おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
豪華キャストで製作された前作に引き続き、チュー・イェンピンが監督し、金城武、ニッキー・ウーが主演した、陰鬱な雰囲気に満ちた囚人アクション!!
作品紹介
1997年7月26日公開
今回ご紹介する作品は、豪華スターが共演した(炎の大捜査線)のシリーズ第二弾です。
シリーズ作品ではありますが、同じような内容の作品、という事以外には物語的には直接前作と繋がりのない内容となっています。
それでは、まずはあらすじから、
刑事のヤンは、自身に恨みを持つ男の罠にはまり、人の命に関わる大失態を犯してしまい、その後、その男を射殺して刑務所送りとなる。
そこには、賭け格闘技で問題を起こして投獄されたリンや、酒で失敗し続ける男、相場師の男等、様々なアウトロー達が集まっていたが、
その監獄は、極悪な所長と、黒社会のボスが牛耳る、地獄のような監獄なのだった!?
監督は、前作に引き続き(ドラゴン特攻隊)や(カンフーキッド)(詳しくはこちら)等の、台湾製娯楽映画の巨匠、
チュー・イェンピンで、前作の設定はそのままに、別キャストで新しい囚人ドラマを演出しています。
で、主人公となる元ボクサー役で、(男たちの挽歌 烈火之章)(詳しくはこちら)や(永遠の恋人たち)等の
ニッキー・ウーが登場し、激闘を繰り広げます。
で、元刑事役で、(恋する惑星)や(捜査官X)等の金城武が登場し、厳しい状況に立ち向かっていきます。
で、極悪な所長役で、(ザ・ミッション非情の街)や(エグザイル絆)等のアンソニー・ウォンが登場し、主人公達と対峙していきます。
で、ニッキー・ウーの息子役で、(恋しくて、、、)(詳しくはこちら)や(カンフーキッズ恋する少林寺)(詳しくはこちら)等の、
台湾の人気子役ハオ・シャオウェンが登場し、印象を残していきます。
で、ニッキー・ウーの妻役で、(醉拳2)や(奇蹟ミラクル)等のイヴォンヌ・ヤンが登場し、可憐な魅力を振りまいて行きます。
で、元相場師役で、(妖術大戦争シークレットマジック)(詳しくはこちら)や(チーズとハム)(詳しくはこちら)ン・マンタが登場し、珍しくお笑い要素抜きで活躍していきます。
で、黒社会組織のボス役で、(ファイナルプロジェクト)や(プロジェクトV)(詳しくはこちら)等のジャクソン・ラウが登場し、争いを巻き起こしていきます。
で、大酒のみのアルコール依存症の男役で、(西虹市首富)や(狗蛋大兵)等のチャオ・ジーチャンが登場し、どうしようもないドラマを演じています。
そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、極悪な所長(アンソニー・ウォン)が、やりたい放題の刑務所に、
元刑事の殺人犯(金城武)、裏社会の賭け格闘技の選手(ニッキー・ウー)、大酒飲みの男(チャオ・ジーチャン)、
元相場師の男(ン・マンタ)を含む、新しい囚人たちが、移送されてくる所から始まります。
で、そこからその囚人たちが、罪を犯して逮捕・投獄されるまでのドラマが、回想形式で始まります。
金城武は、犯罪組織の取引現場に踏み込んで、銃撃戦の果に犯人グループの数名を射殺しますが、
実は、犯人グループには、既に潜入捜査官が混ざっていて、グループを検挙する直前まで捜査が進んでいたものの、
金城武に恨みを持つ情報屋によって、故意に誤った情報を流され、結果的に仲間を射殺してしまう、という、取り返しのつかない失態を犯してしまいます。
その後、その情報屋を許せなかった金城は、その男を追い詰めて、公衆の面前で堂々と射殺してしまう、という言い逃れの出来ない殺人を犯してしまいます。
で、ニッキー・ウーの方は、妻子(イヴォンヌ・ヤンとハオ・シャオウェン)を養うために、闇で行われている賭け格闘技の世界で生きていたものの、
あまりにファイトマネーを搾取する黒社会のボスに見切りをつけて、高飛びしようとしたところ、ボスの部下に襲われたので、
関係者の命を奪う程に大暴れしたものの、最終的には逮捕され投獄されてしまいます。
で、大酒飲みの男は、とにかく酒瓶を手に持って、酒をラッパ飲みしていないと落ち着かない性分で、その日も酒場で酒をあおっていたところ、
外国人に絡まれて大暴れし、結局傷害事件で、投獄されてしまいます。
ン・マンタのみが過去が描かれませんが、罪を犯して既に再審の申請を済ませて、その許可が下りるかどうか、
という許可待状態のようで、許可が下りれば釈放される、という微妙な状況で、とりあえず投獄されてきます。
で、その刑務所では、黒社会のボスであるパオが、既に投獄されていますが、金と暴力の力で、既に刑務所内の囚人側を牛耳っていて、
その刑務所のボスとして、やりたい放題に存在しています。
で、そこに、元刑事で、しかもパオを逮捕した金城武が、投獄されてきた事で、刑務所内は騒ぎ出します。
早速洗礼を受ける金城ですが、なんとかやり過ごし、逆にパオと敵対する組織のボスが入獄してきて、パオの命を狙った際には、パオの命を救います。
で、義理人情の世界に生きるパオは、命を救われた金城に対して、恩を返そうとしますが、金城の方は、きっぱりと申し出を断ります。
その態度によって、さらに金城を気に入ったパオは、それ以上は金城は狙わず、だんだんと仲間意識が芽生えていきます。
そんな中、ニッキー・ウーは、パオに少しづつ貸しを作り、その返礼として刑務所看守の制服を手に入れてもらい、脱獄計画を進めていきます。
一方、ン・マンタは、所長に自分を担当している弁護士と共に呼ばれて、再審請求を進めるための契約書にサインする事になりますが、
その契約書が、読めない英語だったために、弁護士に要約を代読してもらい、書類にサインします。
しかし、この契約書は所長と悪徳弁護士が製作したまっかな偽物で、サインしてしまった事で、財産を全て横取りされてしまいます。
自暴自棄になり、自ら命を絶とうとするン・マンタに、脱獄計画を進めているニッキー・ウーが声を掛けます。
そして、運命の日、いよいよ脱獄計画を決行するニッキー・ウーとン・マンタは、パオに騒動を起こしてもらって、
隙を見て看守を襲い、2人で刑務所の外へと飛び出しますが、、、、。
一方、大した罪を犯したわけでは無かった大酒飲みは、出所の日を迎えますが、そのタイミングで、幼い頃に生き別れになっていた妹が登場し、
結婚し夫と息子もいるので、我が家で一緒に暮らそうと面会にやってきます。
で、ご厄介になることになった大酒は、普通の一般家庭の普通の日常生活を経験する事になりますが、やはり酒を完全に断つことは難しく、
夜中に目が覚めて酒を飲んでいるところを、偶然、妹の夫が電話で話している内容を聞いてしまいます。
妹の夫『大丈夫だよ、母さん。殺人を犯した人ではないし、ランのお兄さんだよ。大丈夫、ちゃんと警戒だけはしてるから。』
という、出所したてで、いきなり家族となった男に、普通の人が絶対に感じる当然の心づもりですが、これに何故かナイーブに傷ついてしまい、
大雨の夜中に、傘もささずに家出し、そのまま酒場に駆け込んでしまいます。
で、またしても酒をあおっているところで、以前怪我を負わせた外国人と鉢合わせし、
大雨の降る中、殴る蹴るの暴行を加えられた事で、何かが壊れ、おもむろに懐から拳銃を取り出して銃弾を浴びせて、、、、、、、。
一方、正義感の強い金城は、順調に刑期を務めていき、あと半年で出所という所まできますが、そのタイミングで所長に呼び出されて、
自分のスパイとして、刑務所内で力を持ち過ぎているパオの動向を探って欲しい、と依頼されます。
しかし、そういう事が嫌いな金城は、速攻でその申し出を断ってしまいます。
で、その出来事がきっかけで、アンソニーの陰湿な部分に火がついてしまい、囚人たちの敵意が全て金城に向くように仕向けていきます。
で、結局閉ざされた空間で、周り全員が敵となってしまった金城は、全員に捕まってしまって袋叩きにされてしまい、、、。
、、、その影響で、、、、、、、、、というのが、大体の大筋となっています。
作品世界や物語展開的には、前作と同じような流れではありますが、前作のような、囚人たちが集められて暗殺者として組織されて、
最後に大掛かりな別アクションが展開される、というような娯楽アクションっぽい展開にはならず、ただただ囚人たちの陰鬱なドラマが続く、前作とはちょっと違う方向へ向かった続編となっています。
一応の主人公的な金城武と、準主役的なニッキー・ウーのドラマが若干濃い目に描かれはしますが、それぞれのドラマは陰鬱且つ説明不足なために、
感情移入できるところまではいかずに、結果的に暗い陰鬱さだけがイメージとして残ってしまいます。
で、その薄いドラマの主人公と準主人公と同等か、それ以上にクローズアップして描かれるのが、大酒によるどん底ドラマで、
とにかく酒のためならなんでもする、という、どうしようも無い人間性が、かなり粘着質に描かれていきます。
大酒の発端となったのは、少年時代に、お腹が減って妹と自分のために卵4個を盗んで少年院に行った事をきっかけとして人生が狂い出し、
結果的に酒を常に手に持ってラッパ飲みしていないと、落ち着かない、という一応悲しい過去が描かれます。
ただ、その理由だと、酒に逃げた理由と、妹との悲しい出来事が、微妙に関係ないような気もしますが、
恐らく精神的にはずっと不安定なようで、新しい家族にちょっとネガティブな事を言われただけで、簡単に傷つくガラスのハートぶりで、
さらに、そんな状態で何故か銃を懐に入れて持ち歩いている、というとんでもない危険人物のドラマが、主人公達以上に印象に残るように描かれてしいきます。
で、物語は、そんな囚人たちが、元気に新しい道を歩いて行くような前向きな流れには決してならずに、
それぞれが悲劇的な結果を迎えるような陰鬱な結末でドラマを締めくくります。
ただ、主演の二人に関しては、なんだかんだと、その後上手く行っているようなシーンが描かれますが、
後半の金城武は、人気が完全にブレイクしてからは、絶対に演じないようなキャラクターへと変わってしまいますので、本作の陰鬱さに大拍車を掛けています。
全体的には、アクションは少な目で、囚人同士のドラマがメインの作品ですが、クライマックスでは銃撃アクションや格闘アクション等も描かれ、
急激に娯楽要素が増しますので、後半は、チュー・イエンピン監督らしさを感じる内容となっています。
ただ、それまでの内容が陰鬱過ぎて、ちょっとやそっとでは挽回できないのですが、、、。
という事で、陰鬱な前作を、さらに陰鬱さを推し進めたような内容の作品ではありますが、台湾の人気アイドルだった金城武とニッキー・ウーが共演した、
クライマックスの格闘戦と銃撃戦はカッコ良い作品となっていますので、香港・台湾映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1995年製作 香港・台湾製作 アクション
監督 チュー・イェンピン 武術指導 リン・ワンツァン
出演 金城武、ニッキー・ウー、アンソニー・ウォン、イヴォンヌ・ヤン、ン・マンタ、ジャクソン・ラウ、チャオ・ジーチャン、ウォン・ヤッフェイ
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