が病院へ搬送されている中、主人公達も現場で気を失っていた一人の少年を担架に乗せて、

救急車に運び込んで、病院に向かいます。

で、救急車内で応急処置を施しているうちに、腹に巻いた爆弾を発見する、という緊迫感のある状況になっていきます。

その後すぐに少年は息を吹き返し、意識朦朧としながらも爆弾のスイッチは握り、とりあえず現場から離れるように指示を出していきます。

この爆破事件発生後の緊迫感のある状況の中、爆弾のスイッチを手に握られている事で、自分の身を守るために逃げ出そうにも逃げ出せず、

また、付近の市民の命をも危険にさらしてしまうので、人込みのある場所からはなるべく救急車を遠ざけなければならない、

という何重にも困難の降りかかるサスペンスフルな状況がメインの展開となっていきます。

しかも、この犯人である生徒は、両親からは優しい良い子として生活していて、実際そのような一面も垣間見せる状況もあったりしますが、

イスラム教原理主義者の大人によって、他人に認められたいという思春期の悩みの心の隙を突かれて洗脳されて犯行に及んでいますので、

少年の中での葛藤や、弱さもしっかりと繊細に描かれています。

さらにその少年を深く愛するがゆえの、事実を知らされたときの両親の精神的になダメージもキャストの名演によって表現されていて、

緊迫感のあるドラマをさらに深く掘り下げています。

それに対して主人公である女性隊員も、同じ年代の息子を持つ母親として、救える命はたとえ犯人でも救いたい、という気持ちはあるけれども、

同時に、周りの多くの人の命をも奪う存在だという少年に対する葛藤が、ギリギリの状況でしっかりと描かれていて終始緊張感の絶えないサスペンスを盛り上げていきます。

という事で、日本版のポスターデザインと邦題のイメージが実際の内容とかけ離れているために、期待していた内容と違う、

という事で不満に感じる方もいるかもしれませんが、緊迫感のあるサスペンスを観たい、という方でしたら、十分楽しめる内容となっていますので、

サスペンス作品好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

最初から最後まで一気に鑑賞できますよ。

作品情報

2020年製作　イタリア・ベルギー製作　サスペンスアクション

監督・脚本　アレッサンドロ・トンダ

出演　クロチルド・エスム、アダモ・ディオジー二、アダム・アマラ、ヤン・ハメネッカー

その他の緊迫感のあるサスペンス

爆弾をしかけられた自家用車の中での父親と二人の子供の緊迫感満載のサスペンス（タイムリミット見知らぬ影）はこちら

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