【カンフー映画】燃えよデブゴン4 ピックポケット!(堤防小手CARRY ON,PICKPOCKET)100分

投稿者: | 2021年1月1日

カンフー映画としてのお薦め度 ★★★★★★☆☆☆☆

香港の街でしのぎを削る、スリチームの妙技を描いた、後の(五福星)につながるサモ・ハン初の本格現代アクション!!

ドニーのリメイク版は2021年1月1日公開、めでたいですね!

作品紹介

劇場公開題 ピックポケット!

1983年1月22日公開

今回ご紹介するのは、サモ・ハンがそれまでの時代劇カンフー路線を一新し、初の現代アクションを描いた記念碑的作品です。

それでは、まずはあらすじから、

香港の街でスリとしてしのぎを削るマイケル(サモ・ハン・キンポー)とチムニー(フランキー・チャン)は、ある夜ディスコにでかけ、

そこでリン(ディニー・イップ)という女性と出会う。

リンに一目惚れしたマイケルは、次第に親交を深めていくが、リンが婦人警官だと知って驚愕する。

しかし、ダイヤ密輸団への捜査協力を頼まれ、得意のスリテクニックを駆使して捜査を開始するのだが、

その取引にはある陰謀が隠されていたのだった!?

今回のサモ・ハンはスリの名人役
相棒のフランキーチャン。音楽、製作、主演など多くの作品で活躍
今回のラストバトルはディック・ウェイ

サモ・ハン監督作品中、初の本格的現代アクション作品で、本作以降現代アクション路線にシフトしていきますので、

サモ・ハン作品のその後の方向性を決定づけた記念碑手的な作品となっています。

内容としては、スリと、その周辺を取り巻く犯罪組織などアンダーグラウンドな世界の物語を、

香港映画お得意の明るいコメディ作品として描かれていて、当時流行っていた現代アクションコメディ路線で大ヒットした作品となっています。

特に、本作の庶民的な内容はマイケル・ホイ主演の(ミスターブー)シリーズなどの影響も多く受けていると思われ、

その流行りの路線にサモ・ハン流のデススタントを混ぜた目を見張るアクションを融合させています。

本作の次作が(五福星)で、この福星シリーズも犯罪者集団が主役のコメディ作品という事で、

まさに本作が後の多くの伝説的アクションの原点と言っても良いのではないでしょうか。

こういう危険なアクション多数
高いところから飛び降りるようなスタントも多数
バイクも普通には乗りません。

また、スリを扱った香港映画でいえば、ジョニー・トー監督の傑作(スリ)なども、

カッターナイフの刃を口の中に隠したり、冒頭のスリシーン、仕事に入る前に『開工!』(仕事にかかるぞ!)と掛け声をかけるシーンなど、

本作とそっくり同じ設定や、そっくり同じシーンが登場しますので、かなり影響は受けていると思われます。(スリについてはこちら

冒頭の街中でのスリシーン
カッターナイフの刃を口に隠しているシーン。怖っ。

ただ、本作はジェームズ・コバーン主演の(黄金の指)の設定などを大いにパクっ、いや参考にしているようで、

結構なシーンがそのままオリジナルに存在するようですので、物語的には、そちらが原点としえるかもしれません。

残念ながら国内ではVHSでさえ未発売ですので、未見ですが、輸入盤でしたら、購入可能ですので、

いつか購入して鑑賞してみたいと思います。

キャスト面では、サモ・ハンの相棒役で、フランキー・チャンが主演しています。

ユン・ピョウinドラ息子カンフー)では素晴らしい身軽なアクションでユン・ピョウと激闘を繰り広げていましたが、

本作でも見事な現代アクションを披露しています。

また、音楽家、製作者、監督としても多くの作品に関わっていますので、とにかくいろんな才能に溢れている映画人といった感じでしょうか。

フランキー・チャンのキレの良いアクションもあります。

また、本作はアクション指導はサモ・ハンスタントチームが担当していますので、サモ・ハン作品で良く見かけるお馴染みの顔ぶれが多いですが、

その中でも後に(プロジェクトA)のラスボスとして強烈な印象を残す、ディック・ウェイがラスボスとして素晴らしいアクションを披露しています。

出番こそ少ないですが、このラストバトルだけで、もう、それまでの流れがビシッと引き締まるぐらいの白熱の大バトルとなっています。

ディック・ウェイとの大バトル

ただ、ちょっとコメディ路線にしては、ハードなやっつけ方の目立つラストの乱闘となっていますので、

ちょっと血が多過ぎるために、苦手な人は出てくるかもしれません。

ラストの大バトル。血が多いですが、、。

そのラストの大乱闘で血しぶきを浴びながらもセクシーな魅力で大活躍しているスリチームのメンバー、ディディ・パンは、

本作の撮影にスタントマンとして参加していたユン・ピョウと知り合い、その後結婚へと結びつきましたので、そういった意味でも意味のある作品となっています。

サモ・ハン、フランキー・チャン、ディディ・パンの正装でのラストバトル前

また、コメディリリーフとして登場のリチャード・ンは、本作直後の(五福星)シリーズや、

後のサモ・ハン製作の(霊幻道士)シリーズにも登場しますので、本作からすでに後で爆発するとぼけたキャラクターが堪能できます。

コメディ担当のリチャード・ン

そして、忘れてはいけないのは、本作で一応もう一人のヒロイン的な位置で出演しているディニー・イップです。

後に(桃さんのしあわせ)で香港アカデミー賞を受賞するほどの存在感で、サモ・ハンが一目惚れする婦人警官役を好演しています。

後半には、実は、、、という役柄ではありますが、中盤まではサモ・ハンと恋の駆け引きを演じています。

この関係は、後半ちょっと残念になりますが、そのリベンジとしてジャッキー・チェン、サモ・ハン、ユン・ピョウがそろい踏みした(サイクロンZ)で、

ほとんどそのまま、そっくり同じシチュエーションのシーンがでてきます。

数年がかりで、やっと幸せになった二人、といった感じですので、合わせて(サイクロンZ)のご鑑賞もお薦めします。

サモ・ハンとディニー・イップの恋の駆け引き
サモ・ハンとディニー・イップが出った時のディスコファッション。

という事で、本作はVHSの時代はソフトが発売されず、長い間作品自体がレアとなっていましたが、

DVDが比較的安価で発売された事で、鑑賞までのハードルが一挙にさがりましたので、

アクション好きの方や、香港映画好きの方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

香港現代アクションの原点を見れますよ。

ラストの大乱闘も(五福星)でパワーアップして引き継がれています

作品情報

1982年製作 香港製作 カンフーアクション

監督・武術指導 サモ・ハンキンポー 制作・音楽 フランキー・チャン

武術指導 ユン・ピョウ、ラム・チェンイン

出演 サモ・ハンキンポー、フランキー・チャン、ディニー・イップ、ディディ・パン、ディック・ウェイ、チン・ユッサーン、ジェームス・ティエンリチャード・ン、ナット・チャン、ウー・マ

現代アクションなのでリアルな乱闘シーンが多いです
入り組んだ乱闘シーンは女優であっても生傷絶えません

その他の燃えよデブゴンシリーズ

サモ・ハンが実在の英雄を演じたユエン・ウーピン監督のコラボ作品(燃えよデブゴン7鉄の復讐拳)はこちら

サモ・ハンスタントチームがアクションを初担当した記念碑的カンフー作品(燃えよデブゴン9)はこちら

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