【シリーズ作】ドント・ブリーズ(DON’T BREATHE)シリーズ

投稿者: | 2021年8月22日

ドント・ブリーズ (DON’T BREATHE) 88分

お薦め度 ★★★★★★☆☆☆☆

今回ご紹介するのは、盲目の老人の住む家に大金を盗みに入った若者たちの恐怖を描いた作品です。

それでは、まずはあらすじから、

貧困生活から脱出するため、ロッキー(ジェーン・レヴィ)と、マネー(ダニエル・ゾヴァット)、アレックス(ディラン・ミネット)の3人は、

地下室に大金を隠し持っている、という噂のある老人宅に、盗みに入る計画を実行する。

侵入後、老人に気づかれ、逃げ惑う中、地下室で驚愕の光景を目撃することとなる!?

ドント・ブリーズ!

サム・ライミ率いるゴーストハウスピクチャーズ製作による屋敷を舞台にしたホラー作品です。

本作の見せ場は、恐怖の対象である盲目の老人とのバトルで、変則的な舐めてた相手が実は強かった系列の作品となっています。

盲目の老人という、守られるべき存在が、実は物凄く戦闘能力が高く、思わぬ逆襲を受けた上に、後半にはとんでもないサイコな一面が発覚する、

というホラーキャラクターとして、非常に魅力的な存在となっています。

本作が、他の作品と違うところは、本来絶対的な悪であるはずの、強盗側目線の物語となっていて、本来被害者であるはずの老人がいつのまにか悪、として描かれてる点です。

例えどんなに主人公達が、貧困に追い詰められていても、他人の家に押し入る時点で、完全に犯罪者ですので、何をされても文句の言えない状況です。

そんな状況で、仲間の内の一人が速攻で老人にやられてしまいます。

自業自得ではあるのですが、この瞬間から、悪であるはずの強盗側と被害者であるはずの老人の立場が一挙に逆転します。

まさに舐めてた老人が、実はジェイソンにも引けを取らないレベルの剛腕だったという展開で、爽快なぐらいに勢いよく斧が振り下ろされます。

もう、そこからはシンプルな、生き残りを懸けた決死の脱出サスペンスへと展開していきます。

監督は本作同様にゴーストハウス社で製作されたサム・ライミの名作スプラッター(死霊のはらわた)のリメイク作で長編監督デビューを飾ったフェデ・アルバレス監督です。

本作以降に監督した作品が(蜘蛛の巣を払う女)のみ、という事で、まだまだこれからを期待させてくれる新星監督といったところでしょうか。

主演は、こちらも(死霊のはらわた)リメイクの主演での強烈な演技で印象に残っているジェーン・レヴィで、本作では、普通の貧困から脱出するためにもがき苦しむ若者を、

今度は、死霊に取り憑かれる事なく、魅力的に演じています。

(死霊のはらわた)から続投のジェーン・レヴィ

そして本作一番の功労者である老人を演じるのは、(アバター)や、(トゥームストーン)、(ザ・ターゲット)や、

近年では懐かしアクションスター総出演の(ヴェテラン)(詳しくはこちら)など、アクション作品で長年人気のあるスティーヴン・ラングで、

年齢を重ねたとはいえ、まだまだ体型の変化もなく、引き締まった肉体で、退役軍人という役柄にピッタリとハマっています。

無敵の老人を演じるスティーヴン・ラング

物語の大筋としては、盗みに入った若者3人と盲目の老人のバトルにつきるのですが、後半に入り、ラングの秘密が少しづつ明らかになるにつれて、

とんでもない家に盗みに入ってしまった事実が判明していきます。

ホラー映画の世界では、色々なタイプの残酷表現がありますが、本作の表現は、それまでなかったような表現で、

ありそうで無かった、ホラー的に厭な表現となっています。

そこまで行くと、一挙にラングのサイコっぷりがMAXになってしまうぐらいの表現となっています。

というように、恐怖で満載の本作ではありますが、冷静に鑑賞してしまうと、いくらマッチョで、戦闘能力の高いサイコ老人でも、

盲目というハンデがある以上、健康な若者二人を相手に、優位に立つのは流石にちょっと無理がある場面も多く、

場面ごとに見ると、命の危険が迫っているのに、どれだけラングに攻撃を受けても、若者二人はほとんど反撃する意思が内容に見えてしまいます。

ただただ逃げ惑うのみ、という展開が意外に多く、逃げ出すタイミングも豊富にあるように見えてしまうのが、少し残念なところです。

それでも、ずっと緊張感を保っていられるのは、それだけサスペンス演出が優れている、とも言えそうですが、どうでしょうか。

若者側にも、もう少し反撃できなくなるような理由などがあれば良かったのですが、、。

という事で、無敵のラングとのバトルの決着は!?ジェーン・レヴィは大金を掴んで貧困生活から脱出できるのか!?

金庫にあった大金をゲットするジェーン・レヴィ

作品情報

2016年製作 アメリカ製作 ホラー

監督・製作・脚本 フェデ・アルバレス 制作 サム・ライミ、ロバート・タパート 脚本 ロド・サヤゲス

出演 ジェーン・レヴィ、スティーヴン・ラング、ディラン・ミネット、ダニエル・ゾヴァット

ドント・ブリーズ2 (DON’T BREATHE 2) 98分

お薦め度 ★★★★★☆☆☆☆☆

作品紹介

2021年8月13日公開

前作のその後を描いた続編で、今回はアクションホラー作品となっています。

それでは、まずはあらすじから、

郊外の一軒家で、少女と二人暮らしの盲目の老人ノーマン(スティーヴン・ラング)は、その少女を外界から遠ざけ、

サバイバルの訓練などを施し、大切に育てていた。

ある日、謎の武装集団が、少女の誘拐を企て、ノーマン宅に押し入る事件が発生する。

盲目ながらも、類まれなる戦闘能力を持つノーマンは反撃するが、あえなく誘拐されてしまう。

しかし、武装集団のアジトへの手がかりをつかんだノーマンは、少女を奪い返すために、決死の覚悟で戦闘を開始する!?

日々サバイバル訓練を施すラングと少女

という事で、前作で強烈な印象を残したラング演じるノーマンが、今度は主役となって活躍する続編です。

監督は前作のフェデ・アルバレスは製作と脚本にまわり、前作で脚本を担当していたロド・サヤゲスが監督しています。

製作もサム・ライミ、ロバート・タパートと前作と同じメンバーで、ノーマン役もスティーヴン・ラングが続投していますので、

役割の変更は一部あるものの、前作と同じスタッフ・キャストが再結集して製作された正統続編となっています。

で、5年ぶりの続編の本作の本筋は、まさかのアクションホラーという事で、ジャンルごと路線を変更した続編となっています。

前作の見どころは、侵入者が犯罪者ながらも主役で、感情移入すべきキャラクターとして描かれ、被害者側が、サイコっぷりも加味して悪役として描かれていましたが、

続編の本作では、その辺の設定も変更し、侵入される側のラングが素直に被害者で、侵入者が分かり易く悪人という構図になっています。

かなり大胆な変更ですが、例えるなら、(ターミネーター)で悪役だったシュワルツェネッガーが、(ターミネーター2)では主人公側の味方となっている、といった感じでしょうか。

その大胆な変更のため、本作では、前作にあった、恐ろしい存在に襲われる恐怖という見どころは、一切なくなり、少女を誘拐された盲目の老人が悪党をグロく退治していく

という続編としては予想外ながらも、割とシンプルな展開の作品となっています。

要するに、ホラーという枠組みに入ってはいますが、最近流行の、舐めてた相手が実は強かった系列の流れを正面から描いた作品となっています。

今回は少女を守るヒーローのような役柄に

雰囲気的に一番近い作品といえば、ジャンルは違いますが、シルベスター・スタローンの人気作完結編(ランボーラストブラッド)(詳しくはこちら)が、

そのグロさと、主人公の年齢や、少女を救うという設定に関しても類似性が高い作品ではないでしょうか。

という事で、本作の魅せ場は、どのように少女を守り切るのか?という部分に尽きるのですが、常日ごろから、この少女は、

ラングによってサバイバルで生き残るための訓練を受けている、という描写が冒頭で入りますので、盲目の老人というラングのハンデは、

この少女のサバイバルスキルで、結構補われています。

この少女は、人里な慣れた屋敷で、ほとんど隔離されているような状況で育っているにも関わらず、好奇心も旺盛で、人当たりも良い感じのキャラクターで、

この少女の陽性のキャラクターが、ホラーでサイコな一面を持っているラング演じるノーマンというキャラクターを中和している役目を持っています。

少女側には不満がありながらも、この少女を数年間、ここまで前向きな考えを持つように育てていたわけなので、

少し屈折はしていても、愛情はたっぷりに育てていた事が伺い知れるような間柄になっています。

中盤以降に、このラングと少女の関係性について重要な事実が判明しますが、それでも、ラングが毎日教え込んだサバイバル術で、実際に少女は幼いながらも奮闘します。

その戦いの中で、少女は重要な事実を知り、成長していきます。

情け無用の地獄のような戦いの果てに、ラングが最後に交わす一言に思わず涙腺が緩んでしまうほどの、男泣きな名シーンがラストに待ち受けています。

過激なシーンが目立つ本作ではありますが、そんなシーンを見どころとする一方で、しっかりと、この少女の成長物語にもなっている所が、本作の隠れた見どころとなっています。

という事で、1作目と2作目でまるで違う映画となっている珍しい本シリーズですが、ジャンルごと変更されているように、1作目と2作目は別作品ととらえて、1作目未鑑賞でも続編を鑑賞できるようにはなっています。

ですが、2作目のアクション編では過激な盲目の老人ぐらいの役柄のラングが、1作目では結構サイコな一面を見せる展開になりますので、

くれぐれも2作目を先に鑑賞してから1作目を鑑賞するのだけは、避けた方が良いと思われます。

そうしないと、結構感情移入したキャラクターが、実は変態っぽい奴だった、というショックが半端ないと思われますので、、。

襲い方はジェイソン風!

作品情報

2021年製作 アメリカ製作 アクションホラー

監督・脚本 ロド・サヤゲス 制作 サム・ライミ、ロバート・タパート、フェデ・アルバレス

脚本 フェデ・アルバレス

出演 スティーヴン・ラング、ブレンダン・セクストン3世、マデリン・グレイス、ステファニー・アルシラ、アダム・ヤング

地下室で戦うシーンはアクションシーンとして結構見どころのある名シーンです

その他の家を舞台にしたホラー作品

古典恐怖小説をスピルバーグ製作総指揮で製作した(ザ・ターニング)はこちら

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