ハンターVSハンター(EVERY LAST ONE OF THEM)83分

投稿者: | 2023年5月19日

おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

行方不明の娘を追って砂漠の田舎町にやって来た元特殊部隊員が、地元を牛耳る組織のボスとそのドラ息子を相手にバトルを展開するリチャード・ドレイファス、マイケル・マドセンも登場するリベンジアクション!!全体的に薄味です、、。

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、B級アクションで有名なクリスチャン・セスマ監督によるリベンジアクション作品です。

それでは、あまずはあらすじから、

行方不明の娘を探して砂漠の田舎町にやってきたジェイク・ハンターは、そこを牛耳るニコルズとその息子のボビーが、

娘の行方に関わっていると判断し、独自の捜査を開始する。

しかし、ニコルズは、警察や土地の有力者等にも繋がりのある絶大な権力を持ち、その権力を使って目障りなジェイクを抹殺するために襲い掛かるのだった!?

ヴァル・キルマールーク・ゴス共演の(デッドヒート)(詳しくはこちら)や、ルーク・ゴスRZA共演の(72時間タイムリミット)(詳しくはこちら)、

ルーク・ゴスダニー・トレホが共演した(デスクルー)等、ルーク・ゴス作品等を中心にB級アクション作品を多く監督しているクリスチャン・セスマの監督作品です。

主演は同じくクリスチャン・セスマ作品の(デッドヒート)や、(ザ・ヴィジランテ 世界最強の私設軍隊)等に出演し、

デスクルー)やジョン・トラボルタ主演の(リベンジリスト)では脚本も担当するなど、スタッフ・キャスト両方で活躍しているポール・スローンです。

ただ、脚本作品のほとんどは、同じタイプの作品ばかりなので、リベンジものや戦闘アクションものの物語を考えたり、演じたりするのが得意、という感じでしょうか。

ポール・スローン

で、本作の大きなセールスポイントであり、物語上、一応重要な役割を担っているのが、(ジョーズ)や(未知との遭遇)、(陽のあたる教室)(張り込み)等のリチャード・ドレイファスで、

ランボー)シリーズ(リチャード・クレンナが演じたトラウトマン大佐のような主人公の暴走を止める役柄を演じています。

リチャード・ドレイファス

で、その主人公の暴走を受ける側のラスボス役で、マシュー・マコノヒー主演の潜水艦もの(U-571)や、

ブラッド・ピット主演の(ジョー・ブラックをよろしく)、アンジェリーナ・ジョリー、ケイト・ブランシェット共演の(狂っちゃいないぜ)等に出演している

草食系の良い人そうな役柄が多かったジェイク・ウェバーが、髭にロン毛で登場し、憎々しい悪漢を演じています。

ジェイク・ウェバー

そして、そんなメインのゴタゴタに、主人公の兄として少しだけ関わる脇役で登場するのは(スピーシーズ)シリーズの1作目と2作目や、(レザボアドッグス)、

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド)等、クエンティン・タランティーノ作品の常連俳優で、

他の多くの娯楽系作品でも活躍しているマイケル・マドセンが顔出し程度ですが出演しています。

マイケル・マドセン

という感じでB級作品なのに非常に豪華なキャスティングが実現していますが、これは本作の製作会社がサバンフィルムズという事で、

エイドリアン・ブロディへイデン・クリステンセン共演の(クライムスピード)や、

ジョン・トラボルタ、クリストファー・プラマー、タイ・シェリダン共演の(THE FORGER 天才贋作画家 最後のミッション)(詳しくはこちら)、

トーマス・ジェーン、ローレンス・フィシュバーン共演の(スタンドオフ)(詳しくはこちら)等のように、

比較的小さい作品規模の割には、ビッグネームがキャスティングされている作品を多く製作している製作会社ですので、本作でもB級作品ファンの注目を引くようなキャスティングが実現しています。

で、そんな意外に豪華なキャストが出演している本作の物語は、主人公であるポールが行方不明の娘を探して既に田舎町に乗り込んでいる、という状況からスタートします。

そこに、麻薬の依存症から抜け出せないと悩む娘と父親である主人公の衝突等の過去のシーンが断続的に挿入されていきます。

悩む娘

で、バーでポールが飲んでいたところを全然チンピラに見えないチンピラ役に絡まれて、お約束のバーでの地元民とよそ者の喧嘩が始まり、

そこに早速その街を牛耳る大ボスであるジェイク・ウェバーが、開始10分程で、もう登場してしまいます。

チンピラドラ息子、、、に見えません、、(ミスキャストA)

リベンジもので同様の展開になるような作品は沢山ありますが、開始10分程度で、ここまで進んでしまう作品も珍しく、

他の作品ですと、ここまでに主人公が色んな探りを入れて見たり、黒幕を見つけるためにバレないように潜入していみたり、

悪の中にも仲間となる戦友がどこかに存在したり、という展開で1時間ぐらいはじっくり描かれますし、身内の救出劇やリベンジものの、

一番盛り上がる展開がそこに凝縮されているはずですが、本作は、その一番見せ場となるはずの部分を全部飛ばしてしまって、いきなりボスのほうからやって来てしまいます。

まだ主人公の人物紹介も済んでいません、、。

※↓いきなりですが、ここから先は物語の大きな展開に触れていますので、ご注意下さい↓※

さらに、いきなりのラスボス登場から、約10分後(開始から20分後)に、事件に関わった重要な人物を主人公が射殺してしまう、

という普通の作品でクライマックスとなる展開が開始20分で終了してしまいます。

ポール『終わったぜ、、』

では、そこから何を描いていくのかと言うと、重要人物を射殺する事で、今度は身内を殺された悪人側が、主人公に復讐するために命を付け狙う、という流れになっていきます。

要するに、主人公が身内を救出、リベンジする物語ではなく、悪漢が主人公に復讐、リベンジするという逆転の構図です。

ポール『逃げろっ!』

同様の(ジョンウィック)等のリベンジものでは、まずは主人公に復讐を決意するだけの理由が描かれます。

で、復讐を果たして相手も報復する、という流れになることが多いですが、本作の場合は、割と行方不明の娘の自暴自棄な奔放ぶりと、

そんな娘を他力本願で兄に押し付けて自分は一切関わろうともしなかった、という主人公自身の自業自得的な要素が描かれます。

悪人側が腐敗したどうしようもない集団、という厭な描き方をしているので、ギリギリ悪人が成敗されているようには見えますが、

物語が進めば進むほど、バンバンと人を殺害しまくるやりたい放題な主人公の方が悪人に見えてしまいます。

散々大殺戮を繰り広げた挙句にリチャード・ドレイファス

ド『奴の暴走を止められるのは私しかいない。

ランボー的にヘリでやってきますが、ランボーはあまりの警察の非道ぶりに、無実のランボーが迫害されまくる、

という善人が悪人の非道な行いにキレる、という感情移入できる流れがありましたが、本作のポールは、

自らしっかりした証拠を見つける事無く、怪しい容疑者が証言している途中で、怒りに任せて容疑者を射殺してしまいますので、そもそもランボー展開は成立しません。

リチャード『奴を止められるのは俺だけしかいないぜ、、』

さらに、リチャード・ドレイファスは、ポールの暴走を止める、という感じで、悪人側に面会に行きますが、

ポールは暴走して悪人を自ら率先して殺害して行っているわけではなく、悪人に追われて復讐される側の立場なので、

暴走を止めようと思えば追う事をやめれば良いだけなので、復讐される側設定が、色んな意味で物語全体に不具合を生じさせています。

MISSキャストB

結局追われているはずのポールが、いつのまにか追手をほぼ全滅させて、復讐を遂行しているような感じになっていますが、

リチャード・ドレイファスのそれまでの行動を無にするようなラストシーンを含めて、色んな不具合が不具合のまま放置されて、

なんとなく終了する、というクリスチャン・セスマ作品特有の独特な余韻を残す作品となっています。

という感じで、物語展開もアクションも、ふわっとした作品ですが、独特のロケーションでのアクションと、

豪華な脇役陣の活躍も観れますので、B級アクションファンの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

似てますね、、、

作品情報

2021年製作 アメリカ製作 アクション

監督・製作・脚本 クリスチャン・セスマ

出演 ポール・スローン、リチャード・ドレイファス、マイケル・マドセン、ジェイク・ウェバー、タリン・マ二ング

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ハンターVSハンター(EVERY LAST ONE OF THEM)83分」への2件のフィードバック

  1. S原

    まぁくさん、こんにちは。
    「あなたの知らないワゴンセールの世界」のS原です。

    今回の映画は、「ハリケーンマックス度」は低めかもしれませんが、面白そうですね(いろんな意味で)。。。これ、中古店で見つけたら(そして安かったら)DVDを買います。

    それにしてもリチャード・ドレイファスは、いまはこういう感じなんですねえ。「張り込み」とか味のある映画にでてたのに。ほかにもマドセンとか良い役者がでているのに、ミスキャストを連発しているとか、なんとなく終了するとか、すごいセンスですよ、この監督!
    で、クリスチャン・セスマって全然知らなかったんですよ。ちょっと調べると心の底からB級映画が好きな人みたいですね。同じような映画ばっかり作ってますから。しかもほとんど製作や脚本も担当しているという。日本語が読めたら、まぁくさんと僕のブログのファンになってたと思いますよ(笑)

    というわけで、これからも(僕のために)こういう映画の紹介をお願いまーす!

    返信
    1. まぁく 投稿作成者

      S原さん、こんにちは!いつもありがとうございます!
      この作品もなかなかB級心を擽る作品となっています!主演はさておき、リチャード・ドレイファスの出演が凄いのですが、初め登場した時は、ほとんど台詞も少なく、年齢のせいか、と残念に思っていたら、いつのまにかどんどんと前面に出て来て、いつの間にか『奴を止められるのは、俺しかいない!』と急に重要人物のような感じになり、最終的にエンディングは主演を放置して、リチャード・ドレイファスの大あばれで終わる、というある意味、リチャード・ドレイファスに関しては、ハリケーンマックスな内容となっていました。他の作品も、クリスチャン・セスマ監督作品は、なかなかの内容の作品が多いので要チェックしておいた方が良いかもしれませんね!
      これからも、セスマ作品含めてB級感強めの作品を書かせていただきますので、また宜しくお願い致します!

      返信

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