ヴァチカンのエクソシスト(THE POPE`S EXORCIST)103分

投稿者: | 2023年7月21日

おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆

オーソドックスなオカルトホラー展開ながらも、ラッセル・クロウ演じる人間味あふれる神父と、新米神父のバディの相性の良さと、後半の壮絶な大バトルホラー展開が、娯楽色に溢れ、ホラー映画では珍しい良い後味を残す神父の回顧録の映像化作品!!

作品紹介

2023年7月14日公開

今回ご紹介する作品は、ラッセル・クロウが初めてホラージャンルで主演した心霊ホラー作品です。

それでは、まずはあらすじから、

エクソシズムの責任者、アモルト神父は、ローマ教皇直々に、サン・セバスチャンの廃修道院に住む家族に取り憑いた悪霊を祓うように依頼を受ける。

早速現地に向かったアモルト神父だったが、そこに住む少年の姿を見て直ぐに悪魔憑きを確信し、新米神父のトマース神父と共に本格的な調査を開始する!?

ラッセル・クロウが初めてホラー作品(サスペンス寄りなアオラレを除く)に主演したオカルト作品です。

ラッセル・クロウ

監督は、J・Jエイブラムス製作のバトルホラー(オーヴァーロード)やスタローン主演のヒーローアクション(サマリタン)等、

勢いのある娯楽作品の監督として絶好調のジュリアス・エイバリーで、本作でもオカルトホラージャンルながらも娯楽要素の強いバトル展開で作品を演出しています。

ジュリアス・エイバリー監督

で、主演のラッセル・クロウの助手であり、相棒でもある新米神父役に、(ドント・ブリーズ)や(イットフォローズ)等、

近年のヒットホラー作品への出演の多いダニエル・ゾバットで、本作でも、一見頼りなさそうながらも、

しっかりと成長していく、魅力的な新米神父を好演しています。

ダニエル・ゾバット

で、異端児扱いされているラッセル・クロウ神父のよき理解者であり、直属の上司でもある神父役に、(真昼の用心棒)、(裏切りの荒野)等の名優フランコ・ネロが扮し、

優しいながらも、意志の強い老齢の神父役を好演しています。

フランコ・ネロ

で、悪霊に取り憑かれる息子の母親役で、(ドクタースリープ)や(セーラ少女のめざめ)等、こちらもホラー作品で活躍しているアレックス・エッソーが登場し、

家族の悲劇に悩まされる母親役を好演しています。

アレックス・エッソー

で、その娘役を、マーベルのテレビドラマ(ミズ・マーベル)等に出演し、今後の活躍も期待されるローレル・マーズデンが演じ、

エクソシストものお約束の、ありえない方向に身体が動く、という一つの見せ場となるシーンを好演しています。

ローレル・マーズデン

で、実際に悪霊に取り憑かれる少年役で、新星ピーター・デスーザ・フエイオニーが登場し、迫力の悪魔憑き演技を披露しています。

ピーター・デスーザ・フエイオニー

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、アメリカからある一家が、スペインのサンセバスチャンにある廃修道院にやって来るところから始まります。

その家族は、一家の大黒柱である父親を一年前に亡くしたばかりで、まだまだその傷も言えず、長男も、その出来事の精神的なショックが原因で、口がきけなくなってしまう

という悲劇に包まれた状態ながらも、唯一その大黒柱が相続していて遺してくれたのが、その廃修道院で、

なんとか修復して売りに出して、生活費に変えて行こう、という事で母親は前向きながらも、長女と長男は、全く乗り気ではない、

という、ゴーストホラー作品の定番設定から物語は始まっていきます。

で、到着当初は、建物修復の作業員もいるので賑やかですが、作業中にある事故が起こり、ガスが噴出し、

建物が危険だ、という事で、作業員たちは、速攻で引き上げてしまいます。

といっても、もう引っ越してきてしまっている家族が他に移り住むこともできずに困っているある日、人気の無い所でリズミカルな音が聞こえたり、

突然人の気配がしたり、という感じで、自分達以外の何者かの存在を感じるようになっていきます。

で、そうこうしている内に息子の様子もおかしくなっていき、、、、、

という所で、その地区担当の新米神父トマースに相談してみると、神父が少年に話しかけた途端に物凄いパワーで吹っ飛ばされる、という出来事が起こります。

そこで、その出来事を解決するため、ローマ教皇の直接の指示で、エクソシズムの総責任者であるラッセル・クロウ演じるガブリエーレ・アモルト神父が派遣される、、、、

という感じで、ラッセル・クロウが悪霊に悩まされる家庭のエクソシズムに奮闘する展開へと突入していきます。

ネロ『お行きなさい』
ラッセル『はい。』

物語展開としては、非常にオーソドックスなオカルト作品、という感じで、一家が災難に巻き込まれていく過程や、

無垢な存在が、悪魔憑きで豹変していく様や、それに対処するのが新米神父とベテラン神父、という一連の流れが、

オカルトホラーの金字塔(エクソシスト)や、近年でも大ヒットした(死霊館)シリーズ等、多くのオカルト系作品でよく見かける定番の物語展開となっています。

ただ、そんなあまりに定番展開の本作の一番の魅力であり、見所となっているのは、そのオカルト展開に対処していくのが、あのラッセル・クロウという点に尽きます。

しかも、今のラッセル・クロウ、という点が非常に重要で、(グラディエーター)や(LAコンフィデンシャル)で、ギラギラしていた時期のラッセル・クロウではなく、

マン・オブ・スティール)等の大作映画での助演や、肥えた事を逆に利点した(アオラレ)(詳しくはこちら)等、色んな作品を経てきた今のラッセル・クロウだからこそ出せる人間臭さ、こそが本作の最大の魅力となっています。

あの体型も、毒気が薄まった表情も、年齢を重ねた事で、色んな人間味が自然と溢れ、そこに素晴らしい名演が加わわって、

他のキャストでは醸し出せないような独特の人間臭い神父役を、まるで実在した神父そのもののような説得力で好演しています。

また、キャラクター設定も面白く(実在の神父もそうなのかもしれませんが)、移動はいつも可愛い丸みを帯びた原付バイクで、

大柄な体型の神父が、スペインの街を原付で、走りながら、修道女を見つけては、ちょっと声をかけておどける、という親しみ易いキャラクターに、容易に感情移入できてしまいます。

さらに、教会の上層部からは、その異端ぶりに、結構嫌われていながらも、直属の上司からは、熱い信頼を受けている、

という教会内での立ち位置も、誰もが親しみを抱くキャラクターとして設定されています。

で、このラッセル・クロウ史上、最高レベルに感情移入できる主人公に、相棒として登場するダニエル・ゾバット演じるとトマース神父も、

登場当初は、無茶苦茶頼りなげですが、ラッセル・クロウと行動を共にし、躊躇しながらも必死で対応している内に、

土壇場で成長し、クライマックスでは悪魔そのものと対峙していく事になります。

この師弟関係も素晴らしく、師であるラッセル・クロウは常に師ではなく、弱みも見せ、弟子であるダニエル・ゾバットは、

打ちひしがれ、傷つきながらも、ヒーローとしての成長を遂げていきます。

この二人の関係が上手く描かれ、クライマックス近辺では、予想外の大バトルホラー、という感じの娯楽系の対決へと雪崩れ込んでいきます。

この辺りは、流石(オーヴァーロード)の監督、といった感じで、下手すると漫画のような(良い意味で)分かり易い善と悪の対決が、アドレナリンマックスで描かれていきます。

※↓ここからは物語のネタバレではありませんが、一応エンディングについて少し触れていますのでご注意下さい↓※

さらに、本作このクライマックス近辺の娯楽展開から、他のオカルトホラーとはちょっと違う切り口だという事が分かってきますが、

そこから続くエンディングも、ホラー作品によくある、解決した、、、と思ったら、、実は、、、

というような、あえてバッドなエンディングを迎える、という流れではなく、オカルト系作品ベスト1ぐらいに後味の良い、すっきりとした終幕を迎えます。

そういったエンディングも含めて、定番の流れの作品ながらも、他のオカルト系作品とは少し違う切り口の作品となっています。

ただ、ラッセル・クロウの存在感が強すぎて、そちらの物語がメインになっていくので、結局悪霊に悩まされていた家族の物語のエピローグが、

まさかの映像ではなく、

フランコ・ネロ上司の『あの家族は、もう大丈夫だから、アメリカに帰ったよ。』

という台詞一発で済まされてしまうのは、少し残念ですが、続編も期待できそうな内容ですので、是非ともまた人間味溢れるラッセル・クロウ演じるアモルト神父の活躍が見たいですね。

作品情報

2023年製作 アメリカ・イギリス・スペイン製作 心霊ホラー

監督 ジュリアス・エイバリー 原作 ガブリエーレ・アモルト

出演 ラッセル・クロウ、ダニエル・ゾバット、アレックス・エッソー、フランコ・ネロ、ローレル・マーズデン、ピーター・デスーザ・フエイオニー

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