おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
ジャッキー・チェンが、年老いた伝説のスタントマンを演じ、過去作品の名スタントシーンも多数登場するアクションドラマ!!
作品紹介
2024年5月31日公開
今回ご紹介する作品は、ジャッキー・チェンが、伝説のスタントマンを演じたアクションドラマです。
それでは、まずはあらすじから、
かつて、香港映画界で、伝説的なスタントマンとして活躍していたルオは、怪我をきっかけに一線を退き、今現在では、愛馬チートウと共にエキストラのような仕事をしていた。
そんなある日、チートウの元の持ち主であるルオの友人が亡くなった事で、債務トラブルとなり、チートウも差し押さえられそうになる。
金銭的な余裕が無く、弁護士を雇えないルオは、疎遠となっている法学部に通う娘シャオバオに助けを求めるが、、、。
監督・脚本は、(寵愛)や(喊·山)等のドラマ映画の監督作品の多いラリー・ヤンで、本作でも丁寧な親子ドラマを描きつつも、
ジャッキーアクション映画としても見せ場を作る、という難しい作品世界を創造しています。
主人公の元スタントマン役は、勿論(プロジェクトV)(詳しくはこちら)や(プロジェクトXトラクション)(詳しくはこちら)等、
近年、まだまだ勢いの衰えないジャッキー・チェンで、経験者でしか表現できない年老いたスタントマンの悲哀を、
家族と馬との愛情ドラマを織り交ぜながら描いています。
で、ジャッキーの娘役で、(崖上のスパイ)や(ワンセカンド)等のリウ・ハオツンが登場し、ジャッキーとの親子ドラマを演じています。
で、その婚約者である新人弁護士役で、(相聲大電影之我要幸福)や(二手傑作)等のグオ・チーリンが登場し、事件に立ち向かっていきます。
で、ジャッキー所有の馬を獲得しようと狙う金持ち馬主役で、(天山回廊ザ・シルクロード)(詳しくはこちら)や
(武林聖門士)(詳しくはこちら)等のユー・ロングァンが登場し、ジャッキーと馬の絆を引き裂こうとしていきます。
で、ジャッキーに借金返済を迫るチンピラ役で、(MAD探偵)(詳しくはこちら)や(香港国際警察)等の
アンディ・オンが登場し、ジャッキーとのアクションを披露しています。
で、ジャッキーの弟分役で、(流転の地球)や(MEG・ザ・モンスターズ2)(詳しくはこちら)等の大作への出演が続く、
ウー・ジンが登場し、アクションシーンは無いながらも、ドラマ部分を掘り下げていきます。
で、ジャッキーの弟子役で、(男たちの挽歌REBORN)や(ピースブレーカー)(詳しくはこちら)等のユー・アイレイが登場し、コミカルなシーンを演じています。
で、もう一人のジャッキーの弟子役で、(ホットサマーデイズ)や(デミホーンテッド)等のジョイ・ヨンが登場し、物語の世界観を掘り下げています。
で、ジャッキーに恩のある業界人役で、(カンフージャングル)や(ダイナソーワールド)(詳しくはこちら)等の
シンユーが登場し、アクション無しで、ドラマ部分を盛り上げていきます
で、ジャッキーが撮影に参加する作品の監督役で、(ポリスストーリー3)や(レッドブロンクス)等の監督スタンリー・トンが、監督役で登場します。
そんなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、かつて伝説のスタントマンとして多くの香港映画の危険なスタントをこなしてきたルオ・ジーロン(ジャッキー・チェン)が、
怪我をきっかけに現役から退き、そこから愛馬のチートウと共に撮影所の近くに住み、借金取りのチンピラ、ダミー(アンディ・オン)から逃げつつ、撮影所で日銭を稼ぐ日常風景から始まります。
そんなある日、チートウを譲り受けた会社社長の親友が亡くなり、チートウが、その社長の財産として没収される、という知らせを弁護士から受けた事で、物語は本題に入っていきます。
チートウを譲り受ける際に、書面などを遺していなかったため、法律によって強制的に連れていかれる事を恐れたジャッキーは、
金銭的な余裕もなく、弁護士も雇えない状況で、長年疎遠となっていた法律を学んでいる娘シャオバオ(リウ・ハオツン)に助けを求めます。
しかし、母親が病気で亡くなる際にも姿を現さなかった父親を、許せないシャオバオは、父親を一度は拒絶しますが、
生前母親から父親を受け入れるように言われていたシャオバオは、なんとか気持ちを作って父親のもとを訪ねます。
で、新人弁護士の彼氏と父親を引き合わせ、チートウを奪われないために、試行錯誤を始めます。
やがて、かつての弟子が、ジャッキーにチートウと共に映画のスタントマンとして復帰する話を持ち掛け、
困難なスタントをこなしている内に、再びスタントの依頼が舞い込みだします。
しかし、あまりに危険なスタントの連続に、父親とチートウの身を心配するシャオバオは、父親に危険なスタントを辞めるように懇願しますが、
スタントマン精神を大事に生きるジャッキーには、スタントを辞める事はできず、ついにかつてジャッキーのおかげでスターになったウー・ジンから、超大作の主演作品の依頼が舞い込みます。
しかし、その映画のアクションは、CG等の最新技術を多投するアクション作品なので、実際にはほとんど危険のないスタントで、、、、、、、、、というのが、大体の大筋となっています。
日本劇場公開時に、ジャッキー・チェン自身がPRのために来日も果たし、ジャッキー・チェン映画の集大成として大々的に宣伝もされたアクションドラマ作品です。
役柄自体が、かつて香港映画界で伝説的な活躍を見せた老いたスタントマン、という事で、これまで出演して来た(ポリスストーリー)や(同3)、
(プロジェクトA)に(フーアムアイ)、(レッドブロンクス)、(サンダーアーム)(プロジェクトイーグル)等の本編が、ジャッキーが演じているスタントマンが演じたスタントとして登場し、
さらに、(醉拳)や(香港国際警察)、(THE MYTH)、(ファイナルプロジェクト)等に関するシーン等も登場して、
ジャッキー作品を多く鑑賞してきたファンの方なら、それだけでも楽しめるような役柄となっています。
ただ、本作において、そういう過去作とのリンクは、あくまでオマケ的な要素ではありますので、それぞれの作品の存在が、
本筋であるドラマの物語展開に絡む事はほとんどありません。
さらに、本作、しっかり目のジャッキーアクションも随所に(3回)挿入されていますが、そのシーンも基本的には全て借金取りのアンディ・オンとのいざこざアクションがメインとなっていて、
アンディ・オンのエピソード自体が、本編の父親と娘の親子ドラマと、ジャッキーと馬との疑似親子ドラマには、ほとんど絡みませんので、
格闘アクションシーン自体も、本編のドラマ展開とは別の、ある意味オマケ的な要素となっています。
では、オマケ要素ばかりで本編の内容は薄いのか?というと、そうではなく、ほぼ準主役なリウ・ハオツンのイノセントな名演と、
年齢を重ねたジャッキーの哀愁を帯びた名演で、しっかりと涙を誘う親子ドラマとなっています。
合間にオマケ要素が入るので、ドラマ部分だけに注目すると、若干淡白な感じもしますが、ちょっとしたエピソードを上手く重ねていき、
クライマックスでは、大感動展開へと繋がる、秀作人間ドラマとなっています。
それというのも、アクション映画ではなくドラマ映画で人気のラリー・ヤンが監督している事で、
疎遠だった親子の再生ドラマと、スタントマンの生き様を描いた人間ドラマ、そしてジャッキー・チェンらしいアクションと、
見所となる要素がバランス良く溶け込んで、結果的に、年齢を重ねた今のジャッキー・チェンにしか表現できないような作品となっているのではないでしょうか。
恐らく、もし、ジャッキー・チェン自身が監督していると、アンディ・オンとのエピソードはもっと深く本編に関わりそうですし、
シンユーや、ウー・ジン等の動けるスターは、少しでもアクションの見せ場があるように、物語展開を変更していったかもしれません。
そうなって来ると、完全にアクション映画になってしまい、本作の本当に描きたい部分とは逸れてしまいますので、
ラリー・ヤン監督のようなドラマ系の監督による演出が、作品的には調度良いバランスで製作できるのかもしれません。
という事で、最近のジャッキー作品の中では、結構ジャッキー自身のアクションも多く、しっかりとした見ごたえの泣けるドラマも胸に刺さる、
今のジャッキーにしか製作できない内容の作品となっていますので、ジャッキーファンの方や、人間ドラマ好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
2023年製作 中国製作 アクションドラマ
監督・脚本 ラリー・ヤン
出演 ジャッキー・チェン、リウ・ハオツン、グオ・チーリン、アンディ・オン、ユー・ロングァン、ジョイ・ヨン、ユー・アイレイ、シンユー、レイ・ロイ、ウー・ジン、スタンリー・トン、アーリフ・リー
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