おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
2013年9月にペルーの首都リマで起きた撮影隊の失踪事件を映画化したという触れ込みのPOVホラー!!


作品紹介
2022年1月21日公開
今回ご紹介するのは、ペルー製作のPOVホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ペルー共和国にある日系人が住んでいたマツシタ邸。
そこはかつて凄惨な事件の現場となり、数々の超常現象も目撃されているいわくつきの屋敷となっていた。
そんな屋敷に超常現象撮影隊のクルーが踏み入った事で、数々の怪奇現象が巻き起こる!?

ペルー製作のPOVホラー作品です。
日系人が所有していたマツシタ邸が舞台となっていて、3人の若手超常現象撮影隊と一人のおじさん霊媒師の4人が、
色々な噂の絶えないマツシタ邸に潜入取材に入る、といういわゆるお化け屋敷ホラー作品となっています。

一応、実話の映画化という触れ込みですが、そういう設定も含めて色々な噂のある屋敷を舞台にしたPOVモキュメンタルホラー作品、という事になります。
POV作品の一つの見どころとして、リアル感を追求するジャンルですので、割とその土地柄や日常の風景に溶け込んだ恐怖描写が見れる、という点があると思われますが、
本作も製作国がペルーという事で、恐怖描写もちょっとしたお国柄が垣間見える(この作品の登場人物たちだけかもしれませんが)作品となっています。
まずは、本作に登場する撮影クルーは、女性がリーダーで、カメラ前に立つリポーターは若手でイケメン風、しかも機材オタクという設定です。
で、カメラ担当の男性は超常現象に懐疑的で、この撮影も完全に賃金のためだけの参加で、なんならこの屋敷にも入りたくない、ぐらいの否定的な人物です。
で、その3人とは少し別な畑から参加の霊媒師は、善人のようですが、本当に霊能力があるか分からないなんだかちょっとした胡散臭さもあります。

そんな4人が怪奇現象の噂の絶えないマツシタ邸に潜入していくのですが、これが、なかなかののんびり展開で、
前半は近隣住民や超常現象専門家へのエピソードや、機材をセットするだけの時間が40分ほど続きます。

その間の恐怖描写はほとんど存在せずに、ただただマツシタ邸が映るのみです。
この前半の停滞感はPOV作品の宿命でもあるのですが、本作は早めに屋敷内に入っていく事でなんとかその停滞時間を少な目にしようとはしています。
ただ、何かが映りそうで映らない時間だけでひっぱるのもなかなか厳しいですので、結構飽きのくるギリギリのところで、子供用の木馬が揺れます。
勿論主人公達の見ていないところで。

そんな調子で、『志村!うしろーっ!』的な恐怖描写が何度か続いた後に、堰を切ったようにあからさまな超常現象のオンパレードとなっていきます。
多分この辺りからが、お国柄というか、見えそうで見えない、そこに何かがいるかもしれない、という闇に対する恐怖描写とは違った、
はっきりとした恐怖演出というか、びっくりや、驚きに近いような描写が多くなっていきます。
多分、はっきりと邪悪な存在を観て、はっきりと分かりやすく驚きたい、というお国柄ではないでしょうか。

そうなってくるとPOVの特性を活かした恐怖とも、少しづつズレてしまいますので、後半は完全なびっくりお化け屋敷ホラーになっていってしまいます。
男性陣の内、懐疑的だったカメラマンは、恐怖に怯えるというよりも、やたらと絶叫というか大きな声で叫びながら、そこら中を破壊していく、というあまり見た事がないような派手な怯え方をしますし、
逆に前半で超常現象好きを大アピールしていたイケメンリポーターは霊の存在を感じるやいなや、凄まじく大きなリアクションで怯えていきます。
それだけ怖がりで、良く今まで超常現象撮影を繰り返してきたな、というぐらいに大げさに怯えまくります。

で、女性リーダーは霊と対峙するなりとりあえずは一旦退場しますので、しばらく姿が見えなくなりますが、
おじさん霊媒師は、実は実力があるという設定なのか、結構霊能力を発揮しだし、『彼らは見方だ!』とか、
『彼らも犠牲者だ!』とか、『彼らは怒っている!』とか、『彼らを埋葬してやるんだ!』とか、なんだかんだと常に正解を出し、物語をけん引していきます。
要するにバラエティ番組で言うところのMCのような進行役をおじさん霊媒師が担っていきます。

で、おじさんに言われるがままに(司会者なので)その館の過去の住民の噂にあった、住民の一人が家族をナイフで殺害して自分も切腹した、という噂をなぞるように【死】という漢字が裏に書かれた家族写真を見つけ、


【死】と書かれた床板を見つけ、その下に隠された【死】と書かれた切腹ようの小刀を発見します。


さらにこの後、この【死】という文字がもう一度登場しますが、そこはかなりインパクトのあるシーンですので、内容は割愛させていただきます。
日本人なら、『マジ、、、?』と思うような登場の仕方です。
という感じで、やたらと【死】のアピールが凄いですが、Jホラーでこんなシーンが出てきたらコメディかと勘違いしてしまいますね。
おそらく、漢字圏ではない国では、その意味を知ったら怖くなる、という感じなのでしょうか。
とんだ実話ですね。
という事で、内容的には、それほど新鮮味のあるPOVホラーではありませんが、ペルーのお国柄をほんの少しだけでも味わえる作品となっていますので、
POV作品好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報
2014年製作 ペルー POVホラー
監督 ドリアン・フェルナンデスモリス
出演 ブルーノ・エスぺホ、ルピタ・モーラ、エドゥアルド・ラモス




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