【香港映画】サンダードラゴン(流氓差婆/來自江湖/雌雄雙辣THUNDER COPS2)87分

投稿者: | 2024年3月22日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

(ハリケーンコップ)(チャイニーズゴースト香港の幻)と同スタッフ・キャストながらも、お笑い要素は、お助けマンのチャウ・シンチー以外ほとんど無い、サンドラ・ンのイメージを覆すハードポリスアクション!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、サンドラ・ン主演のハードなポリスアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

麻薬王パンサーに目の前で刑事の父を殺害された刑事ラムは、復讐心に駆られ、刑事という身分を忘れて、手段を選ばずにパンサーを追い続ける。

パンサー逮捕のきっかけとなる男、インとの接触をきっかけに、一気に捜査は進み、ついに多くの犠牲を払ってパンサーとの対決の時を迎えるのだった!?

日本ではチャウ・シンチー人気に伴って、香港公開からかなり遅れてちょっとミスリードを誘う主演級作品的にリリースされた作品ですが、

香港でも調度チャウ・シンチーのブレイク直前に公開されたという事で、公開後、タイトルと編集を加えて再公開される、

という、実に商売っ気満点の香港映画らしい作品となっています。

その割に、お茶らけた内容では無く、おふざけ感ゼロの無茶苦茶ハードなのでなのですが、、、。

で、1989年の初公開時には、チャウ・シンチーがブレイク前でしたので、本作と同スタッフ・キャストで製作され、本作の半年前に公開されたサンドラ・ン主演の(チャイニーズゴースト香港の幻)の、

第二弾として、英題も(THUNDER COPS2)と付けられて公開されましたが、

英題的にはこの作品の第二弾

その後すぐにチャウ・シンチーが、本作と同じジェフ・ラウ監督作品(ゴッドギャンブラー賭聖外伝)で大ブレイクしましたので、

チョウ・シンチーの存在感を強調したタイトルに変更し、再公開するというジェフ・ラウ監督らしいといえばらしい扱いの作品となっています。

という感じで、色々と姿を変えてリリースされた作品ではありますが、実際の内容はシリーズ物などではなく、サンドラ・ン単独主演のかなりハードなポリスアクションです。

ですので、特にタイトルが2となっていても(チャイニーズゴースト香港の幻)との物語上の繋がりはありませんし、チャウ・シンチーは後半のみの出演となっています。

因みに、本作公開以降の1992年に製作されたニッキー・ウー主演のノワールアクション(男たちの挽歌 烈火の章)の原題が(THUNDER COP)と、

複数形のSを取っただけの英題が付けられて公開されていますが、そちらも本作とは全く無関係の作品です。

という事で、監督は、チャウ・シンチーブレイクのきっかけとなった(ゴッドギャンブラー賭聖外伝)を監督し、

その後も(チャウ・シンチーのゴーストバスター)や(チャイニーズオデッセイ)等でもコンビを組み、

本作では、サンドラに恨みを持つ上司役として出演もしているジェフ・ラウで、何でもありな作風が多い中、

本作ではかなりハードなポリスアクションで、サンドラの新たな一面を引き出しています。

ジェフ・ラウ
ジェフ・ラウ

で、主演の女刑事役は、(ハリケーンコップ)(詳しくはこちら)や(チャイニーズゴースト香港の幻)、(レディスクワッド)(詳しくはこちら)等、

名コメディエンヌとして活躍しているサンドラ・ンで、本作ではほとんど笑顔も見せないハードな役柄を演じて新境地を開拓しています。

サンドラ・ン
サンドラ・ン

で、後半からの登場ですが、サンドラを助ける男役で、(ゴーストハッスル)(詳しくはこちら)(カリー&ペッパー)(詳しくはこちら)等の、

ブレイク直前のチャウ・シンチーが登場し、少ない出演シーンで、しっかりと印象を残していきます。

チャウ・シンチー
チャウ・シンチー

で、サンドラの麻薬依存症の情報屋役で、(特撮・異星人大騒動)(詳しくはこちら)や(フルコンタクト)等の

アン・ブリッジウォーターが登場し、かなりハードな悲壮感漂うキャラクターを好演しています。

アン・ブリッジウォーター
アン・ブリッジウォーター

で、前半のサンドラの相棒となる新人刑事役で、(少女戦士‘88)(詳しくはこちら)や(新・桃太郎)(詳しくはこちら)シリーズ等の

リン・シャオロウが、珍しく香港製作の本作に登場し、キレのあるアクションを披露しています。

リン・シャオロウ
リン・シャオロウ

で、サンドラの宿敵の一人となる黒社会組織のボス役で、(ジョイ・ウォンの時空伝説)(詳しくはこちら)や(チーズとハム)(詳しくはこちら)等の

シン・フイオンが登場し、サンドラと激闘を繰り広げていきます。

シン・フイオン
シン・フイオン

で、サンドラに理解のある叔父であり上司役で、(ハートビート100)(詳しくはこちら)や(霊幻道士2)等の

名バイプレーヤー、ウー・ファンが登場し、サンドラをサポートしていきます。

ウー・ファン
ウー・ファン

で、冒頭のみの登場ですが、サンドラの父親役で、(ミラクルファイター)(詳しくはこちら)や(妖怪道士)(詳しくはこちら)等の

エディ・コーが登場し、作品世界を掘り下げていきます。

エディ・コー
エディ・コー

で、サンドラの宿敵となる犯罪者役で、ジョイ・ウォン主演の(ミッシングマン)(詳しくはこちら)やマイケル・ホイ主演の(マジックタッチ)等の

ファン・カンが登場し、クレイジーな犯罪者を演じています。

ファン・カン
ファン・カン

そんな、スタッフ・キャストで製作された本作の物語は、まずは新米制服警官のサンドラが、違法露店販売の逮捕に失敗しつつ、

そのままの勢いで、敏腕刑事である父親の、凶悪麻薬王パンサー逮捕の瞬間を邪魔してしまい、結果的にパンサーに父を殺害される、という最悪の結果を招いてしまう所から始まります。

で、父の復讐を誓って数年後、刑事となったサンドラは、パンサー逮捕を焦るあまり、行き過ぎた強引な捜査が目立つようになり、

署内でもトラブルメーカーとして扱われている現状となっています。

で、そのパンサーの情報を得るために、取引相手である黒社会のセブン(シン・フイオン)に近づくために、

情報屋である麻薬中毒者のアン・ブリッジウォーターを、特権を使って釈放させて、麻薬を与える代わりにセブンに近づかせて情報を得る、

というかなりダーティな捜査を進めています。

で、アンの方もかなり重症で、もうドラッグなしには生きていけないぐらいにギリギリの状態になってしまっていますが、

パンサーを逮捕する事しか眼中に無いサンドラには、アンを気遣う余裕さえなく、一心不乱に強引な捜査を進めていきます。

そんな中、セブンは取引相手のパンサーを取引中に襲い、ドラッグとその代金を両方持ち逃げする、という思い切った行動を起こし、

それ以来、パンサーグループに追われる身となってしまいます。

で、その煽りを食ってアンや、サンドラの強引な捜査に同行していた新人刑事であるリン・シャオロウもパンサーグループに襲われる事になってしまいます。

で、そんな大事件が起こる中、ついにサンドラは、今までの強引な捜査と、ついでに濡れ衣も着せられて、逮捕されてしまいます。

しかしながら、唯一の見方であった味であるウー・ファンの助力もあり、なんとか留置場を脱走し、

パンサーを捕らえるために、セブンの弟であるチャウ・シンチーのもとを訪れる、という流れで、チャウ・シンチーとのバディ展開へと突入していきます。

でこの後半になると、特に物語上重要ではないチャウ・シンチーのキャラクターが、やたらと割り込んできて、無理矢理見せ場を攫って行く、

という強引な展開が目立つようになり、しかも演じている役柄がいつものチャウ・シンチーらしい明るめのキャラクターなのに、

サンドラの方はハードモード全開なので、ずっと陽気とシリアスがかみ合わない、という不具合が発生しますが、

そういう全体的なアンバランス感も含めてジェフ・ラウ作品の一つの魅力かと思われます。

それでも、やはり本作の魅力は、後半のチャウ・シンチーの存在もありますが、作品本来の魅力としては、やはり前半のハードな刑事ドラマ路線で、

普段はズッコケ演技しか見せない(というよりズッコケ要素でキャスティングされている)サンドラ・ンによる、

ズッコケどころか、笑顔も見せずに、復讐を遂げるためには、他人さえどうなっても良い、ぐらいの勢いのダーティな刑事像で、

犯罪者を執拗に追い詰める姿が、チャウ・シンチーの存在以上に強烈に印象に残ります。

あと、これは監督のジェフ・ラウのその当時のセンスなのか、武術指導のユエン・チュンヤンのセンスなのか分かりませんが、

後半のガンアクションシーンになると、

ダイナミック過ぎるカメラワークと、(男たちの挽歌)を数倍ヒロイックに漫画化したようなスローモーションで、

夢の中を彷徨っているようなシーンが、割と長めに続きます。

シンチー『これは、夢なの、、、、』
シンチー『かっ!!』

かなり唐突にダイナミック&スロー(例えるなら霊幻道士2のスローになる薬品のキョンシーアクションのような感じです)が始まりますので、

本当に夢か現実か、鑑賞している方も判断がつかない、という混乱を招きますが、このダイナミック&スロー

このシーンだけではなく、後半にも結婚式場の出入り口で、新婚が幸せな雰囲気に包まれた一角を挟んでサンドラと犯人側の激しい銃の撃ち合いを描く、という、トンデモセンスで、

ゆっくりスローモーションで、

撃った→被弾→泣き叫ぶ花嫁→サンドラがハッとする→チャウ・シンチーが焦る→サンドラが応戦→また列席客が撃たれる、、、

を繰り返していきますので、今度は無関係の被害者をどんどん出しながら、夢の中のような悪夢が描かれる、

というある意味ハードと漫画的なヒロイックを融合させたような、他の監督の作品では、決して描かれないようなシーンが描かれます。

という感じで、

根本のドラマは引くほどハード、合間に入るアクションは夢の中、クライマックスはチャウ・シンチーの明るさだけが立体映画のように浮いている、

という、色んな面のある作品ですが、角度を変えれば、色んな楽しみ方ができるような作品となっていますので、

香港映画好き、チャウ・シンチー映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

でも、(レディスクワッド)や(ハリケーンコップ)、(チャイニーズゴースト香港の幻)等の楽しさを期待すると、結構打ちのめされてしまいますのでご注意ください。

特に、アン・ブリッジウォーターは名演過ぎて観ていてつらいです、、、。

作品情報

1989年製作 香港製作 ポリスアクション

監督・脚本 ジェフ・ラウ 武術指導 ユエン・チュンヤン

出演 サンドラ・ン、アン・ブリッジウォーター、リン・シャオロウ、チャウ・シンチー、シン・フイオン、ウー・ファン、エディ・コー、ジェフ・ラウ、ファン・カン

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