【推薦!カンフー映画】裸足のクンフーファイター(赤脚小子/赤腳小子/江湖傳說THE BARE FOOTED KID)86分

投稿者: | 2024年11月9日

カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★★★★★

チャン・チェ監督、アレクサンダー・フーシェン主演の名作(ヒーロー・オブ・クンフー裸足の洪家拳)をジョニー・トー監督、アーロン・クォック主演でリメイクした、マギー・チャンとティ・ロンの恋路や、主人公の恋路等、ドラマティックな要素を加えて、泣けるカンフー映画として新たな魅力を加えた傑作カンフーアクション!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、チャン・チェ監督、アレクサンダー・フーシェン主演による傑作カンフー映画(ヒーロー・オブ・クンフー裸足の洪家拳)(詳しくはこちら)のリメイクとなる、

ジョニー・トー監督、アーロン・クォック主演の泣けるカンフー作品です。

それでは、まずはあらすじから、

田舎から、父親の知り合いデュンを頼って街へと出てきた貧しい青年クワンは、デュンが務める女社長パクが経営する染布工場で働き始める。

貧しいために靴も買えず、学も無いクワンは、街で出会ったシウリンと恋に落ちるが、街を牛耳るライバル染布工場の経営者ガクに武術の腕を買われて高給で雇われる。

学もないまま、高給取りになったクワンは、やがて純粋さを失っていく、、、、

監督は、(東方三侠ワンダーガールズ)や(マッドモンク 魔界ドラゴンファイター)(詳しくはこちら)等、

どんなジャンルもこなす商業監督から、ドラマティックな作品、そして男臭いノワール作品へと移行して行く転換期のジョニー・トー監督で、

本作では名作カンフー映画に、ドラマティックな要素を加えて、まさかの泣けるカンフー映画として完成させています。

ジョニー・トー

武術指導は、(少林寺三十六房)(詳しくはこちら)や、(嵐を呼ぶドラゴン)(詳しくはこちら)等、

多くのカンフー映画の監督・武術指導として知られるラウ・カーリョンが担当し、素晴らしいアクションシーンを演出しています。

ラウ・カーリョン

主人公の青年役は、香港四天王の一人でもあり、その後年齢を重ねてからも(ピースブレーカー)(詳しくはこちら)や、

ファーストフード店の住人たち)(詳しくはこちら)等、多くの香港映画で主演俳優として活躍し続けているアーロン・クォックが扮し、涙を誘います。

アーロン・クォック

主人公が世話になる老舗染物店の経営者役で、(東方三侠ワンダーガールズ)シリーズや(いますぐ抱きしめたい)等の

マギー・チャンが登場し、多くを背負い過ぎた、孤独で切ない女社長を好演しています。

マギー・チャン

で、主人公の父親の知り合いで、主人公が世話になる拳士役で、(男たちの挽歌)や(醉拳2)等のティ・ロンが登場し、優しい眼差しで、マギー・チャンとの大人の恋を演じています。

ティ・ロン

で、主人公と恋仲となる教師役で、(レイダース)(詳しくはこちら)や(アンディ・ラウの逃避行)等のン・シンリンが登場し、主人公との切ない恋路を演じます。

ン・シンリン

で、有力者であるン・シンリンの父親役で、(映画・三国無双)(詳しくはこちら)や(狼たちのノクターン)等の

チョン・プイが登場し、物語の世界観を掘り下げています。

チョン・プイ

で、悪党のボス役で、(リプレイスメントキラー)や(ポリスストーリー3)等、いつの間にか悪役専門のようになっていた

ケネス・ツァンが登場し、分かり易く悪行道を突き進みます。

ケネス・ツァン

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、田舎から、亡くなった父の知り合いであるデュン(ティ・ロン)を頼って街へとできた、

純粋ながらも貧しく靴も買えない青年クワン(アーロン・クォック)が、街に着いて早々に、慈善事業も行う染布工場の経営者パク(マギー・チャン)と出会い、

食料を分け与えてもらうシーンから始まります。

で、メモを頼りにデュンの居所を目指しますが、学の無いクワンは、字が読めずに、道行く人の助けを帰りて、やっとデュンの勤め先兼居候先でもある、パクの染布工場へと辿り着きます。

貧し過ぎて靴も買えず、裸足で生活していたクワンは、面倒見の良いデュンから、お下がりの靴を貰い、早速仕事を始めます。

常に元気に明るく日々の仕事をこなすクワンですが、ある日、幼い子供達に読み書きを教える女性シウリン(ン・シンリン)と出会い、

まずは、自分の名前の文字を教えて貰い、それを必死で勉強し始めます。

そんな中、その辺一帯を牛耳る悪党有力者ガクの経営するライバル染布工場の責任者が、パクの染布工場買収を持ち掛けてきますが、

先祖代々引き継がれてきている染布法を守るパクは、頑なに買収を拒否し続けます。

しかし、ある時、ついにパクの染布工場の布に放火する、という直接的な方法で妨害工作が起こり始めますが、

なんとか火は消し止められ、染色済みの多くの布は失われたものの、パクが昼夜を徹して材料を調合し、染料を確保した事で、

なんとか経営危機は乗り越えられますが、それと引き換えに、染料調合時の中毒で、パクは病に倒れてしまいます。

そのパクの姿を見て、怒りが頂点に達したクワンは、ライバル染布工場に殴り込みをかけ、ライバル工場の土地権利書を奪ってしまいます。

この行為によって、クワンがガクに命を狙われる事を予想したデュンは、クワンを工場から遠ざけようとします。

しかし、学が無いクワンには、物事の善悪や道理も理解できないため、どうしても納得がいかず、故郷に帰るように即されながらも、再び街に舞い戻ります。

そして、自分の思うがままに高額の賞金が得られる格闘技大会に出場し、優勝を勝ち取りますが、その格闘技大会の主催者は、実は街を牛耳るガクで、

自分が悪事を働く際に必要な武術の腕を持った武芸者を集めるために大会を開いていた事が分かります。

しかし、純粋すぎて、悪人の本性が見抜けないクワンは、自分が利用されているとも理解できず、

やがてパク達をも追い詰めてしまうようになっていく、、、、というのが、大体の大筋となっています。

誰か(実は悪党ですが、、)に
認められ
新しい靴を買っても
周りの大切な人たちが
どんどん離れていく理由が理解できない、、、
しかし、いつかは真実を知る事で、全てを理解し
自分自身を見つめ直す瞬間が訪れます

チャン・チェ監督、アレクサンダー・フーシェン主演の名作カンフー作品を、ジョニー・トー監督がアーロン・クォック主演でリメイクした泣けるカンフーアクション作品です。

カンフーアクションなのに泣ける?という感じですが、本作、ジョニー・トー監督が後に創り出すような傑作群に通じるような、

ちょっとしたドラマの積み重ねによって、登場人物たちの状況や、人となりをそれほど台詞に頼る事なく的確に説明して行く、という作家性がはっきりと出た内容となっています。

86分という短い上映時間で、純粋な心を持つ主人公が、恋をし青春を謳歌しながらも、その純粋さゆえに悪党に利用されて、高慢な人間になってしまい、

いつのまにか、大切にしていたはずの全てを失い、絶望の中で、全てを清算するために決死の覚悟を決めて戦いに挑んでいく、という主人公の成長と挫折をしっかりと描き切り、

さらに、多くの人々の生活を背負うマギー・チャンの人間ドラマと、面倒見が良いティ・ロンとの大人の恋路と、

出会いの瞬間の印象が悪かったため、純真に学問を習おうと自分のもとを訪れた主人公の心を、行き違いから踏みにじってしまった女性教師ン・シンリンの心の逡巡と淡い恋路等、

主要登場人物四人のドラマを、絶妙なバランスで描き、それぞれのドラマが、物語展開にしっかりと影響して、やがて迎える悲劇へと昇華していきます。

主人公を演じる若きアーロン・クォックのイノセントぶりは、オリジナルで主人公を演じたアレクサンダー・フーシェンのイノセントさを継承していて、

あまりの無垢が過ぎて、いつのまにか自身が悪党側の一員になっていた事に気付き、全てが自分の責任だと理解していく心の移り変わりを見事に演じています。

マギー・チャンも、同年に同じくジョニー・トー監督の(東方三侠)シリーズで、痛快アクションガールを演じながらも、

本作では、もう一つの魅力である幸薄系の女性の心の動きを、台詞以上に表情と仕草で演じ分ける、という離れ業をこなし、

主人公アーロン・クォックに対するヒロイン役ではないにも関わらず、圧倒的な存在感を残しています。

マギー・チャンの表情だけでも
胸にグッときます、、、。

さらに、古くからショウブラザース作品等で、兄貴肌のキャラクターを多く演じ、(男たちの挽歌)で再ブレイクを果たしたティ・ロンの、

抑えた温かみのあるキャラクターが、マギー・チャンの名演と共に印象に残ります。

さらに、出番はそれほど多くはないものの、アーロン・クォックの相手役として登場するン・シンリンも、

大きな流れの中で、事件に巻き込まれていく心の流れを的確に表現し、涙を誘います。

そんな、名優たちの名演技に、大人の二人の恋の流れを上手く表現するアイテム【紅】や、若手の二人が急接近するきっかけになる名前の文字エピソード、

そして、ティ・ロンアーロンの父から教わっていた【三節鞭】を伝授する、壮絶すぎる名アクションシーン等、

ジョニー・トー監督らしい感情をグッと煽るような要素が上手く融合し、クライマックスでは、オリジナル以上に涙を誘う名エンディングへと繋がっていきます。

さらに、アクションシーンでは、オリジナルへも参加していたいたラウ・カーリョン監督による名アクションシーンが目白押しで、

同じショウブラザース卒業生であるティ・ロンや、出番は少ないですが、武術試合シーンで登場するチュー・ティエホー等の

伝統的な俳優によるアクションシーンが印象を残します。

ただ、超個人的な感想ですが、主人公を演じるアーロン・クォック、ダンスが得意という事で、非常に身体能力が高いので、身軽なアクションの連続ではあるのですが、

非常にダンサブル過ぎて、シリアスなアクションシーンでも、どうしても軽快なダンスのステップを踏んでいるようにしか見えないのが気になって仕方ありませんでした。

なので、ティ・ロンのアクションは非常に安定感があって後半は悲壮感も加わって泣けるアクションになるのですが、

アーロン・クォックが演じると、ヒラヒラと余裕で飛んで舞っている感じが先行して、あまり悲壮感を感じなかったのですが、どうでしょうか。

物凄く動きまくっているのですが、、、

それを言ってしまうと元も子もないですが、、、ダンスと、、
悲壮感は似合わない、、

という事で、ドラマや、アクション等、色んな面で魅力が詰まった名作であるオリジナルを越えた、とも言えそうな傑作となっていますので、

香港映画好きの方や、カンフーアクション好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

良い映画ですよ!

後のジョニー・トー作品でお馴染みのチョン・シウファイも出てます

作品情報

1993年製作 香港製作 カンフーアクション

監督 ジョニー・トー 製作 モナ・フォン 武術指導 ラウ・カーリョン 脚本 ヤウ・ナイホイ

出演 アーロン・クォック、ティ・ロン、マギー・チャン、ン・シンリン、ケネス・ツァン、チョン・シウファイ、ウォン・ヤッフェイ、チュー・ティエホー

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