【香港映画】モンスターランナー怪物大戦争(怪物先生MONSTER RUN)104分

投稿者: | 2021年8月5日

お薦め度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

人間界と怪物界の扉を開く鍵となる少女を守るため、落ちこぼれ怪物ハンター、ショーン・ユーがモンスターたちを相手に大暴れするファンタジーアクション!!

作品紹介

2021年3月19日公開

今回ご紹介するのは、ショーン・ユーが怪物ハンターに扮したVFXモンスターアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

怪物が見える事で、妄想症と診断された少女レイ(ジェシー・リー)は、ある日アルバイト先でモンスター,雪男に襲われる。

寸前のところで、怪物ハンター、モン(ショーン・ユー)に救われたレイだったが、実はレイは、人間界と怪物界を繋ぐ扉を開けるための鍵となる力を持っており、

その力を利用しようとした怪物たちにすでに命を狙われる存在となっていたのだった!?

落ちこぼれハンター、ショーン・ユー

インファナルアフェア)や(頭文字D)のショーン・ユー主演のファンタジックアクション作品です。

ショーン・ユーお得意の粗野で軽薄そうに見えて、実は優しくて面倒見が良い、親しみのあるキャラクターを演じています。

監督は(燃えよ!じじいドラゴン)や、(全力スマッシュ)、チャウ・シンチーの(西遊記はじまりのはじまり)などで、

共同監督や、製作・脚本として活躍する、ヘンリー・ウォン監督とデレク・クォック監督のコンビ作です。

今回はヘンリー・ウォンが監督、デレク・クォックが製作を担当しています。

デレク・クォックはコンビ作以外にも、エディ・ポン版の西遊記である(悟空伝)も監督していますので、本作のようなファンタジーアクションはまさに得意分野、といったところでしょうか。

そんな香港映画色の強い本作ですが、本作は最近多く製作される純中国製の時代劇VFXアクションとは違い、舞台は現代となっています。

物語の鍵となる少女は精神病院に入れられて、社会復帰のためにスーパーでアルバイトを始める、というところから物語は始まります。

凄く現実的な出だしですが、この現代の香港と思われた舞台設定、どうも実際はリアルな現代の香港、という感じではなく、

なんとなく(ブレードランナー)の舞台のイメージにも通ずるようなちょっとしたサイバーパンク的な世界観になっているようです。

少女が働くスーパーは現実的な感じですが、そのスーパーで怪物である雪男に襲われているところを怪物ハンターであるショーン・ユーに救われます。

で、少女が怪物に狙われている、という事でショーン・ユーの師匠的な人物に会いに行くのですが、この師匠が経営している雑貨屋さんが、

パッと見て香港の街中にありそうながらも、全体的になんとなくファンタジックな異世界の雑貨屋さん、といった雰囲気に包まれています。

説明がほとんどないので、この世界が香港なのか、異世界なのか、現実なのかが判断しにくいのですが、

恐らく、香港だけども、現実の香港とは少しズレた香港、といった世界観のようです。

ちょっと幸薄系なヒロイン、ジェシー・リー。

主人公少女は怪物が見える、という事で精神病院に入れられる、という物凄く現実的な登場をしますが、いざ怪物ハンターが登場すると、

前半登場していた精神科医や近所の住民などは一切登場しなくなり、他の怪物ハンターまで登場して、街中でバトルを繰り広げる、

という今までの妄想に悩んでいる少女の設定をあっという間に忘れてしまうぐらいに、異世界メインの物語に展開していきます。

しかも、あまり説明なく、現実世界から異空間っぽい場所に突然移動したりしますので、今現在主人公達がどこで、戦っているのかも把握できなくなっていきます。

という世界観ですので、本作は要するになんでもありの、ある意味香港映画らしい香港映画となっています。

ただ、世界観に関しては、なんでもありの香港映画らしくて良いのですが、アクションに関しては、武術的なアクションのほとんどない香港映画らしくないアクションとなっています。

なんでもかんでも、なにかと武術アクションを取り入れてきた香港アクションで、本作のような武術アクションと相性の良さそうな題材を扱った物語でありながらも喧嘩アクション程度に留めています。

西遊記)シリーズや、(燃えよ!じじいドラゴン)、(全力スマッシュ)など、ヘンリー・ウォンデレク・クォックが近年携わった作品は、

どれも熱くなるようなアクションや、物語展開が大きな魅力の一つとなっていましたが、本作に関しては、

そういった熱いアクションや、熱い展開はほとんどなく、割と物語の起伏もなくあっさり目に話が進んでしまいます。

キャスト面でも、ラスボス役で伝説のレディドラゴン、クララ・ウェイがキャスティングされているのにアクションはほとんどなく、ワイヤーで、宙にフワ~っと浮く、程度のアクションしかありません。

今回はアクション無しのレディクンフー、クララ・ウェイ

ショーン・ユーも(かちこみ!ドラゴンタイガーゲート)などで、激しいアクションを見せてくれていたので、アクションができるキャストは揃っているはずなのに、

そういった武術アクション的な香港映画らしいアクションは、あえて避けているようにも見受けられます。

これは、本作には人気の原作小説が存在しますので、恐らく、その世界観を守るために、武術アクションはあえて避けて、ファンタジックな攻防と、独特の世界観の描写をメインに持ってきたのではないかと思われます。

その分、他の作品よりもCGアクション自体は楽しめますし、香港らしさを味わいながらも、通常の香港映画とは少し違う雰囲気も味わえる、という独特の味わいの作品になっています。

ただ、個人的には、VFXをメインにしたアクションなどはハリウッド作品に溢れかえっているので、そこをメインにするよりも、

VFXシーンを減らしてでも、香港映画らしいアクションをもっと堪能したかった、というのが本音ですが、どうでしょうか。

怪物界の大物、雪男

というように武術アクションよりもVFXがメインの作品ですので、技術は格段に進歩した、と実感できるようなシーンが作品の魅力ではありますが、

逆にVFXに頼り過ぎて、なんとなくセットとCG世界の、閉塞感のある箱庭的な映画になってしまっている面もありますので、もう少し現実世界の香港の割合が多くても良かったような気がしますが、

そこも小説の世界観を忠実に再現した結果なのかもしれません。

あと、各地区を管轄している怪物ハンターがいる、という設定も凄く面白いですが、登場するのが主人公含めて3人だけ、というのも閉塞感を増す原因になっています。

この各地の怪物ハンターとの攻防など、面白くなりそうな設定がちらほら出てきますが、そこが深く掘り下げられる事がありませんので、

もしかすると、続編などのためにそこは次回以降のお楽しみ、となっているのかもしれません。

という事で、内容としては香港映画らしいなんでもありな物語、アクションとしては、いつもの香港映画らしさを避けたファンタジー作品となっていますので、

香港映画好き、SF映画好きの方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

それにしても、(ミセスK)(詳しくはこちら)のようなクララ・ウェイアクションが見たかった、、。

あと、予告編では北京語ですが、日本盤のDVD本編は広東語吹き替えになっていましたので、最近の中国・香港系の作品の中では、より香港映画風味の味わえる仕様となっています。

名前がばっちり書かれているロングコート着用

作品情報

2020年製作 中国製作 SFアクション

監督・脚本 ヘンリー・ウォン 制作 デレク・クォック

出演 ショーン・ユー、ジェシー・リー、クララ・ウェイ、トゥメン

空間移動できる怪物を召喚

その他の香港製モンスターアクション作品

VFXと香港アクションが見事に融合したファンタジーアクションシリーズ(モンスターハント)シリーズはこちら

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