カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
ジミー・ウォングが監督・主演し大ヒットしたゴールデンハーベスト製作(片腕ドラゴン)のその後の物語を、別会社で再びジミー・ウオングが監督・製作・脚本・主演し、カルトな人気を獲得した、なんとも言えない味わいの一風変わった奇天烈カンフーアクション!!
作品紹介
1976年11月27日公開
今回ご紹介する作品は、ジミー・ウォング監督・製作・脚本・主演の異種格闘技アクションの第二弾です。
それでは、まずはあらすじから、
正徳道場を率いるティエンロンは、弟子達のたっての願いで、鷹爪派が主催する異種格闘技大会を見学に出かける。
そこでは、各国から様々な武道家が、腕自慢を競っていたが、片腕蛇拳の使い手が登場した際に、その拳士に空飛ぶギロチンで襲い掛かる怪僧フォンシンが姿を現し、大会を滅茶苦茶にしてしまう。
実は、このフォンシンは、かつて、ティエンロンに倒されたチベット密教僧の師匠で、ティエンロンを倒すために大会に乱入したのだった。
命の危険を感じたティエンロンは直ぐに道場を解散し、弟子達に身を隠させるが、既にフォンシンの魔の手はすぐそこまで迫っていたのだった!?
監督・脚本・製作・製作総指揮、そして主演と前作に続きマルチにこなしているのは、(ドラゴン修行房)(詳しくはこちら)や、
(怒れるドラゴン 不死身の四天王)等のジミー・ウォングで、カルトな人気を得る事になった本作を独特の世界観で演出しています。
で、宿敵となる僧侶役で、(少林寺木人拳)や(セイントスティック怒りの聖拳)(詳しくはこちら)等の
カム・コンが登場し、ジミーさんに戦いを挑みます。
で、鷹爪道場主の娘であるヒロイン役で、(カンニングモンキー天中拳)や(血玉)(詳しくはこちら)等のドリス・ロン(ロン・ジェンエール)が登場し、可憐な魅力を放っていきます。
で、ムエタイ戦士役で、(南拳北腿鬥金狐)(詳しくはこちら)や(迷拳三十六招) (詳しくはこちら)等の
シャム・チンボーが登場し、華麗なアクションを披露しています。
日本人役で、前作にも別人の日本人役で出演していた(ドラゴンカンフー龍虎八拳)(詳しくはこちら)や(ドラゴン太極拳)(詳しくはこちら)等の
ルン・フェイが登場し、異種格闘技戦に参加します。
で、三節混の使い手役で、(ガッツフィスト魔宮拳)(詳しくはこちら)や(少林寺三十六房)(詳しくはこちら)等の
ラウ・カーウィンが登場し、華麗なアクションを披露しています。
で、異種格闘技戦に参加する拳士役で、(五毒拳)(詳しくはこちら)や(孔雀王)(詳しくはこちら) 等の
フィリップ・コクが登場し、少しですが華麗なアクションを披露しています。
で、ルン・フェイと戦う事になる格闘技戦の参加者役で、(ニンジャハンター)(詳しくはこちら)や(ザ・セブングランドマスター)(詳しくはこちら)等の
ジャック・ロンが登場し、こちらも登場は少しですが、華麗なアクションを披露しています。
で、虎鶴拳の使い手役で、(ゴッドギャンブラー)や(爆走!高速トライアル)(詳しくはこちら)等の
ロン・フォンが登場し、シャム・チンボーと激闘を展開します。
そんなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、まずは、前作の主人公ティエンロン(ジミー・ウォング)との戦いに敗れた、
チベット密教僧の二人組の師匠である盲人の僧、フォンシン(カム・コン)が、弟子二人の死を知り、復讐心を燃やし、
ついでにタイミング良く清朝政府から、裏切り者(ティエンロン含む)が沢山潜んでいると噂のある格闘技大会を調べろ、というミッションを受け、
得意の必殺武器ギロチンを手に政府の密使として街へ繰り出すシーンから始まります。
立つ鳥跡を濁さず、という感じで、復讐に向かうその瞬間に、今まで住んでいた家屋は、かんしゃく玉で爆破して、ニヤケ顔で復讐の旅に出ます。
で、主役を差し置いてライバルライジングのシーンから始まりますので、今回は、ライバルであるフォンシンが、ある意味主役級扱いで物語が進むのかと思いきや、
速攻で、前作で全滅した正徳武館を、自分を道場主として新たに再会し、弟子達を指導しているジミーさんのドラマに移っていきます。
というわけで、前作から三年後に製作された本作、今回は時の経過も考慮されて、弟子の一人で怒られがちだったジミーさんは、
成長出世し、完全に道場の師匠として、弟子達を率いる立場となっています。
で、ジミーさん、前作以降も気功法などの修行を続けていたようで、弟子に技の見本を見せる際には、まさかの気合一発、
壁を水平に歩き、
そのまま逆さまになって天井も余裕で歩く
という、もはや人間では不可能な領域まで、その武術のレベルを上げています。
そんなスパイディジミーと弟子達に、高名な武術流派である鷹爪派が、格闘技大会を主催する、という知らせが入ります。
色んな流派の武術を目の前で見れる、という事もあり、弟子達は、出場すれば優勝間違いなしのジミーさんに大会への参加を懇願します。
しかし、武術界弾圧を進めている清朝政府は、こういう大会を監視し、カンフー道場の中の反政府派をあぶりだそうとしているので、
ジミーさん『こんな事で、清朝の注意を引いてはならん。』
と、一蹴します。
しかし、優しいジミーさんは、その2秒後に
ジミーさん『観るだけだぞ。目立たないようにな。』
と結構柔軟に対応してくれます。
で、その頃、忘れかけていたギロチンは、街へと到着し、食堂の二階で精進そばをズルズルとやっていたら、
一階で無銭飲食しようとしていた男が、自分の事を片腕ドラゴンと偽った事で、勘違いしたギロチンは、
二階から空飛ぶギロチンを投げて、偽片腕ドラゴンの首をはねてしまいます。
その後、人違いだと気づくギロチンですが、
ギロチン『まあいい。片腕は皆殺しだ!!』
と無茶苦茶な一言を放ちます。
一方、格闘技大会を開催予定の鷹爪派には、タイからやってきたムエタイ戦士(シャム・チンボー)が、
中国人しか参加できない格闘技大会に、外国人の自分も参加させろと殴り込んできた事で、急遽、大会は外国人も参加OKとなり、色んな流派、人種が参加する大きな大会となっていきます。
そして、いよいよ大会の日がやってきます。
ジミーさん率いる正徳武館こそ参加しないものの、タイからムエタイ、日本から無刀流(といいつつ仕込み刀を使う卑怯流)、モンゴルから相撲、インドからヨガ拳法、
そして中国も、台風剣、虎鶴双拳、弁髪拳(弁髪ではないくせに)、三節混、棍棒、等、様々な流派の達人たちが、己の命と名誉をかけて戦いに挑みます。
順調に試合は進みますが、挑戦者にある人物が現れた事で大会は急展開を迎えます。
その男は、、、ギロチン、、、、
、、、、ではなく、片腕蛇拳の使い手!!
刀を使う剣士に対して優勢に試合を運び、ついには勝利する片腕蛇拳ですが、その勝利の瞬間、、、、、
、、、、ぎゅうううううん!!!
ガポっ!!!
スバンっ!!
ギロチン乱入!!!
というか、また人違い!!!
人違いではありますが、片腕は皆殺しと決めてしまっているので、全く怯まないギロチンに、大会の主催者である鷹爪派の師匠は、
鷹爪『人違いで大会をぶちこわしおって!!』
と、ギロチンを懲らしめようとします。
しかし、もう、ギロチンのスイッチは入ってしまったようで、ギロチンを使いまくり、大会ステージもかんしゃく玉で爆破し、大会自体を滅茶苦茶にしてしまいます。
で、そんな修羅場の一部始終を目撃した正徳武館の門弟たちの命の危険を感じたジミーさんは、門弟たちを道場に集め、身を隠す指示を、、、、、、、、
、、、、するのではなく、、、
、、、、解散を宣言します。
色んな事を端折った決断ですが、、、、要するに全員の命の責任を負いきれない、、という事でしょうか。
で、弟子達は解散し(でも、後でギロチンと戦う時に招集されます、、)、自分も身を隠そうとしていると、
ムエタイに先導されたギロチンが、まんまと道場を解散(宣言した)ばかりのジミーさんを発見し、ジミーさんに襲い掛かります。
逃げるのが一歩遅かったジミーさんは、成り行きでギロチンと戦う事になりますが、この必殺武器ギロチンの破壊力が凄まじく、
今のままでは到底太刀打ちできない事を悟ったジミーさんは、なんとかその場から逃げ延び、洞窟を抜けた先の小屋に隠れて、何故かドリス・ロンも呼び寄せて、逆襲の機会を狙います。
で、隠れ生活が始まったある日、木こりのおじさんの仕事ぶりをぽかんと見ていた際に、斧が竹を切っている時に刃こぼれしたのを見逃さなかったジミーさんは、
ギロチン攻略法を編み出す、、、、、、、というのが、大体の大筋となっています。
ジミー・ウォングのセンスが爆発したカルトカンフー作品で、かのクエンティン・タランティーノもお気に入りの作品、という事で変な意味で有名になった作品です。
タランティーノが好きだと公言しているから、どう、という事はありませんが、独特の世界観だった前作を、
さらに独特さだけを掘り下げたような作品となっています。
まずは、やはり前作以上にバラエティに富んだ異種格闘技アクションの数々に、そのアイデアの豊富さに驚かされます。
無刀流の仕込み刀や、モンゴル相撲レスラーによるロンドン名物タワーブリッジや、ヨガの達人による手長戦法等娯楽感強めで、
登場するキャストも、ルン・フェイ、ロン・フォン、ラウ・カーウィン、ジャック・ロン、フィリップ・コクと、
ほんの少ししか登場しないにしては、かなり豪華なキャストで、しかも武術指導にラウ・カーリョンとラウ・カーウィンが参加している、
という、実は本格派な魅力も持ったアクション演出となっています。
本作も、笑わせようとしているのか、真面目なのか判断しにくいシーンが多い作品ですが、やはりジミーさんのワンマン映画という事で、
ジミーさんなりに真面目に製作してみてら、なんとなくちょっとズレていた、というある意味ジミーさんにしか作り出せない世界観を持った作品となっていますので、
カンフー映画好き、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
最後の最後まで、何が飛び出すかわからない、びっくり箱のような作品ですよ。
作品情報
1976年製作 香港製作 カンフーアクション
監督・脚本・製作・製作総指揮 ジミー・ウォング 武術指導 ラウ・カーリョン、ラウ・カーウィン
出演 ジミー・ウォング、カム・コン、ドリス・ロン(ロン・ジェンエール)、シャム・チンボー、ルン・フェイ、サン・マオ、ラウ・カーウィン、ロン・フォン、フィリップ・コク
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