【推薦!未公開カンフー映画】ドラゴン太極拳(太極氣功/太极气功BORN INVINCIBLE)90分

投稿者: | 2024年4月27日

カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★★★★

ジョセフ・クオが監督、ユエン・ウーピンが武術指導、そしてカーター・ワンが伝説の悪党キャラクター銀魔王を演じた、主人公が三人変わる名作カンフーアクション!!

作品紹介

今回ご紹介する作品は、カーター・ワンが、カンフー映画史に残る名悪党を演じたカンフーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

カンフー道場雷平武館の弟子達の修行場に、ある親子が逃れるようにやって来た。

その親子は、悪事を働く金銀魔王が支配する金銀山から逃げてきた親子で、その後を追って金銀魔王の部下、黒白小鬼も姿を現す。

雷平武館の血気盛んな弟子花如剣は、親子を助けに入るが、この親子を庇った事で、師匠雷平が金銀魔王に命を奪われてしまう。

そして、師匠の仇討ちを誓った弟子達の壮絶な戦いが始まる!?

監督は、(少林寺への道)シリーズや(少林寺炎上)(詳しくはこちら)等のカンフー映画の名匠ジョセフ・クオで、

お馴染みのキャストで、唯一無二の世界観を創造しています。

ジョセフ・クオ

武術指導は、ジャッキー・チェンの(ドランクモンキー酔拳)や、ハリウッド作品(グリーン・デスティニー)等で、

世界的に有名なアクション監督ユエン・ウーピンで、シンプルなストーリーに素晴らしいアクションで独特な世界観を構築しています。

ユエン・ウーピン

主役ではありませんが、主役に匹敵するぐらいに存在感を放つ悪役、銀魔王を演じているのは、(キョンシーブラザース精霊兄弟)(詳しくはこちら)や

少林寺への道3)(詳しくはこちら)等、ジョセフ・クオ作品の常連、カーター・ワンで、強烈な悪役を颯爽と演じています。

本作のカーター・ワン
カーター・ワン

で、相棒となる金魔王役で、(少林寺三十六房)やジョセフ・クオ作品(鬼馬大侠)(詳しくはこちら)等の

ロー・リエが登場し、仕掛け武器を使って主人公達を追い詰めていきます。

本作のロー・リエ
ロー・リエ

で、主人公側の一番弟子役で、(迷拳三十六招)(詳しくはこちら)や(ドランクマスター酒仙拳)(詳しくはこちら)等の

こちらも、ジョセフ・クオ作品の常連ジャック・ロンが登場し、華麗なアクションを披露しています。

本作のジャック・ロン
ジャック・ロン

で、あまり目立ちませんが二番弟子役で、ジミー・ウォングの(片腕必殺剣)シリーズ(獨臂拳王勇戰楚門九子)や、

パイ・インチン・シン共演の武侠カンフー(七十二煞星)等のワン・シャンが登場し、びっくり技で悪党に立ち向かっていきます。

本作のワン・シャン
ワン・シャン

で、一番活躍する三番弟子役で、(逆襲!少林寺必殺拳)(詳しくはこちら)や(ニンジャキッズ)(詳しくはこちら)等の

マーク・ロンが登場し、力強いアクションで、銀魔王に立ち向かっていきます。

本作のマーク・ロン
マーク・ロン

で、三人の妹弟子役で、(ドラゴン覇王拳2)やジョセフ・クオ作品(ザ・セブングランドマスター)(詳しくはこちら)等の

ナンシー・イェンが登場し、華麗なアクションを披露してます。

本作のナンシー・イェン
ナンシー・イェン

で、カンフー道場の師匠役で、ジミー・ウォング主演の(ドラゴン修行房)(詳しくはこちら)や(女少林寺)(詳しくはこちら)等の

ルン・フェイが登場し、珍しく善人役を演じアクションも披露しています。

本作のルン・フェイ
ルン・フェイ

で、カンフー道場の正義の師範代役で、(激突!魔拳塾)(詳しくはこちら)や(忍者VS阿羅漢)(詳しくはこちら)等の

アラン・ツイが登場し、華麗なアクションを披露しています。

本作のアラン・ツイ
アラン・ツイ

で、銀魔王・金魔王の部下の一人、白小鬼役で、(南北醉拳)(詳しくはこちら)や(南拳北腿門金狐)(詳しくはこちら)等の、

コーリー・ユエンが登場し、お得意の槍を使ったアクションを披露しています。

本作のコーリー・ユエン
コーリー・ユエン

で、その相棒となる黒小鬼役で、(妖怪道士)(詳しくはこちら)やドニー・イェンのデビュー作(ドラゴン醉太極拳)(詳しくはこちら)等の悪役で知られる

ユエン・シンイーが登場し、コーリー・ユエンと息の合ったアクションを披露しています。

本作のユエン・シンイー
ユエン・シンイー

で、物語の発端ともなる悪党達に襲われている老人役で、(少林寺への道4)(詳しくはこちら)や(少林寺疾風黄金拳)(詳しくはこちら)等の、

スー・チェンピンが登場し、印象的なアクションを披露しています。

本作のスー・チェンピン
スー・チェンピン

そんな豪華なスタッフ・キャストが結集した本作の物語は、まずは冒頭から少年が師匠にカンフーの訓練を受けているシーンから始まり、

武術の道を究めて行くうちに、刃物等もはねつける無敵の体を手に入れるまでが描かれます、、、、、

、、、、が、これが、まさかの主人公や、師匠等ではなく、大悪党であるカーター・ワン演じる銀魔王の生い立ちの説明で、

そこから、何故悪の道に入ったのか?等の説明は一切ありませんが、白髪になるタイミングぐらいで、善人の表情ではなくなっているので、

その辺りで一挙に悪人になったのだと思われます。

因みに、本編中に、『銀魔王は太極拳を40年間修業した。』という台詞がありますので、少年時代から修行しているシーンが描かれている事を考えると、

意外にも40歳代後半ぐらい、という事が分かります。

で、本編は、野原で修行中のジャック・ロン率いる道場の弟子たちが、銀魔王・金魔王の手下であるコーリー・ユエンユエン・シンイーコンビから

スー・チェンピンが娘と一緒に逃げている場面から本題に入っていきます。

で、道場以外の場所で武術を使用する事を厳しく禁止されている流派ですので、一番上の兄弟子であるジャック・ロンは、

見て見ぬフリを決め込もうとしますが、血気盛んな三番弟子マーク・ロンは人一倍正義感も強いため、もう一人の弟子と共に、助けに入りますが、

勿論コーリー&シンイーコンビは物凄い腕前ですので、逆に圧倒されてしまいます。

で、知らせを聞いて駆け付けた師範代アラン・ツイの逆襲によって、なんとか一旦は退け、スー・チェンピン親子を連れて道場に帰る事になります。

しかし、この争いで、弟子の一人が命を落としてしまいます。

で、その後、コーリー&シンイーの報告を受けた金銀魔王は、邪魔された雷平道場を訪れ、親子の引き渡しを要求してきます。

厳しい規律のある道場ながらも、弟子の命を奪われた館長のルン・フェイは、もはや後に引く事はできず、

金銀魔王の討伐を決意し、次の来訪時に決闘を申し込む事になります。

で、金銀魔王と激戦を繰り広げるものの、2人のコンビネーション技にあえなく敗北し、ついでに、せっかく助けてもらったスー・チェンピンまで敗北してしまいます。

ただ、一旦は引き上げたので、その隙に弟子達は、やむを得ず道場を後にし、山籠もりに入り、宿敵となった金銀魔王を倒すための修行を積んで行く、というのが大体の大筋となっています。

物語展開自体は、非常にシンプルで、悪人に襲われている人を助けた事をきっかけに、正義の道場と悪党コンビが火花を散らす、という要素のみに絞られた分かり易い展開ですので、

途中で中だるみしてもおかしくないぐらいシンプルですが、本作は他の作品には無い唯一無二の魅力が複数あるためにカルト的な人気を放つ作品となっています。

まず、一番の魅力としては、やはりカーター・ワン演じる銀魔王の強烈な個性が、主人公ではないのに観終わった後もずっと印象に残る程に本作の大きな魅力となっています。

あのギラギラした目つきで、ゴツイ体に白髪、刃物等の武器も跳ね返し、股間を攻撃されも見当たらず(恐らく弱点を排除するために去勢されてるっぽいです)、

八卦の術を操り(いまいち効果は良く分かりませんが、、)、最終的に構えをキメた後に、【ぴょ~~~ん】という間抜けな効果音が被さり、

敵を倒した後には、『ハハハハハハハァァァ!!』と、大口開けて豪快に笑い飛ばす

という、ただの悪党ではない、カーター・ワンにしか表現できない唯一無二の魅力を放つ強烈なキャラクターとなっています。

で、その次の魅力としては、強烈な悪党に対して、挑んで行く正義側の主人公が、まさかの三人変わる、

という、名作野球漫画(キャプテン)と同様のバトンタッチ方式(谷口くん→丸井くん→五十嵐くん→近藤)で、

、一番上の兄弟子ジャック・ロンに始まり、変化球なワン・シャン、そして、初めに争いを起こした事で3年間修行不可な罰を受けたマーク・ロン

という感じで、次から次へと主人公がバトンタッチし、悪党退治に挑んで行くという、1本のカンフー映画としては珍しい主人公像の作品となっています。

続編を含めたシリーズ作品で、主人公が変わって同じ敵に再戦する、という作品はありますが、一つの作品内で、

主人公がコロコロと変わる作品というのも、なかなかないのではないでしょうか。

しかも、それぞれが立ち位置を変えることなくメインが変わっていく、という絶妙なバランスで、

兄弟子たちが切り開いて行った道をしっかりと繋げていく事で、最終的に一番血気盛んで未熟者だったマーク・ロンが勝利を掴む、

という、短めの大河ドラマの主人公の成長を描いているような、主人公が入れ替わっても違和感のない描かれ方となっています。

そして、さらに本作の魅力となっているのは、一番呆気なかったワン・シャン演じる二番弟子のちょっと変化球的な激闘です。

先鋒のジャック・ロン、中堅(大将でもありますが)のマーク・ロンに挟まれて、地味な結果に終わるワンですが、その戦い方が独特で、

凄いカンフー技を編み出して訓練して応戦するのかと思いきや、おもむろに息を大きく吸って、一気に吐き出す、

という訓練を繰り返し始めます。木に向かって。

で、それを繰り返し、段々と吐き出す力が強くなってくると、、、、、

、、、、、ゴルフボールぐらいの鉄の球を口に含んで、ポン!!!!!

と吐き出す、という大道芸のような技を繰り出し始めます。

しかも、この鉄球ポンが、結構の破壊力で、なんと大木にめり込みます。

で、この鉄球ポンを、さらに繰り返し訓練し、大木に球が半分以上めり込むぐらいまで威力を増していきます。

で、段々と訓練も重ねたある日、弟子たちが、ある相談をしています。

鉄球『どうしたんだ?』

弟子『銀魔王の屋敷を見つけたんで、奴が寝ている隙に屋敷に火を点けに行ってきます。』

鉄球『いや、それは駄目だ!そんな方法で奴の命を奪っては、道場の顔に泥を塗ることになる!』

と、弟子達を制止した鉄球は、

いよいよ銀魔王に挑戦する事になり、

隠し持った鉄球という飛び道具を使用して、不意打ちで銀魔王を仕留めに行きます。しかも三連発(喉の奥行きがスゴイ)。

肺活量の威力で自力で飛ばしているので、飛び道具かどうか微妙ですが、倒れた隙に口に鉄球を入れて、バレないように起き上がったタイミングで不意打ちしているので、

寝床を襲うほどではありませんが、道場の名に懸けて正々堂々と勝負を挑んで勝利する、という感じは、ちょっとズレるような気がします、、。

その後の鉄球、、、、(でも、命は助かってます)

という色んな独特の魅力に加えて、勿論ユエン・ウーピン武術指導の素晴らしいアクションの数々、豪華スターのアクションの素晴らしさ、

そして、本作の音楽(香港映画には映画に独自の音楽を作曲して映像に乗せるという文化がありませんでしたので、作曲では無く、別作品から拝借しての配音ですが、、)が醸し出す、

作品内容とバッチリとハマっている悲壮感等の、様々な要素が、奇跡的に重なった結果、本作を他のカンフー作品とは違った魅力を放つ傑作へと押し上げています。

という事で、一度観たら暫く脳裏から離れない唯一無二の作品となっていますので、カンフー映画好きの方や、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

面白いですよ。

作品情報

1978年製作 香港製作 カンフーアクション

監督・製作 ジョセフ・クオ 武術指導 ユエン・ウーピン

出演 カーター・ワン、ロー・リエ、ジャック・ロン、マーク・ロン、ユエン・シンイー、コーリー・ユエン、ルン・フェイ、ナンシー・イェン、ワン・シャン、アラン・ツイ、スー・チェンピン

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