おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
2023年の大阪アジアン映画祭で上映された(本日公休)で銀幕にカムバックした台湾の人気女優ルー・シャオフェン主演のリベンジサスペンスアクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、台湾の人気女優、ルー・シャオフェン主演のリベンジムービーです。
それでは、まずはあらすじから、
CMモデルのキャロルが、山道でヒッチハイクした車の運転手に襲われた事件の裁判を担当する事になった記者のウェンディは、
その富豪の容疑者リーに取材攻勢をかけるが、実は、リーは連続暴行犯で、ウェンディが次の標的にされてしまうのだった。
虐げられたウェンディは、法で裁けぬ悪を裁くため、自身の手で復讐を開始する!?
ルー・シャオフェン主演のリベンジサスペンスアクションです。
監督は女性監督ヤン・チアユン(カレン・ヤン)で、(ピンクウォリアーズ)や、ヤン・ホイサン主演の(誰敢惹我)等、女性主人公のアクション作品を主に製作しています。
主演のルー・シャオフェン(フォンダ・リン)は、(上海社會檔案)、(女賊)等の女傑ムービーに連続で主演し、
日本でも(ピンクウォリアーズ)やマギー・チャンと共演した(客途秋恨)等で知られていますが、2023年製作の(本日公休)で、20年以上ぶりに銀幕に復帰しています。
因みに2023年の大阪アジアン映画祭で上演され、来日も果たしています。
で、宿敵とも言える裕福な暴行犯を演じているのは、(少林寺三十六房)や(続少林寺三十六房)、(嵐を呼ぶドラゴン)等のカンフー映画から、
(ブラッディナイト)(詳しくはこちら)等の台湾製サスペンスまで、多くの作品で活躍しているワー・ルンで、
爽やかなイケメンでありながらも、本作では鬼畜な役柄を演じています。
で、前半で、ワー・ルンに襲われ復讐を誓うモデル役で、(霊幻追鬼)や、ツイ・ハーク監督の(蝶変)等に出演しているツイ・シウリンが登場し、
セクシーな誘惑からの復讐、という変化のある役柄を演じています。
で、前半は主人公とラブラブながらも、後半は主人公を見捨てる冷酷な婚約者を演じているのは、恐らく今も昔も権利的にNGな、
台湾製作実写版(北斗乃拳)等のリチャード・チュイで、優しそうに見えて酷い婚約者を演じています。
で、本作日本では悪名高きニコイチ映画で有名なフィルマーク社系列のIFDフィルムズが、英語に吹き替えた海外輸出バージョンでVHS化されていて、
製作年度も1985年、スタッフにもジョセフ・ライや、ゴッド・フリーホー等のお馴染みの製作者の名前が偉そうに表記されますが、
勿論オリジナルの映像の製作に携わってはいませんので、権利を獲得して英語に吹き替えて、
もしかすると一部のシーン等をカットして、等のちょっとした手を加えるだけの作業に対して、製作総指揮と表記してしまう、という相変わらずコスい製作者ぶりを発揮しています。
ただ、本作に関してはニコイチではないようで、しっかりと最初から最後まで1本の映画(当たり前ですが)となっていますので、
そういう意味では、節操なくリリースしてくれたおかげで、日本でも本作を鑑賞する機会に恵まれたとも言えそうです。
で、そんな本作の物語は、これがかなり尖った方向にシンプルで、冒頭で、ツイ・シウリン演じる奔放なモデルキャロルが、
人気の無い山奥で、CM撮影をしていたら、自分の思うような撮影では無かったので、撮影をボイコットして一人で帰ると言い出すところから始まります。
で、歩いて帰るのかと思いきや、途中で通りかかった車を気軽にヒッチハイクし、その車の運転手である初対面のワー・ルンと二人きりの中、
服が汚れたので、目の前で着替えだし、色気を帯びた眼差しをワー・ルンに向けると、ワー・ルンがギラギラの眼差しを向けてくる、
という、奔放な女性キャラクターの奔放な生活ぶりを描く物語かと思いきや、いきなり逃げ惑うシーンになり、そのまま河原に逃げて、
その辺を転げまわってドロドロになりながら、結局襲われきってしまう、という、その先がどのような方向に進むのか、予測できないような展開から始まります。
で、その直後に、いきなり法廷シーンになって、銀行を経営する裕福なワー・ルンと奔放なモデル、ツイ・シウリンが争っている場面へと移ります。
大事な要素をかなり端折って極端にシンプルになっていますが、要するに犯人探し等は本作では二の次で、
虐げられた女性が、法廷で真実を訴えながらも、自身の正統性は一切聞き入れられず、逆に辱めを受ける、
という、法律では裁けない悪(本作では男性全員)を際立たせる物語が進行していきます。
で、その事件を取材しているのがルー・シャオフェン演じる記者で、ワー・ルンに取材攻勢をかけていきます。
で、勿論、煙たいワー・ルンは、ルー・シャオフェンにも欲望の矛先を向ける、という感じで、被害者を取材していた記者自身が、
被害者となっていき、やがて法で裁けぬ悪を、問答無用にその手にかけていく、というのがメインの展開になっていきます。
全体的な展開としても邦題が示すように、カルト作品(悪魔のえじき、発情アニマル、アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ)のような女性によるリベンジムービーで、
前半で虐げられた主人公が、倍返しどころではないぐらいに逆襲していくのが、見所で、その逆襲が過激であればある程に盛り上がる、
というタイプの見世物的な興味を引く内容となっています。
ただ、本作、その虐げからの復讐、という大筋を、物語展開よりも、虐げと復讐を最優先に描いていますので、
とにかく全編、女性が逃げて、ゴロゴロ転がって、服が破けながらドロドロした場所に逃げて行き、またそこでゴロゴロ転がりながら叫ぶ、というシーンが延々と流れます。
もっと言うと、虐げそのものよりも、そのゴロゴロドロドロ(それも勿論虐げではありますが、、)の部分にかなりの時間がかけられています。
その後のリベンジ展開で標的を串刺しにしたり、標的の弁当に厭なものを入れたり、という数倍返しをしていきますが、
その後に、さらに標的からの逆襲で、またゴロゴロと汚れる場所で襲われたり、を割と長時間繰り返します。
そういう映画だと言ってしまえばそれまでですが、前半は丁寧に描かれていたドラマが、いざメイン展開に入ると一切繊細さは無くなり、
延々と主人公が泥だらけになっているシーンだけがゆっくりと繰り返される、というある意味、かなり尖った作品となっています。
※↓ここからは、物語のエンディングに触れていますので、ご注意ください↓※
リベンジシーンも悪党グループの下っ端に倍返ししている展開は痛快なシーンもあるのですが、最終的な悪党一直線のワー・ルンとのラストバトルでは、
クライマックスの一番良い所で、まさかの警察が乗り込んできて、主人公が逮捕され、エンディングは終身刑を言い渡されて終幕する、
という消化不良映画の見本のような終わり方となっています。
因みに、ワー・ルンは警察が乗り込んで来たおかげで助かってしまいます、、、。
という事で、いろんなモヤモヤの残る作品ではありますが、2023年に電撃カムバックしたルー・シャオフェンの若き魅力は沢山詰まっている作品となっていますので、
新作をご鑑賞された方や、リベンジムービー好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1981年製作 台湾製作 サスペンス
監督 ヤン・チアユン(カレン・ヤン)
出演 ルー・シャオフェン(フォンダ・リン)、ワー・ルン、ツイ・シウリン、リチャード・チュイ
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