サイレントヒル(SIRENT HILL)126分
お薦め度 ★★★★★★★☆☆☆
作品紹介
2006年7月8日公開
コナミのゲームを(クライングフリーマン)クリストフ・ガンズ監督が映画化した作品です。
それでは、まずはあらすじから、
夫と娘と暮らすローズ・ダ・シルヴァは幸せな家族だったが、ある悩みを抱えていた。
毎夜、眠りについた後、娘のシャロンがひとりでに危険な場所に足を踏み入れてしまう夢遊病を患っていたのだった。
このままではいつか命の危険も侵すことになる。
しかしある日、夢遊病中のシャロンがある土地の名前を口走る。
『サイレントヒル、、。』
その場所が実在する事を知ったローズは夢遊病の原因を探るため、シャロンを連れてサイレントヒルへと向かうのだった、、。
コナミの大ヒットホラーアドベンチャーゲーム【サイレントヒル】の実写映画化です。
個人的にはゲームの実写映画化作品の中では屈指の完成度だと思います。
監督のクリストフ・ガンズがとにかく原作ゲームのファンのようで、映画化の際に,いかに自分がこの作品の映画化に意欲的かという事をコナミ側に直談判して、自ら監督の権利を勝ち取ったという筋金入り原作ファンが監督した作品です。
その流れで面白くならないわけがなく、ゲームの実写映画化の模範となるような完成度の高い作品になっています。
個人的に【サイレントヒル】の原作ゲームは全てプレイしましたが、原作世界の再現度が非常に高く、まるでゲームをプレイしながら、ゲームのムービー画面を観ているような感覚さえあります。
実際に何度もプレイしている者だけにしか再現できないような完成度です。
霧と雪(実は灰ですが)によって視界が悪く、数歩先には何が潜んでいるか分からない幻想的な雰囲気でありながら、おどろおどろしい一面もある、それでいてどこか全体を包む切なさや悲しさが内包されているような独特の【サイレントヒル】という町を見事に再現しています。
内容面では、ゲームをプレイ済みの方は間違いなく楽しめますが、未プレイの方も十分楽しめる異世界ホラー作品となっています。
行方不明となった娘を取り戻すため母ローズが【サイレントヒル】を走り廻って、駆けずり回って探しますが、兎に角走っているシーンが多いです。
これもゲームの世界観再現に上手く貢献しています。
ゲームでは基本的に【サイレントヒル】の広大な街中を地図を見ながら走り廻って娘を探す父親(ここは原作と違います。映画ではより母性を強調するために母親に変更されています)の物語なので、走り廻るのがメインの物語となっているからです。
何気ない事ですが、ゲームに愛着がない監督だとおそらく、走っているシーンよりももっとホラー要素を入れたり、ドラマチックな要素を入れたりと他の部分で盛り上げる要素を少しでも多く入れていくと思います。
しかし、娘を走り廻って必死で探す母親の姿を多めに描く事で、原作の持ち味を的確に表現できており、原作愛のある監督だからこそ、これほどの完成度になったのだと思います。
それでも、ゲームの再現度としては非常に高い反面、なぜ、そうなるのか、などといった丁寧な説明は省いている面もあり、映画化のために付け加えたりはしていません(例えばなぜか、車に娘の行方の手がかりになる紙が落ちていたり、その手掛かりに従ってそこに行けば、また次の目的地の手がかりがあったり等のゲーム的な展開)ので、ゲームでは当然と思える演出も映画化すると不親切に感じてしまう面もあったりはします。
しかし、そういった面も含めて本作は【サイレントヒル】を十分堪能できる映像作品となっていて、他のホラー作品では味わえないような独特の作品となっています。
作品情報
監督 クリストフ・ガンズ 製作 サミュエル・ハディダ 製作総指揮 山岡晃
2006年製作 カナダ・フランス・アメリカ・日本製作 ホラー
脚本 ロジャー・エイヴァリー
出演 ラダ・ミッチェル、ショーン・ビーン、ローリー・ホールデン、デボラ・カーラ・アンガー、ジョデル・フェルランド
サイレントヒル リベレーション(SIRENT HILL REVELATION)95分
お薦め度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
作品紹介
2013年7月12日公開
1作目製作から6年ぶりに製作された第2弾です。
そのあらすじは、
前作でサイレントヒルより現実世界に返ってきたシャロンは、今はヘザーと名前を変え、父とともに暮らしていた。
結局帰ってこれたのはシャロンのみで母のローズは依然としてサイレントヒルに残されたままだった。
しかし、帰還後、間もなくしてサイレントヒルの狂信的な教団(ヴァルティエル派)がヘザーを連れ戻すために刺客を放っていた。
父ハリーは命からがらこの追っ手を撃退したが、その日以来、さらに次の追っ手からの追跡は激しくなり、親子二人で各地を転々とする逃亡の日々が始まった。
そんなある日、ヘザーが帰宅すると父は忽然と姿を消し、壁には【サイレントヒルに来い】と血で書かれたメッセージがあったのだった、、。
本作は原作ゲームのpart3を元に映像化されています。
それと3D上映を前提としていますので、カメラ側に物が飛んでくる描写も多かったりします。
物語的には前作から月日が流れ、主人公は前作のシャロンが高校生となって登場します。
父親役のショーン・ビーンも続投で、深い父性愛のあるキャラクターを好演しています。
母親役のラダ・ミッチェルも前半少しだけですが、ちゃんと登場して世界観を継承しています。
といった感じで前作からしっかりと設定を受け継ぎ6年のブランクを感じさせない作りになっています。
そこまでしっかり設定を継承している本作ですが、肝心のシャロン役のアデレイド・クレメンスが、正直個人的には原作ゲーム(3)の実写化としても、
前作映画のシャロンのその後としても微妙に似ていない、というか同一人物とは思えない風貌だと感じてしまいました。(個人的にですが)
衣装などは原作に寄せていて雰囲気もあって良いのですが、どうしてもアップになるたびに、あのシャロンとは別人物に見えてしまって、物語に入り込めない状態が終始続いてしまいました。
というより、途中で助けてくれる男子高校生ヴィンセント役のキット・ハリントンも含めて高校生っぽくない顔立ちに思えてしょうがなかったです。
あくまで個人的な感想なので人によって感じ方は違うとは思いますが、、。
やはり、ゲーム原作の映画化は最近の(ソニック・ザ・ムービー)もそうですが、キャラクターの描写が一番の課題かと思います。
原作に愛着がないと、なんとなく微妙に違う作品になってしまいます。
本作は前作の原作ゲーム愛に溢れていたクリストフ・ガンズ監督から、マイケル・J・バセット監督に変更になっていますが、やはり監督が変われば雰囲気も変わってしまいました。
間違いなく映画(サイレントヒル)の続編としての統一感はありますし、原作ゲームへの配慮もしっかりあります。
しかし、前作のそこはかとなく漂う切なさと、未知の街を目的のために走り廻る疾走感、サイレンが鳴るたびに周りの世界が一変するおどろおどろしさ、等その絶妙なバランス感が作品世界の魅力だったのですが、
本作ではそいうった部分は薄まってしまい、3D上映のためのグロいシーンが飛び出してきたり、モンスターが飛び出してきたり、といった別の見せ場で盛り上げています。
ホラー作品ですので、そういった表現も良いのですが、前作でせっかく築いたゲーム世界の再現度が本作ではしっかり継承されていないように感じてしまいました。
製作側は同じですので、監督のビジュアルセンスによる部分が大きいのではないでしょうか。
しかし、そんな本作ですが、ラストにおまけ的に次作に繋がるようなファン歓喜の重要な原作ゲームキャラクターが登場します。
主人公をラストでトラックに乗せてくれる運転手はPSP版【サイレントヒルゼロ】の主人公トラヴィスです。
しかも、そのトラックとすれ違いでサイレントヒル方面に逆に向かっていくパトカーと護送車が映りますが、
おそらくその中にはPS4版【サイレントヒルダウンプア】の主人公マーフィーが乗っています。
というように、その後どちらにも舵を取れるような伏線(もしかしたらただのファンサービスかもしれませんが)を残しつつエンディングとなります。
その後、ゲームのシリーズの続編もあまり製作されず、映画化シリーズも製作されず、非常に残念ですが、
ここへきて1作目のクリストフ・ガンズ製作でシリーズ続編の企画が上がっているようのなでファンとしては期待して待つしかないです。
できれば、クリストフ・ガンズ監督でそのまま製作して欲しい所ですが、、。
あと、PS5ぐらいで新作続編ゲームとタイアップしながらの公開とかあれば嬉しいですね。
ついでにクリストフ監督の大傑作アクション(クライングフリーマン)と(ジェヴォーダンの獣)の続編も個人的に希望したいです。
作品情報
2012年製作 フランス・アメリカ・カナダ製作 ホラー
監督・脚本 マイケル・J・バセット 製作サミュエル・ハディダ、ドン・カーモティ
出演 アデレイド・クレメンス、ショーン・ビーン、ラダ・ミッチェル、デボラ・カーラ・アンガー、マーティン・ドノバン、マルコム・マクダウェル、キャリー・アン・モス、キット・ハリントン
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