おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
法で裁けぬ悪を葬り去るために殺し屋として育てた子供達が、善悪の区別を教わらなかったために暴走し、次々と人々に銃を向けてしまう、犯罪アクション!!
作品紹介
今回ご紹介する作品は、サモ・ハンキンポーが殺し屋の育ての親として登場するクライムアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
元香港警察の刑事ガムは、黒社会の大物キャノンを捜査中に、一人の部下を失うが、逮捕したキャノン自身は、金の力で釈放されてしまった事で、法の力の限界を痛感する。
それから、15年、法で裁けぬ悪を独自の正義で裁くため、若者達を養子に迎え、暗殺者としての技術を教え込む。
そしてついに、ガムを越える程の実力を身に着けた若者達は、キャノンを抹殺するために、香港へと向かうのだった!?
監督は、製作者として(怒りの逆襲)(詳しくはこちら)や(マイ・フライング・ワイフ)(詳しくはこちら)等で、
サモ・ハン作品に関わっているナム・インで、香港映画お得意の殺し屋アクションを演出しています。
で、勿論主演は、(ファイターズレガシー)や(拳神)等と同時期のサモ・ハンキンポーで、流石にアクションは少な目ですが、
それでも、一応格闘シーンや、前半は刑事役姿も披露しています。
で、本作の主題歌も熱唱し、サモ・ハンの助手的な役柄で出演もしているのは、チャウ・シンチー、ドニー・イェン出演のテレビドラマ(ラストコンフリクト)や
ロレッタ・リー主演の(鬼馬校園)等のナディア・チャンで、サモ・ハンをサポートしていきます。
で、殺し屋たちの一番上の兄役で、(ダウンタウンシャドー)や(屍人楼)(詳しくはこちら)等のケン・ウォンが登場し、
どう見ても年齢的に釣り合いませんが、他の兄弟たちと同じような幼い演技を披露しています。
で、二番目の兄弟役で、(オーバーサマー)や(激戦)等のデビッド・リーが登場し、血気盛んな若者を演じています。
で、三番目の妹役で、(幽霊刑事)(詳しくはこちら)や(レディウェポン)等のモニカ・ローが登場し、無邪気に香港の街を駆け巡ります。
で、一番下の弟役で、(狼たちの絆)や、ケント・チェン主演の(騎呢特工)等のトン・カーファイが登場し、
勝気な性格で、警察にも銃を向けていきます。
で、サモ・ハンが刑事時代の宿敵の部下役で、チャウ・シンチー主演の(ハッスルキング)や、レスリー・チャン主演の(歌って恋して)等の
サイモン・ルイが登場し、主人公達を追い詰めていきます。
そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、まずは、タイのビーチにある家屋で、4人の無邪気な若者達(ケン・ウォン、デビッド・リー、モニカ・ロー、トン・カーファイ)と、
一人の若い女性と暮らすサモ・ハンの日常から始まります。
で、この若者達は、格闘や銃の扱い等、殺し屋としての技術を訓練されていて、毎日厳しい訓練をこなしながらも、
既にサモ・ハンを圧倒するぐらいまでスキルは上達している、という状況になっています。
で、そろそろ機は熟した、という事で、殺し屋としての初任務に挑む事になります。
で、その任務が、タイで暗躍する麻薬王の暗殺、という事で、それが人々のためになる、と単純に信じた4人の兄弟たち(多分義兄弟)は、
寺院にお参りしている麻薬王を監視し、隙を見て暗殺(というより堂々とした殺害)を実行し、簡単に成功しますが、
初めての任務に、人を殺害する事が良い事なのか?と少しだけ不安になります。
ただ、小学生低学年ぐらいの無邪気さなので、そこは深くまで考えずに、次の任務に取り掛かる事になります。
で、その任務がサモ・ハンの本命で、実は、サモ・ハンは元香港警察の刑事で、ある黒社会の大物の捜査中に、同僚が命を落としてしまいながらも、
法の限界によって悪党自体は野放しにされている、という理不尽さに嫌気がさしたサモ・ハンは刑事を辞職し、
そのままタイに移り住み、理想の社会を築くための独自の法を守る執行者を育てる、という理想のもとに、若者達を育てて訓練して来た、
という、全ての発端ともなった宿敵とも言える悪党がターゲットとなっています。
で、そのきっかけとなった悪党を抹殺するために、香港に派遣された若者4人と少しお姉さんなナディア・チャンの5名は、早速ホテルにチェックインし、
若者達が、洋風のベッドで飛び跳ねて楽しそうに遊んでいる間に、かつてのサモ・ハンの部下を訪れ、暗殺に必要な銃や資料をゲットします。
で、香港の街を歩く人々を、珍しい動物を見るような目で見るヒューマンウォッチングを楽しんだ後に、早速暗殺作戦を積めていきます。
で、当日、会食中のターゲットを、まずは上の兄二人が銃撃し、部下などが反撃して来た段階で下の弟と妹が加勢する、という作戦で、
暗殺(というより堂々とした殺害)を行い、途中成り行きで、建物外に飛び出してしまった悪ボスの腹心の部下サイモン・ルイだけを残して、
その場にいる悪党一味を大量殺戮してしまいます。
で、取り逃がしたサイモンを追って建物の外まで追いますが、既に大騒動になっていますので、すぐさま警察官も駆け付けてきます。
ここで、若者達の運命が決まってしまいます。
人殺しのスキルばかりを教えられた若者達は、善悪の区別をつける事を教わらず、駆け付けた警察官も、善行を邪魔する悪党と判断して射殺してしまいます。
で、無邪気が止まらない若者達は、そのままディスコに出かけて、そこでたまたま出くわした黒社会の構成員もどんどん射殺してしまいます。
で、そこに駆け付けたサモ・ハンの元同僚も、、、、
という流れで、善悪の区別を教わらなかった若者達の暴走を止めるためにサモ・ハンが奔走する、、
、、、、というのが、大体の大筋となっています。
香港ノワール、という感じの作品でも無いのですが、かなり人の命が奪われてしまうシーンや血のイメージが多い作品で、
80年代のサモ・ハン作品のイメージからは、かなり遠い位置に存在する作品内容となっています。
もう少し香港ノワール寄りか、格闘アクション寄りになっていれば、まだ以前のようなお楽しみ要素も感じられるのですが、
簡単には楽しみにくい要素もあったり、で、なかなか難しい内容を含んだ作品となっています。
まず第一の難しい理由、というかほとんど全部ですが、
若者達の精神年齢設定の低さが、殺し屋アクションと全く一致していない、
という不具合が、本作を、他の殺し屋アクションと同じようには楽しみにくい作品にしてしまっています。
本作で発生するトラブルの原因は、殺し屋という、常に死と隣り合わせの稼業でよりも、この無邪気さの方が原因となっている事がほとんどで、
その年齢になるまで、警察官と黒社会の善悪の区別ができない(単純な意味でです)という、
かなり隔離されて育てられないと、そうはならないような無邪気(無知)さで、とても見晴らしの良い浜辺でのびのびと育ったとは思えないような、
あまりにファンタジーな若者像が、最初から最後までずっと違和感を感じ続ける原因になってしまいます。
20歳ぐらいの身体をもった主人公設定のVRゲームに、小学校低学年ぐらいのプレイヤーが入り込み、ゲーム世界でやりたい放題やっている感じ、、、
、、、、、という表現もしっくりこないぐらいに、特異な設定となっています。
かといって、その精神年齢に見合った小学生ぐらいのキャストが、バンバン銃で黒社会組織を倒していくような物語もおかしいので、
何をどうやっても、やはり、この精神年齢設定の低さは、ファンタジーレベルな設定となってしまっています。
で、第二の難しい理由は、第一の理由にも繋がりますが、その若者達の大問題レベルの精神年齢の低さに全く気付かないサモ・ハン自身です。
若者達との出会いが一切描かれないので、何歳から出会ってファンタジーになったのか判断できませんが、
恐らくファンタジーズのなつき方から判断すると、結構幼少期から、殺し屋スキルを叩きこまれていそうなので、
それ以外の事は、何一つ教えてこなかった、という、逆にそっちの方が難しそうな育て方で、
ホテルの一つの洋風ベッドを、皆で取り合うぐらいに飛び跳ねて遊ぶぐらいに、娯楽に飢えている20歳ぐらいを、
海外に、しかも人殺しのために派遣する、という、どこでどう判断すると、その決定ができるんだ?というぐらいに復讐一筋過ぎて、
他の部分は、ほとんど見えないキャラクターが、また、本作の難しさに拍車をかけてしまっています。
という感じで、終始、違和感ありまくりの作品ではありますが、この時期のサモ・ハンのアクションも少しですが存在し、
一応は、ちょっとした切ない余韻を残す、見所もある作品となっていますので、香港映画好きの方や、
サモ・ハンファンの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
2002年製作 香港製作 アクション
監督 ナム・イン
出演 サモ・ハンキンポー、ナディア・チャン、ケン・ウォン、デビッド・リー、モニカ・ロー、トン・カーファイ、サイモン・ルイ
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なんなんですか、この映画は・・・(呆然)
単純にアクションをみせるだけでなく、ちょっと変化を付けたかったのでしょうか・・・
あの頃の香港映画特有の「深く考えていない設定」が、ここまで露骨にでるのは珍しいですよ。
やっぱり「子供」なので、映画としては歪というか違和感があるんでしょうね。しかもサモハンの個性と全然あっていない役というところがなんともまた・・・
これ、もしかしたらユン・ピョウかカーター・ワンならぴったりハマったかも、です。とはいうものの、子供に殺し以外を教えていないという不自然な設定はカバーできないと思いますが(笑)
以上、「あなたの知らないワゴンセールの世界」のS原でした。
あーそうそう。最近UPした「ロケットマン!」は、まぁくさんはストライクだと思いますよ。
ではまた。再見!
https://talksessionyands.hatenablog.com/entry/2024/05/04/003000
S原さん、こんにちは、いつもコメントありがとうございます!
この作品は、なかなかの作品で、身体か大人で、精神年齢が子供、という事で、有名な探偵漫画の逆パターンですが、そういう漫画のような設定と思えるぐらいに、ファンタジーな無邪気さがメインとなった珍しい作品となっています!暗殺者設定なのに、物語を展開させていくのは、無邪気さの方、というのがかなり独特で、これが、山奥で隔離されて育った若者達、とかならまだ分かるのですが、無茶苦茶見晴らしの良い、解放的なビーチ育ち、というのが、また独特で、恐らく サモ・ハン 復讐 タイ ビーチ 無邪気な正義の殺し屋 ぐらいのザクっとしたテーマから始まったのかもしれません、、、。
あと、(ロケットマン!)(七人のマッハ)は映画館で鑑賞しました!この時期のムエタイアクションは、勢いが合って良かったですね!