【中国映画】レジェンド・オブ・デスティニー 王朝の密謀 (公主迷案THE SECRET OF PRINCESS)94分

投稿者: | 2022年7月15日

おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

宮廷内のドロドロ陰謀がらみの事件に(王朝の陰謀)の主人公、大理寺のディー・レンジェ、、、ではなく大理寺の役人の、頭の冴えてる友達が挑む、名探偵ミステリー!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、王宮内のドロドロ利権争いにまつわる事件を描いたミステリー作品です。

それでは、まずはあらすじから、

唐代の中国、長安にある妓楼(酔月教坊)で不可解な火災事件が起き、絶世の美女と名高い妓女、鏡月の焼死体が見つかった。

早速事件解決のために動き始める大理寺は、推理力に優れた画家に協力を依頼し、捜査を進めると、様々な証拠から鏡月がまだ生きているという事が判明するのだった。

事件解決の鍵は、行方不明になっている鏡月が握っているため、必死の捜索が開始される!?

邦題と日本版DVDジャケットはチャン・イーモウ監督、レオン・ライ、ファン・ビンビン主演の(レディ・オブ・ダイナスティ楊貴妃)にあやかったイメージですので、

(今?)という感じですが、実際の内容に関しては連続して製作される(王朝の陰謀)とほとんど変わらないような、

王宮内で巻き起こる権力争いを発端とした殺人事件を、名探偵が解決していく、というシンプルなミステリーとなっています。

邦題のサブタイトルの方では(王朝の密謀)という、匂わせもありますので、実際のところはディー・レンジェが出ない(王朝の陰謀)といった感じの物語となっています。

しかも捜査の実権を握っているのは、(王朝の陰謀)の主人公ディー・レンジェが所属している大理寺で、

そこに所属する役人が、部外者の名探偵に事件の捜査協力を依頼する、という感じで物語が進んでいきます。

しかしながら、この主人公というのが、謎の存在(ただの説明不足ですが)で、とにかく頭脳は明晰で推理力は長けているようで、

役人にも、ことあるごとに『名探偵、名探偵』とおべっかを使われているので、これまでにも同様の難事件を解決してきているような設定になっています。

ただ、この主人公、別に探偵を職業としているわけでも、元探偵でも、元役人(警察)でもなく、ただの画家です。

それ以上の説明がないので良く分かりませんが、このただの画家が役人におだてられて、しゃしゃり出て難事件に挑んでいきます。

本業は画家の名探偵

勿論、王宮内とは無関係の人物なので、基本的に作品内で描かれている全ての事件には無関係です。

その人物が、下に見ている役人(主人公は常に誰に対しても上から目線で、綱に余裕で自身たっぷりで、何事に対しても全て正解を知っているという独特のスタンス)に頼まれて、

事件を本格的に解決していきます。

とにかく他人を下に見ています

せめて、本当に探偵という立場だったり、ディー・レンジェのように王宮内で事件を解決しなければいけない職業に就いてるなら分かりますが、

流石に、王宮の内部とは無関係の一般市民の画家が、何故か王宮内の事柄に詳しく、しかも途中登場する王妃にも上から目線で接し、余裕の態度で事件を解決に導いていくのは無理があり過ぎるのではないでしょうか。

恐らく、権威のある存在でさえも圧倒するような痛快なキャラクター、という設定なのだと思われますが、上から目線の高さが上過ぎてしまって、逆に感情移入できないので、

もう少し張り下っても良かったのではないかと思われます。

画家は全て正解を知っています

この主人公が常に自身満々過ぎて、感情移入しにくいキャラクターな上に、そこに王宮の厭なドロドロドラマが挿入されていきます。

中国作品の王宮ドロドロも人気がある(のかどうか分かりませんが)ようで、やたらとこのドロドロ展開がメインになることが多いのですが、

ドロドロがメインになってしまうと、感情移入できない主人公の影が極めて薄くなり、また主人公のボディガードとして登場するレディドラゴンも、

いまいちキャラクターがはっきりしない(というか描かれない)ので、せっかくの男女コンビのいわばバディものになっているのに、

ロマンスも描かれなければ、ちょっとした友情エピソードもほとんど描かれません。

ちょっとした、ロマンスぐらいあっても良いのですが、、、それでも主人公の表情には自信が満ちています

ドロドロ要素を薄くすれば、もっと色々と描けそうですが、そうはなならずにドロドロをメインに描いていくのが、最近の中国映画の一つの特徴となっています。

で、そんなドロドロパートを一手に引き受けるのは、(ソード・オブ・ブラッド)(詳しくはこちら)や(カンフーフィスト必殺拳)(詳しくはこちら)等、

とにかく、計略をめぐらす、厭なキャラクターを演じたら右に出る者はいないのではないか?と思えるぐらいに毎回鼻声で、嫌みたっぷりに外道ぶりをアピールするリー・ヤンです。

本作のスン・チュアンリン監督とは(ソード・オブ・ブラッド)でもコンビを組んでいますので、息の合ったコンビで厭なシーンを連発していきます。

今の中国映画で厭な役柄を演じるトップランナー、リー・ヤン
リー・ヤン

対して主人公の自信満々の画家を演じているのは、2011年デビューのマー・シューアイで、日本で紹介されている作品は無さそうですが、

その自信でこれからも大活躍していくのではないでしょうか。

マー・シューアイ
マー・シューアイ

そして、ヒロインとして原題にもなっているプリンセスを演じているのは、大ヒットした(モンスターハント)のテレビシリーズ版ともいえる(钟馗捉妖记)に出演しているクー・シューインです。

普通の一般市民として登場し、実は、、という役どころを魅力たっぷりに演じています。

さらに、中盤以降はそれなりにアクションも披露していたりしますので、本作では非常に重要な役柄となっています。

クー・シューイン
クー・シューイン

で、その期待のアクションですが、やはりというか、動けないリー・ヤンがラスボスとして登場している以上、

過去の作品から推察すると嫌な予感しかしませんが、実際の内容も、予想通り、吊られワイヤーメインの、誰がやっても系の、パペットアクションとなっています。

後ろにスーーーッ
ヒョイッ

吊られ方も大胆過ぎるので、もうそういうものだ、と思うしかありませんが、ファンタジックな武侠作品ならまだしも、

王宮内のドロドロ権力争いという生々しい物語のアクションが、びゅんびゅんと人が飛んでいくワイヤーアクション、というのもどうかと思うのですが、どうでしょうか。

別方向からの3人の剣の攻撃を、同時に止めるリー・ヤン、という物凄い構図(背中は刺さってますが、、)

という事で、リアルなのか、ファンタジーなのか、つかみどころのない作品ですが、一応ミステリーの雰囲気は感じられる内容となっていますので、

ドロドロドラマ付のミステリーがお好きな方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

2020年製作 中国製作 武侠ミステリー

監督 スン・チュアンリン

出演 マー・シューアイ、ルー・ガンドン、クー・シューイン、チェン・ユー、リー・ヤン

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