カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆
宿命を背負ったカーター・ワンとティエン・ポンが、使命を果たすために少林寺で厳しい修行に励み、十八銅人房に命がけで挑戦する、少林寺ブームに乗って日本でも劇場公開された、ジョセフ・クオ監督の傑作カンフーアクション!!
作品紹介
1983年1月29日公開
今回ご紹介する作品は、カーター・ワン主演、ジョセフ・クオ監督の傑作カンフーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
明朝末期、明を守ろうとした関将軍の一家は惨殺され、唯一息子のみが生き残り、同じく家族を惨殺された家臣一家の生き残りの息子と共に、少林寺に預けられた。
それから、20年、家族の復讐を胸に誓い、立派な青年となった二人は、使命を果たすため、少林寺の卒業試験である(十八銅人房)に挑戦する!?
監督は、(ザ・セブングランドマスター)(詳しくはこちら)や(オールドマスター師父出馬)(詳しくはこちら)等の
カンフー映画の巨匠、ジョセフ・クオで、伝統的なカンフー映画に奇抜な娯楽要素を加えた世界観を創造しています。
主役の少林寺僧を演じるのは、(少林寺への道2)(詳しくはこちら)や(少林寺への道3)(詳しくはこちら)等、
多くのジョセフ・クオ監督作品に出演しているカーター・ワンで、本作でも強靭な肉体と眼力で、圧倒的な存在感を放っています。
で、もう一人の主役とも言える弟弟子役で、(残酷ドラゴン 血斗!竜門の宿)や(侠女)等のティエン・パンが登場し、
カーター・ワンとは対照的な、温和なイメージの青年を好演しています。
で、後半からの出演ですが、ティエン・パンの許嫁の女性剣士役で、(ドラゴン武芸帳)や(少林寺への道4)(詳しくはこちら)等の
シャンカン・リンフォンが登場し、物語に華を添えていきます。
で、ラスボス役で、(鬼馬大侠)(詳しくはこちら)や(精霊兄弟キョンシーブラザース)(詳しくはこちら)等の
イー・ユアンが登場し、主人公達を追い詰めていきます。
で、主人公二人の兄弟弟子役で、(ドラゴン覇王拳2復讐の挽歌)や(逆襲!少林寺必殺拳)(詳しくはこちら)等の
チャン・ナムが登場し、物語に捻りを加えていきます。
で、ゲスト的な出演ですが、修行僧役で、(少林寺炎上)(詳しくはこちら)や(斗え!デブゴン)(詳しくはこちら)等のチャン・イー、
同じく修行僧役で、(醉拳女刀手)(詳しくはこちら)や(セイントスティック 怒りの聖拳!)(詳しくはこちら)等のクム・コン、
幼少期の主人公達を導く将軍役で、(迷拳三十六招)(詳しくはこちら)や(ニンジャハンター炎のユ勇者たち)(詳しくはこちら)等のジャック・ロン等、
豪華なキャストが物語を彩ります。
そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、明王朝末期、明を守るために戦っていた将軍とその一家は惨殺され、
里子にだされていた5歳の息子のみが命が助かり、同じく家臣の一人も命を狙われながらも、息子を抱えてなんとか逃げ延び、
二人の素性を隠した少年が、別々に少林寺に預けられるシーンから始まります。
いきなりのドラマチックな展開からのスタートですが、主人公二人が、お互いの運命を背負って修行に励む、
というメイン展開を盛り上げるドラマが足早にではありますが、しっかりと描かれます。
で、主人公達二人の、ちょっとした少年時代の修行シーンが描かれますが、この少年時代の修行への取り組み方で、
既にその後の青年期のキャラクターがしっかりと反映され、ドラマ部分を盛り上げていきます。
後にカーター・ワンとなる家臣の息子の少年は、既に自身の使命をしっかりと理解し、強い精神力で、懸命に修行に励み、
後にティエン・ポンとなる将軍の息子の少年は、修行は真面目にこなしながらも、河の真ん中に生えていた自分の腰ぐらいの高さの木を持ち帰って少林寺の庭に埋めて、
水をやって育てながら、毎日その木をジャンプして、ジャンプ力も養う、という優しさも垣間見せる少年として、2人の少年が対照的に描かれていきます。
で、勿論、修行中に、スッと時間が経過するというカンフーもののあるある展開で、技を訓練している最中に急成長した二人は、
強靭な肉体と精神力を持った立派な青年へと成長しています。
少年時代の描写そのままに、厳しさの中に実は優しさもしっかりと感じさせるカーターと、訓練は必死で重ねるものの、
カーターほどの強靭な体と精神力は見に付かなかったティエン・ポンに成長し、少年時代は一緒になるシーンはありませんが、
青年期には、兄弟子カーターと弟弟子ティエンは、一緒に修行に励んでいます。
さらに、カーターにとっては弟弟子、ティエンにとっては兄弟子のチャン・ナムも加わって三人で厳しい修行に耐える日々を送っています。
で、少年時代から数えるともう、20年が経過している、という事で、そろそろ少林寺の免許皆伝の象徴である(十八銅人)を含めた(訓練房)に挑戦する、という流れが本筋となっていきます。
本作の一番の見所は、後半の敵討ち展開もありますが、やはり、ユニーク過ぎる十八銅人等の訓練房にチャレンジするアクションシーンの数々で、
銅人への挑戦だけではなく、大きな鐘の下に入って鐘を突かれて鼻時を流しながら騒音に耐える挑戦や、
ゴツい棒で、18回も体中の色んな場所を、色んな角度から無抵抗に殴打され続ける挑戦、
大きな鐘を拳で殴って、師範に『良し。』と言われるまで鐘を鳴らす挑戦、
矢とかパチンコ玉等の飛び道具が飛んで来るので俊敏に避ける挑戦、
鉄製の取っ手のない重そうな扉を、手のひらで上に押し上げて向こう側に進む挑戦、
無数のゴツい巨大針付きの壁が両サイドから迫ってくる廊下を、その壁を両腕で支えながら目に進む挑戦、
そして最終的には、高温の巨大な鉢を、両腕で抱えて持ち上げて、火傷しながら横に避けて、扉を開けて外に出る挑戦等、
非常にユニークで、即死必至の危険度が高すぎる難関に挑むシーンが本作随一の見所となっています。
勿論、難関突破後には、ヒロインのシャンカン・リンフォンと出会ったり、カーター&ティエンVSイー・ユアンによるラストバトルという見せ場もありますが、
やはり、この娯楽要素満載の十八銅人チャレンジのインパクトには敵わず、その後何度も色んな作品で登場する程の人気を獲得しています。
銅人に関しては、普段の生活もそのまま?着ぐるみタイプと生身タイプとあるけれども同じ存在なのか?そもそも人間か?
等の色んな疑問が浮かびますが、そういうツッコミ所が満載のスカスカ感も、強引に押し切ってしまうほどのインパクトが、本作の大きな魅力となっています。
という事で、今の時代に冷静に鑑賞すると、至って真面目で、悲劇的な内容を含んだ復讐物語なのに、その仇討の技を磨くためのシーンは、
全身金粉まみれの上半身裸の丸坊主と命がけで戦う
という、奇天烈な展開とのハーモニーが、(シリーズ作を省けば)唯一無二の世界観となっていますので、
カンフー映画好きの方や、変わった娯楽作品好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
個人的には、カーター・ワンの魅力が一番炸裂している作品だと思います。
その次ぐらいが、(ドラゴン太極拳)の銀魔王でしょうか、、、。
作品情報
1976年製作 台湾・香港製作 カンフーアクション
監督・製作・脚本 ジョセフ・クオ 武術指導 チャン・シウパン
出演 カーター・ワン、ティエン・ポン、シャンカン・リンフォン、チャン・ナム、チャン・イー、クム・コン、ジャック・ロン
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まあくさん、こんにちは!
おおお、少林寺への道! これ、大好きなんですよ~!
これは、DVDが欲しんですけど、いまだに出会えていないんですよねえ。というか新品でも中古店で見かけたこともないです。(ネットで買えと言う話ですが)
中学生の頃に観たきりなんですが、いまだに覚えています。とくにあの「銅人」を・・・(笑)
テレビ放映の翌日に、友人たちとあの銅人はロボットなのか人間なのかで論争になりましたからね。(いまだに分かりませんけど)
たしかに銅人以降の展開は、いまいち盛り上がらなかったような記憶がありますね。
あとカーター・ワンはですね、もっとスターになると思ったんですけどね。女性ファンを獲得するには、ちょっと暑苦しすぎましたかね(笑)
自慢じゃないですが、熱い鉢を両手で抱える場面は、ぼくはいまでもモノマネできますからね。あーそうそう! この場面は好きすぎて、こっちのブログでもネタにしたんですよ。どぶろっくのパロディで。
https://talksessionyands.hatenablog.com/entry/2023/04/09/003000
S原:ワクチン注射をしたあとに。「腕にアザが残っちゃって。まるで生き物の形みたい♡」なんて。
S原:もしかしてだけど~♪
Y木:もしかしてだけど~♪
S原:もしかしてだけど~♪
Y木:もしかしてだけど~♪
S原&Y木:少林寺で修業をしたと言いたいんじゃないの~?
たぶん読んだ人ほぼ全員わからなかったと思います(まぁくさん以外は)。
いやーそれにしても懐かしい。やっぱり10代で観た映画は印象に残ってます。
いつかイーストウッドの「ファイアーフォックス」を取り上げて下さいね!今観ると、欠点もあるんですが良い味なんですよ!
以上、「あなたの知らないワゴンセールの世界」のS原でした!
S原さん、いつもコメントありがとうございます!
(少林寺)ブームに乗って上映された(少林寺への道)、良いですよね!ジェット・リーでは絶対にできない(やらない)十八銅人との果てしない戦いが、一度観たら忘れられないほどのインパクトですよね!
個人的には(少林寺)の細かいストーリーは忘れがちですが、(少林寺への道)に関しては、十八銅人の容姿、巨大針付きの迫る壁のシーン、熱い鉢を抱えるシーン、そしてカーター・ワンの眼力、と幼少期に観てしまうとかなり印象に残るシーンが多いですよね!
しかも、カーター・ワンが役柄的に、怖そうに見えて実は滅茶苦茶優しい頼れる兄貴分、というのがまた惹かれてしまいます!
こういう、荒々しいけれども、印象に残る作品て、最近はあまり出会えないのもちょっと寂しいですね!
どぶろっくの替え歌は面白過ぎですね!(笑)確かに、額に(中)なら、ラーメンマン、胸と腕に龍なら(少林寺)卒業の証でした!
(ファイヤーフォックス)も、もう一度観てみます!