おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
下町ブロンクスを舞台に、不動産業者に扮して街の建物を買い占め始めたヴァンパイア達を撃退するために3人のキッズたちが奔走するホラーコメディ！！
作品紹介
インターネット配信専用
今回ご紹介するのは、ブロンクスの下町で生まれた子供たちが、街を守るためにヴァンパイアと戦うホラーコメディ作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ブロンクスで暮らすリトルメイヤーは、閉店の続く愛する街にもう一度活気を取り戻すためにブロックパーティ開催を企画していた。
そんな時、馴染みの店舗の閉店をも目にし、その町で続く店舗の閉店には、全て共通の不動産業者が絡んでいる事実を知る。
そしてその不動産業者を調べるうちにある驚愕の事実に行き当たるのだった！？
下町ブロンクスで暮らすキッズたちが、ある日バンパイア軍団による侵略計画を察知し、あの手この手で対抗していく、ホラーコメディ作品です。
その内容で思い出されるのは、イギリスの下町の団地を舞台に、そこで暮らす悪ガキたちが、侵略してきたエイリアンとバトルを繰り広げる
エドガー・ライトが製作総指揮で参加した（アタック・ザ・ブロック)がありますが、本作はその主人公側の設定年齢をぐっと中学生ぐらいまで下げる事で、
（ストレンジャーシングス）や、（ITそれが見えたら終わり）のようなジュブナイルホラーとしての雰囲気も携えた作品となっています。
そのジュブナイルホラー系の内容をバンパイアホラーで描いていくという事で、リチャード・ドナー監督の傑作（ロストボーイ）等とも共通点のある作品となっています。
その流行りのジュブナイルバンパイアホラーの物語である本作で、今回描かれるバンパイアたちが、どのような方法で人間社会を侵略していくのかというと、
これが、まさかの不動産業者を装って、街の個人経営の店舗をどんどん買収していくという方法で侵略を進めていきます。
一瞬奇をてらった設定に思えますが、意外にこの設定がバンパイアの侵略というファンタジックな世界観に説得力を与えています。
本作は、ニンニクや、聖水、胸に杭を打つ、等のいわゆるオーソドックスなバンパイア退治法が全て現実的に機能する、
という設定を採用している作品ですので、多くの人が知っているバンパイア合戦が描かれていきます。
その中で、バンパイアが建物内にいる人を襲うためにその建物内に入るには、その建物の権利を所有する者の許可がなければ入れない、
という弊害も設定として採用されている作品ですので、不動産業者に化けて色んな建物の権利をどんどん増やしていけば、
その建物の権利が自分達に移るので、自由に出入りできる、という物凄く正統な侵略方法で徐々にその活動の場所を増やしていく事になります。
実に狡猾なバンパイアの上手い侵略設定です。
とは、いいながらも、その権利が自分たちに移るや否や元の権利者を結局速攻で襲うので、どんどん閉店と行方不明者が続出していくことになり、
さっさと子供達にさえバレバレになってしまいますので、頭が良いのか、悪いのかは判断に迷うところですが、、、。
ただ、この街を愛して、街の愛すべきお店の閉店に心を痛ませて、なんとか街起こしをして盛り上げて、かつての活気を取り戻そうと頑張っている子供達だったからこそ、
いち早くその異変に気付き、バンパイアの侵略という突飛な事実を受け入れて、いち早く対処していく事ができた、
という流れではありますので、そういう面でも、説得力のある設定と物語展開を上手くかみ合わせた秀逸な作品となっています。
しかも、ブロンクスという街は治安が悪いという事は大前提として描かれていて、それをブラックな笑いで表現したりもしますが、
基本的に本作の製作者は、そんな荒れているブロンクスだけれども人情味のある良い部分もある、という事をしっかりと描いていて、
この町への想いが非常に良く伝わる描かれ方をしています。
登場する子供たちも非常に愛嬌があり、恐れおののきながらも必死で、愛する街を救おうと頑張っていて作品の魅力を高めています。
中盤、バンパイアに対抗するためにウェズリー・スナイプス主演の（ブレイド）のDVDを皆で鑑賞して戦いに備えるシーン等、
バンパイア映画へのオマージュを感じられるシーンも多数あり、ホラーファンを喜ばせてくれます。
ただ、結構盛り上がる展開なのに、クライマックスで実際にバンパイアと対決するシーンになると、このバンパイアたちが超絶に弱く（ギャグでなく）、
割とサクサクとキッズに瞬殺（瞬滅）させられているのが、消化不良といえば、消化不良な展開となっています。
（ブレイド）まで一応登場しているので、正直、もう少しバトルホラー的な要素も欲しかったところですが、、、
という事で、意外に理にかなった侵略の仕方をしてくるバンパイアたちとのバトルが楽しいホラー作品となっていますので、
ホラー好きの方や、（ストレンジャーシングス）好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
作品情報
2020年製作 アメリカ製作 ホラーコメディ
監督・脚本 オズ・ロドリゲス
出演 ジェイデン・マイケル、ジェラルド・W・ジョーンズ三世、グレゴリー・ディアス四世
その他の配信専用作品
人気のグラフィックノベルをシャーリーズ・セロン主演で映像化した超絶アクション（オールドガード）はこちら
↓ランキングに参加しています。宜しければ下記をクリックお願い致します。↓