【推薦レア作品!香港映画】孔雀王 (孔雀王子THE PEACOCK KING)96分

投稿者: | 2023年10月3日

おすすめ度 ★★★★★★★★★☆

日本の人気コミックを香港と日本混合スタッフ・キャストで映像化した両国の良さがバランス良く融合した特撮アクション!!

作品紹介

1988年12月10日公開

今回ご紹介する作品は、香港と日本が合作で製作した特撮アクション作品です。

それでは、ますはあらすじから、

魔族のラガによって、地獄門の封印を解く鍵となる少女阿修羅が復活した。

チベット密教の僧コンチェは、この地獄門を封じるため、ラガを追って日本にやって来た。

そこで、高野山の退魔師、孔雀と出会い、協力して魔族と激闘を繰り広げるのだった!?

日本の漫画が原作の香港・日本合作の特撮アクション作品です。

監督は後に再び香港と日本合作で製作した特撮アクション(妖獣大戦)(詳しくはこちら)や日本の劇画漫画を再び映像化した(力王)等で、

日本との合作作品を製作していくラン・ナイチョイで、その先駆けとなる本作で、両国の良さをバランス良く配した物語を創造しています。

ラン・ナイチョイ

日本版で主人公の孔雀役を演じているのは三上博史で、香港で公開されたバージョンでは相棒役のユン・ピョウが孔雀、つまり主人公を演じています。

日本版と香港版は、一部シーンが異なる程度で内容的にはほとんど同じですが、日本版でのユン・ピョウの役名、コンチェは孔雀の広東語読みですので、

実は、ユン・ピョウの役名自体は香港版も日本版も同じで、三上博史が演じている役柄のみが変更されている、という事になっています。

で、香港版では三上博史吉祥果という、孔雀とは無関係の役名で呼ばれています。

因みに吉祥果とは柘榴(ざくろ)の事で、英語字幕ではラッキー・フルーツと訳されてます。

き、、、緊張感ないですね、、。

何故、吉祥果なのでしょうか、、。

三上博史
三上博史

ユン・ピョウはこの時期(オン・ザ・ラン)や(サイクロンZ)、(画中仙)等円熟味を増しながらも、色んなジャンルのアクション作品に出演していた時期で、

その後、(バカヤロー!4YOUお前のことだよ)や(無問題2)等、日本合作作品にも積極的に出演しています。

ユン・ピョウ
ユン・ピョウ

ヒロインは日本から安田成美が出演し、事件に巻き込まれ、そのままなんとなく会社を辞めて香港まで行ってしまう活発なOLを演じています。

安田成美
安田成美

そして、物語の鍵を握る少女阿修羅役で、本作出演をきっかけにブレイクした(チェイス・フロム・ビヨンド)(詳しくはこちら)や、

ミスティー)(詳しくはこちら)等のグロリア・イップで、可憐な少女役を好演しています。

グロリア・イップ

で、日本側の師匠役で、名優緒形拳が出演し、ちょっとした妖術合戦も披露してクライマックスでも盛り上げていきます。

緒形拳
緒形拳

香港側(チベット側)の師匠役は、(ミラクルファイター)(詳しくはこちら)や、(妖怪道士)(詳しくはこちら)等のエディ・コーが登場し、

高僧としての説得感満載で、危機感を盛り上げていきます。

エディ・コー
エディ・コー

で、阿修羅を復活させてこの世を地獄に変えようとする魔族役で、(霊幻道士)(詳しくはこちら)や、(平安夜)(詳しくはこちら)等のポーリン・ウォンが登場し、

モンスター化する悪女を演じています。

ポーリン・ウォン
ポーリン・ウォン

そして、日本から悪を倒すためにやってくる武僧集団、薬師十二神将のクビラ役で、(少林寺三十六房)シリーズや、

ガッツフィスト魔宮拳)(詳しくはこちら)等のリュー・チャーフィーが登場し、ユン・ピョウと華麗なアクションを披露しています。

リュー・チャーフィー
リュー・チャーフィー

という当時の香港・日本の豪華スタッフ・キャストが結集した本作の物語は、チベットで少女阿修羅の封印が解かれた後に、

あるデパートで開催される予定の恐竜展で、魔族が恐竜(の巨大な模型)を操って、大暴れする、という事件が発生し、

その邪悪な存在を祓うために、拝み屋、孔雀がやってくる、という所から始まります。

で、この邪悪な存在を追って、実はチベットからユン・ピョウ演じる僧侶コンチェもやってきていたので、

孔雀と協力して、この魔物を倒すものの、その諸悪の根源となるポーリン・ウォン演じる魔族ラガは、魔王を復活させるために、

その鍵となる少女阿修羅を連れて、今度は香港に向かっている、という感じで、孔雀とコンチェ、そして一般人代表としてOL役の安田成美が仕事を辞めてまで、香港へと乗り込んで行き、

魔族VS退魔師の本筋へと突入していく事になります。

全編、ダークな雰囲気を醸し出し、アナログ的なおどろおどろしさが有りながらも、しっかりと要所で香港流の超絶アクションが挿入される、という娯楽性も兼ね備えている

という香港映画界と日本映画界の良い所が非常にバランス融合された、唯一無二の特撮アクション作品となっています。

さらに、本作の要所で流れる劇中歌が非常にカッコ良く、神秘的な密教の世界観に、カッコ良い特撮と香港アクション、

そこに英語詞のハードロックが流れる、という本作ならではの作品世界は、続編である(孔雀王 アシュラ伝説)でも、

ユン・ピョウが再びチベット密教僧を演じた(香港魔界大戦)でも再現するには至っていませんので、本作だけの独特の世界観となっています。

密教+カンフー+特撮+ハードロック=孔雀王  という感じでしょうか。

もし、仮に現代の技術力で、再度映像化しても、本作の世界観は再現できないのではないでしょうか。

それほど、貴重な、当時だからこそ表現できた内容となっています。

アクション面では、随所に挿入されるユン・ピョウのワイヤーアクションや、

中盤で展開されるリュー・チャーフィー率いる武僧とユン・ピョウのアクション等が素晴らしく、本作のアクション面での魅力を際立たせています。

ゴールデンハーベスト社作品に主に出演していたユン・ピョウショウブラザース社作品に出演していた、

言わばライバル会社の看板俳優同士が共演して、本格的なアクションシーンを演じること自体が貴重となっていますので、

そういったアクション面だけで見ても、貴重な作品となっています。

というより、リュー・チャーフィーゴールデンハーベスト作品に出演している、という事自体が貴重と言えるかもしれません。

また、初の主演級の役柄で大活躍のグロリア・イップの弾けるような魅力、ポーリン・ウォンの人間ではない魔族としての怪しい妖女ぶり、

そして、(チャンピオン鷹)では叔父さん役を演じていたエディ・コーユン・ピョウの息の合った指定コンビぶり、

リュー・チャーフィーの少林寺もののような正義(ルール)一直線ぶり、等、香港キャストの好演も伴って、

しっかりと日本と香港、一応チベットも含めて、日本映画としても、香港映画としても、楽しみやすい秀作となっています。

日本の漫画原作で、香港関係の作品ですと、(力王)、(頭文字D)、(シティーハンター)、(墨攻)等、

解釈の違いで、微妙な内容となってしまう作品も少なくないですが、その中でも本作は原作を拡大解釈しながらも、

しっかりと魅力的な世界観を創り出していますので、非常に成功した例と言えるのではないでしょうか。

という事で、物語展開もテンポ良く進み、適度な香港アクションと、素晴らしい特撮シーン、そして心躍る名曲に乗せて、

キャストが名演を披露している秀作娯楽活劇となっていますので、香港映画好き、特撮アクション好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

また、本作のようなお互いの良い部分を併せ持ったような作品を製作してもらいたいですね。

作品情報

1988年製作 香港・日本製作 特撮アクション

監督 ラン・ナイチョイ 武術指導 トン・ワイ、フィリップ・コク 原作 荻野真

出演 三上博史、ユン・ピョウ、安田成美、グロリア・イップ、ポーリン・ウォン、リュー・チャーフィー、緒形拳、エディ・コー、左とんぺい、コント山口君と竹田君、フィリップ・コク

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