お薦め度 ★★★★★☆☆☆☆☆
アンディ・ラウとルイス・クーが12年ぶりの共演で描く、ドラッグウォーズ!!後半のぶっ飛びアクションが見どころの香港映画らしい男のドラマ!!
作品紹介
2020年11月13日公開
今回ご紹介するのは、アンディ・ラウとルイス・クーが激突するアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
麻薬には手を出さないと誓ってきた黒社会の組織、正興。しかし、構成員の地蔵(ルイス・クー)がその決まりを破ったため、
兄貴分であるティン(アンディ・ラウ)によって指を切断する、という制裁を加える。
その後、15年の年月が流れ、地蔵は黒社会でのし上がり、香港麻薬四大天王にまで昇り詰める。
一方、ティンは金融界で成功し、麻薬撲滅運動に力を注いでいた。
そんなティンの身内に麻薬によって不幸が訪れた事で、かつての兄弟分の関係は、血で血を洗う抗争へと発展していくのだった!?
2013年製作の(レクイエム最後の銃弾)のシリーズ第2弾です。
ですが、物語も世界観も無関係で、キャストやスタッフもルイス・クー(別人役)以外は総入れ替えとなっています。
唯一の共通点は麻薬に纏わる物語、という部分だけですので、原題に2と入っていますが、本作だけで楽しめる内容となっています。
物語としては、1作目が麻薬に纏わる物語ながらも、ラウ・チンワン、ルイス・クー、ニック・チョンの男の友情と裏切りを描く、
名作(男たちの挽歌)のリメイクにも似た作風だったのに対し、
本作では、麻薬によって身を滅ぼしていく犠牲者たちをリアルに描きながら、そこに黒社会の抗争などを絡めていくという、
どちらかというとアクションよりも、麻薬に纏わるドラマにスポットを当てた作品となっています。
ですので、結構きつめの描写も多いので、そういった内容が苦手な方には厳しい内容かもしれません。
ただ、中盤までは、麻薬ドラマメインの物語ですが、ラストのアンディとルイス・クーの男前対決シーンになると、
それまでのリアルできついドラマとは180度違うタイプのぶっ飛びカーアクションシーンの連続となります。
カーチェイスの果てに、勢い余って地下鉄の構内に車で侵入し、そのまま乗客を轢かないようにチェイスしながら、最終的に地下鉄に激突する、
という無茶苦茶ぶりです。
そのシーンだけ観ると、非常に面白いカーアクションシーンなのですが、流石に麻薬ドラマ映画のラストで、
そのカーアクションシーンは、やり過ぎレベルのぶっ飛びぶりでした。
それなら、前半のドラマももう少し、ソフトにするとかあれば、全体的に楽しめる作品になったと思われるのが少し残念です。
主演の二人は、相変わらず渋いですが、個人的には刑事役のミウ・キウワイの渋さが、これまでの出演作品で一番と言っても良いぐらいキマっていました。
その昔は日本でもテレビ放映されていたトン・ワイ主演のテレビドラマ(香港カンフードラゴン少林寺)に主演の1人として出演していたのが懐かしいですが、
アイドル時代を駆け抜けて、サモ・ハンの(七福星)などの福星シリーズで、プレイボーイ的な役柄を演じていたり、
近年では、ヤクザ組織の幹部の一人などのいまいちぱっとしない役柄を変な横分けっぽいヘアスタイルで演じていましたが、
本作での一本気な刑事役は、外見的に痩せたためか、渋いしわが刻まれたためか、ヘアスタイルが似合っているためか、
非常にカッコ良く、渋い一本気なオジサン刑事を演じており、DVDジャケットでは主演の二人のどさくさに紛れて、なんとなく真ん中に映ってしまうほど、
渋さが際立っています。
個人的には、このミウ・キウワイの渋さと後半の作品の雰囲気をぶち壊してしまう勢いのぶっ飛びアクションが本作の収穫ではないかと思います。
あと、おまけ的にレスリー・チャンの遺作(カルマ)で主演していて、若さ溢れる可愛さを振りまいていたカリーナ・ラムが、
随分と大人のレディになってアンデイを元黒社会構成員と知らずに結婚して、その後悩む奥さん役を好演していたのも嬉しいサプライズでした。
という事で、昔ながらの香港映画ファンを喜ばせつつ、前半と後半で全く別作品となってしまう本作ですが、後半のぶっ飛びアクションは観る価値のある作品となっていますので、
アクション好きの方や、香港映画好きの方など、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
後半のぶっ飛び感は、『漫画かよっ!。』と思いますよ。
作品情報
2019年製作 香港・中国製作 アクション
監督・脚本 ハーマン・ヤウ 制作 アンディ・ラウ
出演 アンディ・ラウ、ルイス・クー、ミウ・キウワイ、カリーナ・ラム、ケント・チェン、クリッシー・チャウ、ラム・カートン
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