おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
海のど真ん中で、サメに襲われ乗っていたヨットが転覆した6人の男女が、どう猛なサメとバトルを繰り広げる既視感満載の70分サメパニック!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、6人の男女とサメの戦いを描いたサメパニック作品です。
それでは、まずはあらすじから、
アン・チーと友人たちは、級友のウェイと共にプライベートヨットで休暇を過ごすためにクルーズに出ていた。
しかし、ある海域に差し掛かった時、中洲の岩礁に衝突し、全員が海に投げ出されてしまう。
そんな海上を漂う男女6人に、どう猛で巨大なサメが近づいて行く!?
監督は、(幕后人)等のシー・チアン監督で、70分の非常にタイトなサメパニックを、駆け足で演出しています。
主演のイケメンダイバー役には、テレビシリーズ(一代新兵之八极少年)等のチウ・ピンチェンが扮し、分かり易いヒーローを演じています。
で、主人公に率いられてクルーズに出かけるメンバー役で、(ダンジョン・オブ・ドラゴン)(詳しくはこちら)等のチェン・ヤージン、
(蓝鲸之鸣)のファン・ユメン、
(闻香寻爱)等のシュー・グイリンが登場し、それぞれ、サメと激闘を繰り広げていきます。
そんなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、客を乗せたフー・トンフェンが操舵する海釣りヨットが、巨大サメに襲われるシーンから始まります。
で、サメの存在感だけをアピール(この二人は、本編には全く関係しません、、、)した後は、浜辺に舞台は移り、
6人の若い男女が、そのメンバーの中の太めの金持ちが所有する豪華ヨットに乗り込んで早速クルーズに出かける事になります。
非常に展開が早いので、6人のメンバー紹介も薄めで、主人公とヒロインが元カップルで、親友はお金大好き過ぎて、
どう見てもカッコ良くは見えない太めの金持ちに惹かれている、ぐらいの説明で速攻で海のど真ん中まで出てしまいます。
この辺の展開の速さ、というか説明の足りなさは、流石70分作品という感じで、映画作品というより短発のドラマスペシャルという感じですが、
速攻で、海上に出た後には、遊びでヨットを操縦した女子のせい(というより不用意に操縦させてしまう方が悪いのですが、、)で、
海のど真ん中の浅瀬の岩にぶつかって、
グラリッ!!!
と揺れます。
で、カメラが、ごちゃごちゃと女子を主観で映していると、海にドボンと落ちたようで、女子がもがきにもがいて、
やっと海上に顔を出してみると、、、、、
まさかの、豪華ヨットが一瞬で転覆!!!!
という、
サメパニック展開前の一番描くべきシーンを一切描かない、
という、いくら70分の作品でも、潔すぎる間違った判断で、
あっという間に、海のど真ん中で6人の男女が漂流してしまいます。
内容的には、2010年のオーストラリア映画(赤い珊瑚礁 オープン・ウォーター)と似たような流れで、漂流する事になった男女が、
反対になって浮かんでいる豪華ヨットの裏側で救助を待つ二人と、近くの島(と言っても泳いで5~6時間はかかる距離)まで泳いで行く4人に分かれて、
それぞれのサバイバル展開に突入していきます。
で、一応ここからが本題で、本格的なサメパニックになるのですが、本作予算の都合だと思われますが、
出だしの瞬間的な豪華ヨット沈没シーンからも分かるように、サメに襲われても、実際に襲われるシーンはほとんど存在しません。
要するに、
サメが泳いで迫って来る→若者がサメに気付く→叫ぶ→サメが口を開ける→サメがザバッと海上にうねって飛び出す→ご馳走様でした。
という感じで、被害前と被害後がすぐ直結しているようなサメパニック表現で統一されています。
ですので、サメが泳いでいるシーンがそれなりに挿入されますので、サメの存在感はありますが、サメに襲われている危機感は極めて薄い作品となっています。
しかも、(赤い珊瑚礁 オープン・ウォーター)のような、リアル感を伴ったような作品ではないのにただただ泳ぐだけのシーンが続きますので、
キャストの表現力に頼るところも多くなりますが、イマイチ緊迫感を感じる事もなく、クライマックス近辺では、
サメ被害よりも
涙を一切流さずに泣き叫ぶヒロインの嘘泣きの破壊力に、観ている側も一瞬で沈没しそうになります。
という事で、非常にコンパクトな軽めのサメパニック作品で、緊迫感薄めで気分も盛り上がらないかもしれませんが、
本作、というより本DVDソフト、そんな内容以上に盛り下がってしまう重大なポイントがあります。
それは本作の商品としてのリリースの仕方についてですので、内容には全く関係ないのですが、
本作、日本のDVD販売元や、様々なデータベースでは製作年度が2023年となっていますが、実際は2021年に製作配信された作品です。
日本以外の米国・中国等の全てのサイトで2021年製作となっていますので、流石に情報があふれているこの時代に間違えたとは考えにくいので、
恐らく、大量にリリースしていた時期に権利を購入し、リリースしきれなくて、タイミングを失っていた所、ジェイソン・ステイサムの本家が続編を公開してくれたので、
そのDVDリリース時期にあやかって蔵出し的にリリースしたのだと思われますが、流石に対価を支払ってその作品を鑑賞している人に対して、それはどうなんでしょうか、、、。
その製作年度の詐称はイヤらしい、というかセコイですね、、、。
ジャケットデザインイメージの誇張や、あやかり邦題等は、作品をセールスするためにはB級作品では、ある程度しょうがないと思いますが、
旧作を新作の様に偽るのは流石に一線を越えていると思うのですが、どうでしょうか。
これがもし、仮に(仮にです)ジャッキー作品のような常に新作を製作しているような有名スターが出演している作品だったら、結構な問題になると思います。
言い換えると、本作を売り出している側が、
【これぐらの作品だったら、旧作を新作のように偽ってリリースしても誰も気づかないし、偽った方が売れるから問題無い】
と、判断しているのが透けて見えます。
そういう事を繰り返していると、結局自分達が活躍している業界を狭めていくだけだと思いますが、、、。
という事で、製作から3年ほど経過してからリリースされる作品ですが、軽めのサメパニックを、サクっと、ガブッと鑑賞したい、
という方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
あと、最後に、、、、、、監督からのメッセージが、、、
確かに、人間は何人も犠牲になりますけど、サメは一匹も死にません、、、。
地球上の生命の中に、人間は入っていないようですね、、、。
作品情報
2021年製作 中国製作 サメパニック
監督・脚本 シー・チアン
出演 チェン・ヤージン、チェン・チウピン、シュー・トン、ファン・ユメン、ハン・ウェン、フー・トンフェン
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