おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
ナチスに奪われた世界的な絵画を取り戻すため、女性メインの凄腕の大泥棒達がそれぞれの特技を活かして奪還作戦に挑む怪盗アクション!!


作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、女性メインの怪盗チームが、ナチスに奪われた絵画を取り戻すミッションに挑むサスペンスアクションです。
それでは、まずはあらすじから、
名画を専門に裏の世界から取り戻す大泥棒アナベルは、恩師であるジョセフのかねてからの念願であるナチスに持ち去られた名画を取り戻す任務のために、
かつての顔なじみの凄腕メンバーを招集する。
しかし、作戦開始直前に、ターゲットの保管場所が変更されてしまった事で、計画は狂い始めてしまうのだった!?

女性中心の怪盗チームが名画奪還に挑むサスペンスアクションです。
監督は、(SHINE)や(COLOR BOX)等のアンソニー・ナルドリーロで、女性中心の物語を軽妙に描いていきます。



主演のチームリーダー役は、(スタートレック)やテレビシリーズの(ER)等に出演しているベテランのリサ・ヴィダルで、
恩人との約束を守るために、絵画奪還を計画します。




チームの凄腕ハッカー役且つ、柔術をこなすレディドラゴン役で、(ガールズ・トリップ)やテレビシリーズ(グレイズアナトミー)等のジャイナ・リー・オルティスが登場し、
文武両道を併せ持つ美味しいところ取りのキャラクターを演じています。




チームの凄腕金庫破り役で、(DE LO MIO)等のサーシャ・メルシーが登場し、難攻不落の大金庫に挑戦します。



で、その女性三人のメインメンバーに、サポート的な立場で参加する男性メンバーで、(ブリングリング)や(ウォーリアー)等のカルロス・ミランダが登場し、
プレイボーイぶりを見せつつ任務をこなしていきます。




で、トラブルメーカーな匂いも放つ男性メンバー役で、(トワイライト)や(ブレイクアウト)(詳しくはこちら)、(マグ二フィセントセブン)等、
有名ハリウッド作品に出演しているキャム・ギガンデットが登場し、チームに色んな意味で変化を付けていきます。





というスタッフ・キャストが結集した本作の物語は、1985年のまだ若き主人公アナベルが、ある富豪宅に泥棒に入り見つかるところから始まります。
で、その富豪である老人は、実はアナベルの天才的な泥棒テクニックに惚れ込み、ある計画を託すためにアナベルを招き入れていた、という事が分かります。
で、その老人は、他の仲間達と秘密組織を運営していて、世界の裏社会に散らばる世界的な名画等を取り戻すために活動している、という事もわかります。

で、詳しい活動内容が描かれませんので良くは分かりませんが、その組織のエージェント的な立場としてアナベルは雇われ、
そこから十数年、恐らく大活躍を繰り広げた上で、かねてから計画していた、ある投資家が保管しているナチスによって奪われた究極の名画を奪還する計画をついに実行に移す事になります。

で、その任務に必要なメンバーとして顔なじみの天才的なハッカー技術を持つルシール、助手とも言えるサポート係エディ、
どんな鍵も開けてしまう錠前屋ナディア、腕っぷしの強いブルーノ、という感じで、それぞれ特技を持つメンバーが集まりインポッシブルなミッションに挑む、というのが本筋となっていきます。

物語展開的にはシンプルで分かりやすく、(ミッションインポッシブル)や(オーシャンズ11)のような作品を目指しているという事がヒシヒシと伝わってきます。
怪盗ミッションチームものに、オシャレな映像とノリの良い音楽を散りばめて軽妙にミッションをこなしていく、という雰囲気は、しっかりと出ていますが、
やはり低予算作品なために、色々とツッコミ所も満載で、おしゃれ感をアピールしているために、
逆になんとなく乗れそうで乗れない、イケてそうで、そうでもない、という、ふわっとした印象の作品となっています。
雰囲気だけが前面に出ている、という感じでしょうか。

ツッコミどころは満載なのですが、とりあえず根本的な部分だけ挙げると、主人公は、若き日に出会った老人ジョセフに大変世話になり、
ジョセフがナチスに没収された名画の数々を再び奪還して、美術館に寄付し、一般の人の目にも触れられるようにして名画で人々を癒したい、というジョセフの思いを受け継ぐ、
という、世話になった人への感謝と、他の多くの人の夢と希望を背負って、泥棒任務に挑む、
という主人公の行動の理由、言い換えると本作の物語全体の目的が、何度となく繰り返される過去の映像とジョセフへの想いを語る主人公のシーンで印象深く表現されています。

ただ、よくよく考えてみると、その名画は、ジョセフがナチスに没収される前には個人で所有していた名画なので、
没収される前に寄付していれば、海外に持ち出されることも無かったはずですので、
意地悪な見方をすると、他人に盗られるぐらいなら寄付する、という感じにも取れてしまいます。

一旦、そう考えると、物語の何もかもが崩れ去ってしまい、(RIGHTEOUS THIEVES正義の泥棒)という原題さえも危うくなってしまいますので、
ジョセフ設定は無しで、ただ単に、詐欺師たちが集まって、イヤミな野郎から財産を根こそぎスカッとかすめ取る(オーシャンズ11)シリーズや、
スパイエージェントとして、仕事で不可能な任務に挑む(ミッションインポッシブル)のようなシンプルな設定でも良かったような気がしますが、どうでしょうか。

このジョセフのエピソードが割と長い割には、本編で描かれているメインのミッション以外の過去のミッションについては台詞のみでしか語られない上に、
主人公のアナベルは、ひとつ前のミッションで、マフィアと名画の争奪戦になった際に、マフィアに名画が奪われると確信した瞬間に、
あろうことか、名画を燃やして灰にしてしまう、というトンデモない行動をとる主人公という設定になっていますので、
キャラクター面でも、名画で人々の心を癒す、という善行とは不釣り合いなひととなりとなっています。

ターゲットの名画を所有する投資家も、まるで悪党犯罪者のような描かれ方がされていますが、特に善人をだましたり、犯罪に手を染めたり、等の描写がありませんので、
それほど悪事を働いているわけでも無い、ただのイヤミから、値が付けられないような高額な美術品を奪う、
という大筋設定を踏まえても、やはり(RIGHTEOUS THIEVES正義の泥棒)?と疑問に思ってしまうような設定となっています。

悪党犯罪者(組織)相手ではないので、クライマックスの奪還大作戦も、ターゲットの名画をゴツイ金庫で保管されていて、建物を黒服のゴツイ男たちが守っているにも関わらず、
ほとんどが素手で金庫を守っていますので、主人公達がピンチに陥った際にも銃での撃ち合いではなく、
基本素手での戦いとなりますので、他の有名作品のような緊迫感もその分、薄めとなっています。
それにしても警備の仕事をしているので、警棒ぐらいは持っていても良いと思いますが、、。



ただ、ずっと非武装だったのに、チームがもうすぐ逃げ出せる、というところまで来た時にナディアが腕を銃撃されて、
尋常じゃないぐらいに痛がり出す、という、こういう作品では観た事が無いような規模の小さいピンチは描かれます。

現実の世界だと、恐らく、銃で撃たれたら尋常じゃないぐらい痛いと思われますが、
こういう作品では、腕を撃たれたぐらいで、仲間に担がれる勢いで、サポートしてもらう、というのも、なかなか無いのではないでしょうか。
雰囲気ははありますが、普通はお腹とか胸とかではないでしょうか、、、。

後半には、前半からそうなるんじゃないか?と恐らくほとんどの人が思うような、展開があり、颯爽と続編を期待させるようなエンディングへと突入していきますので、
今後も、本作の雰囲気のみを継承した、さらなる正義の名画奪還作戦が描かれていく事になりそうです。

という事で、割とツッコミ所の多い作品ではありますが、特殊技術を持つ女性たちが、颯爽とチームで活躍する
雰囲気はしっかりと味わえる作品となっていますので、レディースアクション好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。




作品情報
2023年製作 アメリカ製作 レディースアクション
監督 アンソニー・ナルドリーロ
出演 リサ・ヴィダル、カルロス・ミランダ、ジャイナ・リー・オルティス、キャム・ギガンデッド、サーシャ・メルシー、マイケル・フェアマン


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