【未公開カンフー映画】血玉(ALONG COMES THE TIGER)85分

投稿者: | 2024年6月15日

カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆

父親の復讐を誓った少年が、カンフーの達人へと成長し、悪党組織の幹部たちを次々に襲うウォン・タオ主演、トン・ワイ共演、ウー・マ監督のリベンジカンフーアクション!!

作品紹介

今回ご紹介する作品は、ウォン・タオ主演のリベンジカンフーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

ある街を牛耳る悪党組織ブラックドラゴンの幹部が次々と何者かに殺害された。

ブラックドラゴンを束ねるボスは、直ぐに犯人捜索を開始するが、犯人は、その昔組織によって父を殺害された青年だった。

青年は、さらに幹部に次々と襲い掛かり、ボスを追い詰めていくのだった!?

監督と悪党幹部の一人として出演もしているのは、(電光!飛竜拳)(詳しくはこちら)や(醉八仙拳)(詳しくはこちら)等のウー・マで、

カンフー映画の王道である復讐物語をシリアスに演出しています。

本作のウー・マ
ウー・マ

主人公役は、(南拳北腿)(詳しくはこちら)や(猫拳カンフー無宿)(詳しくはこちら)等のウォン・タオで、

父親の復讐のために、多くの武術家に戦いを挑むミステリアスな主人公を演じています。

本作のウォン・タオ
ウォン・タオ

で、やたらと主人公に絡む謎の拳士役で、(プロジェクトDデブゴン)(詳しくはこちら)や(神腿)(詳しくはこちら)等の

トン・ワイが登場し、華麗なアクションと美青年ぶりを発揮していきます。

本作のトン・ワイ
トン・ワイ

で、冒頭のみの登場ですが、主人公の宿敵組織のリーダー格役で、(魔デビルズオーメン)     (詳しくはこちら)や、

紅い愛の伝説)(詳しくはこちら)等のフィリップ・コーが登場し、華麗なアクションで主人公と激闘を繰り広げます。

本作のフィリップ・コー
フィリップ・コー

で、主人公と親子の様になる少年役で、チャールズ・チン主演の(血戰大二膽)や、チャン・イー主演の(剋星)等の

チー・クワンルンが登場し、親子のような師弟のような関係を築いて行きます。

本作のチー・クワンルン
チー・クワンルン

で、一応敵役組織の姉御ながらも、主人公とほんのりロマンスも香るレディドラゴン役で、(カンニングモンキー天中拳)や

鬼馬大侠)(詳しくはこちら)等のロン・ジェンエールが登場し、主人公と激闘を繰り広げます。

本作のロン・ジェンエール
ロン・ジェンエール

で、本作には武術指導としても参加し、自らラスボス役も演じているのは、(龍拳蛇手鬥蜘蛛)や(神刀流星拳)等の

トミー・リーで、いつものように奇抜な扮装で、主人公と激闘を繰り広げます。

本作のトミー・リー
トミー・リー

で、ラスボスの腹心の部下役で、(至尊威龍)(詳しくはこちら)や(ゴッドギャンブラー)等のルン・フォンが登場し、目立つ衣装で悪党ぶりを発揮していきます。

本作のルン・フォン
ルン・フォン

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、その地域一帯を牛耳る悪党組織【ブラックドラゴン】の組織員達が、

金品護送警備隊を襲うために、待ち伏せしていたところ、暗がりからいきなりウォン・タオが静かに現れ、

組織員達に襲い掛かり、4人の命を奪うシーンから始まります。

突然ではありますが、冒頭で、父親が目の前で悪党に殺害されるシーンが回想として入りますので、

父親の復讐のためにカンフーの修行を積んだ少年が、青年の時期になって悪党組織に復讐を開始する

というシンプルな王道展開が、冒頭の数分で、しっかりとした間を取りながら表現されます。

ただ、ウォン・タオは言葉を一切発しません。

で、ただただ組織員を殺害する、という目的だけではなく、自身が父親の復讐のために行動を起こしているという事を悪党組織のボスであるトミー・リーに分からせるために、

殺害現場に雲を模した彫り物(聖雲)を置いていく、という周到ぶりで、自身の存在をアピールし、精神的にも追い詰めていきます。

で、さらに、ブラックドラゴンの幹部の一人であるフィリップ・コーも、ウォン・タオに勝負を挑まれ絶命、

ブラックドラゴンの縄張り4つの地区の内の2つで、重要な人物が殺害されるという事態に、トミーは、部下のルン・フェイに謎の男の捜索を開始させます。

で、そんな中、ウォン・タオが次の標的にしたのがロン・ジェンエールが取り仕切る賭場で、そこに出入りする少年チー・クワンルン

親子のような関係になりながら、ロン・ジェンエール、そしてもう一人の幹部ウー・マも追い詰めていく、、、、、というのが大体の大筋となっています。

まず、(血玉)という原題にぎょっとされますが、玉は、中国語では広く宝石や翡翠等のような、希少で綺麗な石全般を指す意味がありますので、

タイトルの意味は(血の翡翠)という感じで、血は、実際に付いているというより、血にまみれた行為全般を指しています。

で、何故翡翠?という事ですが、これが最後の最後に主人公が言葉を発さない、という設定と共に明らかになります。

この言葉を発さないという主人公設定は、本作の前年に製作されたジャッキー・チェン主演の(少林寺木人拳)でも採用されているように、

非常にミステリアスで、ジャッキーはそれでもそれなりに表情豊かでしたが、本作のウォン・タオは、笑顔さえほとんど見せない、というダークヒーローぶりで、

中盤以降に登場する、少年チー・クワンルンは、そんな復讐一直線の主人公のシリアス過ぎるイメージを、少しでも和らげる意味合いもあるように見えます。

で、珍しく悪党組織の姉御役を演じているロン・ジェンエールと少年との出会いで、ウォン・タオの復讐心も少しは揺らいでいる様に見えますが、

路をゴロゴロと転がるチー少年を観て、自身の幼少期のつらい経験を思い出し、直ぐに三節ヌンチャクを取り出してやっぱり復讐に向かうウォンに、

少年は、父親のような憧れを抱いていながらも、やはり同じ道には進めないという少年ながらにつらい決断を迫られていく切ない描写が続いていきます。

そんな復讐する事が人生の全てのようなウォン・タオに怪しく迫る美青年がトン・ワイで、本作と同年に公開された(神腿)と同じようなミステリアスな雰囲気満載で、

ウォン・タオに付きまとっていきます。

ただ、敵というよりも、トン・ワイもブラックドラゴンの壊滅を狙っているような行動を取って行きますので、

身分が分からないながらも、なんとなく共闘するような関係で、そこにルン・フォントミー・リーとの激闘が絡んでいきます。

正体不明のミステリアスヒーローが二人も必要かどうか、はさておき、言葉を発さない事で、物語を積極的に展開しにくい主人公の、

少年ではできないような物語展開を、トン・ワイが代わりに担っていきます。

で、バラバラで登場するので豪華な感じはしませんが、キャストだけを観ると非常に豪華で、これだけのカンフーアクションスターが出演しているアクションシーンはどれも素晴らしく、

奇妙な紛争で登場する武術指導のトミー・リーの手腕が発揮されたような素晴らしいアクションの連続となっています。

で、ついに最終決戦となり、宿敵とのラストバトルの果に、主人公が言葉を発さない驚愕の理由とタイトルの意味が分かるシーンが描かれます。

その、言葉を発さない理由とは、、、、

※↓物語を楽しめなくなる事はありませんが、一応、ネタバレではありますので、ご注意ください↓※

幼少期に目の前で父親を殺害され、、、

その犯人である若きトミー・リーに、、、、

ふざけて翡翠の飾りを口に含まされて、、、、

それ以来、復讐を果たす日まで、口の中に翡翠の飾りを含み続けると誓ったので口を開けられない、

という、ジャッキーの復讐を果たすまで言葉を発さないと誓う、という設定をさらに推し進めたような自分ルール!

十年以上も、口の中に翡翠を入れてそういう食生活していたんだ、ウォン・タオ!!

あと、復讐を果たした後に、ついに口に含んでいた翡翠を取り出して、、、

そのままトミー・リーの口に直接、、、、

トミー『えッ、、、!』
トミー『ま、、まさか、、、これを?』
トミー『い、、、、』
トミー『ひ、、、、』
トミー『ひやはー(いやだー)!!!!』

カンフー映画史上に残るリベンジ完了!!

最後に一言

作品情報

1977年製作 台湾製作 カンフーアクション

監督 ウー・マ 武術指導 トミー・リー

出演 ウォン・タオ、トン・ワイ、トミー・リー、ロン・ジェンエール、フィリップ・コー、ウー・マ、ルン・フォン、チー・クワンルン

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