片腕サイボーグ(HANDS OF STEEL)93分

投稿者: | 2022年7月6日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

非常にチープながらもテンポの良いアクションと、後半のヘリコプターとトラックのチェイス等見所もあるイタリア製SFアクション!!

作品紹介

1987年5月9日公開

今回ご紹介するのは、イタリア製作の近未来サイボーグアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

1997年、実業家ターナー(ジョン・サクソン)が経営する会社の影響で環境汚染が進んでいた。

自然保護団体のリーダー、モズリーは常にターナーを非難していたが、ついにターナーはモズリーを暗殺するために一人の暗殺者を差し向ける。

しかし、暗殺を遂行しようとした、その時、その暗殺者は任務を突然放棄し、姿をくらましてしまう。

暗殺の発覚を恐れたターナーは、この暗殺者を抹殺するために、新たな暗殺者を差し向けるのだった!?

日本でもブルーレイ化された(吐きだめの悪魔)と映画館で同時上映されたイタリアB級アクション作品です。

長らくVHSとレーザーディスクのみの発売でしたが、この度配信、という形で高画質での復活となっています。

内容的には邦題と、そのポスターアートを見た瞬間に分かるように近未来サイボーグものとなっています。

大筋としては、おそらく(ターミネーター)なのですが、勿論そこまでの予算があるわけでもなく、基本的には逃げるサイボーグと追う闇組織

という事で、シンプルな追いかけっこが最初から最後まで続きます。

追う側
追われる側

そのアクションも(ターミネーター)のようにサイボーグの物凄い力に対して人間が武器を手になんとか反撃しながら展開される派手なアクションではなく、

基本的には、ガタイの良い主人公が、逃げながら軽く追っ手をやっつけていく生身のアクションがメインとなっています。

ときどき、思い出したようにSF要素が入ります、たぶんこのブロンド戦士は(ブレードランナー)のレプリカント
結構主人公を苦しめます

ただ、後半のトラックとヘリコプターのチェイスや、

トラックと乗用車の激突など、カーチェイス自体は危険を伴うようなアクションもあったり、と見せ場の多い作品となっています。

しかし、本作は撮影中にヘリコプターが墜落する、という大事故が発生してしまったようで、その事故で出演者の一人、クラウディオ・カッシネッリが亡くなってしまう、

という映画撮影では、一番あってはいけない事故が発生してしまいました。

アクション作品に関してはジャッキー・チェン主演の(サンダーアーム龍兄虎弟)やムーン・リー出演の(群狼大戦)等、

香港映画でも度々大事故が発生してしまいますが、より凄いシーンを創りたいという製作者の想いと、実際の危機管理との線の引きどころはアクション映画にとってはやはり難しい、

という事になるのかと思われます。

ただ、現在はそういう危険なシーンは全てCGで加工してしまうので、安全第一だとは思われますが、やはり安心感を感じてしまうCG映像と、

危機感を伴う本物の映像とは、迫力が全然違います。

本作のようなどこから、どう見てもB級な作品でも、実際のヘリコプターからのチェイス映像を見ると、しっかりと迫力は感じますので、やはり少しでも生の迫力を感じたい、と思ってしまいますね。

という感じの(偽ターミネーター)な本作の主演は本作以外にも(アフガン・フォース/戦場の黙示録)等のイタリアB級アクションや、

エルヴァイラ)等に出演しているダニエル・グリーンで、そのスラリとした長身で手足が長いモデルさん体型で迫力のアクションをこなしていきます。

アクション自体は基本的にぬるっとしていますので、恐らく武術的な心得は無さそうですが、途中、酒場の喧嘩シーンなどで、

見たこともないような派手な構えで、悪漢をバッタバッタと倒していくシーンは、割と爽快感があります。

昔のセガール作品の爽快感を少し濁した感じでしょうか。

それほどブレイクしなかったのが残ですが、本作ではその無個性感がそのままサイボーグ感となっていて、それなりにハマり役となっています。

ガタイが良いので派手な構えはとにかく迫力があります(エリマキトカゲが襟巻きを開く感じでしょうか)

本作は、この無個性のダニエル・グリーンが(ターミネーター)から中盤トラック乗りのアームレスリングの猛者たちとの喧嘩と腕相撲勝負、つまり(オーバー・ザ・トップ)、

そして後半は砂漠の荒野で展開されるヘリコプターとのチェイスという事で(ガントレット)という感じで、

アクション映画の面白要素を詰め込んだ作品となっています(オーバー・ザ・トップは同時期の作品なので影響は受けていないかもしれませんが)。

共演はクラウディオ・カッシネッリの他には、(燃えよドラゴン)、(エルム街の悪夢)等のジョン・サクソン詳しくはこちら)で、

正直、棒読み上等な脇役達の中で、ジョン・サクソンが登場したときの安定感は、そのシーンだけ他の作品のような安心感に包まれています。

ジョン・サクソン

という事で、割と突っ込み所満載の、トンデモ系の作品ではありますが、ストレートに80年代のB級映画の雰囲気を楽しむには、直球ど真ん中の作品となっていますので、

B級作品好きの方や、80年代作品好きの方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

こういう、武器も出ます

おそらく、今後のDVD化も期待できそうにありませんので、ご興味のある方は早めのご鑑賞をお勧めします。

因みに(片腕サイボーグ)という邦題ではありますが、人体の70%が機械化している、という事(本人談)なので、

片腕だけではなく、結構機械化は進んでいると思われます。

作品情報

1986年製作 イタリア製作 SFアクション

監督・原案・脚本 マーティン・ドルマン

出演 ダニエル・グリーン、ジョン・サクソン、クラウディオ・カッシネッリ、ジャネット・アグレン

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