おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
サリー・イップにヤン・ホイサン、シャー・クワンリにリュウ・ハオイ、さらにユエン・チュンヤンにチョイ・シウキョンと香港・台湾系のスター豪華共演で描く、痛快感はちょっと薄めの機密文書の争奪戦!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、香港・台湾のスターが豪華共演したドタバタアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ニューヨークのオムニテックス社から重要機密書類が盗まれた。
犯人は香港を根城とするドンキー率いるギャング団だった。
その書類を香港の犯罪組織、インベストメントに売り付けようとするドンキーだったが、そこに謎の文化団体カルチャークラブも加わり、三つ巴の争奪戦が開始される!?
台湾・香港系の多くのキャストが豪華共演したドタバタスパイアクションです。
監督は(新アリババ魔法大冒険)(詳しくはこちら)のチェン・チュンリャンですので、ドタバタ娯楽劇風味の濃いアクション作品となっています。
本作の一番の魅力は、その豪華過ぎるキャスト陣ですが、まずは主役のドンキー役に(簡単な)老けメイクで挑んでいるのは、
(ドラゴン特攻隊)や(女帝軍団アマゾネスウォリアーズ)(詳しくはこちら)等でのコメディ演技で人気のシウ・プリャオで、
本作では、いつものようなベタでどぎつい顔芸ではなく、ちょっと引いた雰囲気で若干渋めにミステリアスな主人公ドンキーを演じています。
で、そのドンキーの一番の部下(一番目立っているので)役で、(妖怪道士)(詳しくはこちら)(妖怪道士2)、(ドラゴン酔太極拳)(詳しくはこちら)等のユエン・チュンヤンが出演し、
アクションに関しては一番目立って、見せ場を攫っていきます。
さらに、中盤、敵に囲まれた状況で、トイレに隠れて得意のおばあさんの恰好で再登場して、上手く追撃をかわす、
というセルフパロディのようなシーンまで披露しています。
さらに、そのドンキーギャング団の目立たないメンバーの一人にまさかの老けメイクで、初老の女性ぐらいに扮した(女少林寺)(詳しくはこちら)等のリュウ・ハオイが登場し、
少な目ではありますがしっかりとしたアクションを披露しています。
良く見ないと、全然リュウ・ハオイだと気付きませんが、、、。
で、機密書類をドンキーギャングと奪い合う犯罪組織のボス役を、(燃えよデブゴン7鉄の復讐拳)(詳しくはこちら)や、(ヤングマスター師弟出馬)、(ツーフィンガー鷹)(詳しくはこちら)等の
カンフー作品で知られる、ファン・ムイサンが堂々の貫禄で演じています。
そして、そのファン・ムイサンの部下役を、ジャッキーの(クレージーモンキー笑拳)や(至尊威龍)(詳しくはこちら)や(新白蛇伝)(詳しくはこちら)等の台湾系カンフー作品の
コメディ・リリーフとしてお馴染みのリー・クンが演じ、コミカルな一面を盛り上げていきます。
その犯罪組織と敵対する組織のボスとして登場するのは、キン・フー監督の名作(大醉侠)や(ドラゴン特攻隊)にも出演しているチェン・ホンリーで、
シリアスになったり、コミカルになったり、と状況によってころころと変わるマフィアのボスを好演しています。
そして、そのボスの息子で、ちょっとヌケた感じの危なっかしいキャラクターを、ジャッキーの(少林寺木人拳)や(キラードラゴン流星拳)、
メン・フェイ主演の(酔八仙拳)(詳しくはこちら)、ジュディ・リーの(女煞星大鬧烏龍院)(詳しくはこちら)等のカンフー作品で知られるルー・イールンが演じ、物語を展開させていきます。
で、このルー・イールンに一目惚れされるライバル会社の秘書(?)役を、サリー・イップが演じ、騒動を巻き起こす会場の責任者的な立場役のヤン・ホイサンと共に、
メインの活躍でないものの、物語に華を添えていきます。
で、さらに、このメインの3組に絡んでいくような形で、騒動を捜査する警察の警部役で、(ドラゴン特攻隊)や(悪漢列伝)(詳しくはこちら)のフォン・チェンが登場し、
毎回散々な目に合う、というお得意の役柄で笑いを誘っていきます。
で、さらにさらに、過去にドンキーに何らかの恨みを持つ殺し屋役で、(中華道士)(詳しくはこちら)や、近年でも(少林寺無敵の鉄線拳)(詳しくはこちら)等で、
長く香港映画界で活躍しているチョイ・シウキョンが登場し、後半にかけて大活躍していきます。
さらにオマケのような登場の仕方ですが、後半ギリギリになって(カンフーシスター麗竜拳)(詳しくはこちら)等のシャー・クワンリが登場し、こちらも少しだけですがアクションを披露しています。
そして、本作の日本版VHSジャケットではまるで主人公のように扱われている重要(でもないですが、、)な役柄で、
007シリーズのジョーズ役や、(キャノンボール2)のジャッキーの相棒役でお馴染みのリチャード・キールが登場し、
メンバーと激闘を繰り広げていきます。
このもの凄い豪華キャストが一番の魅力の本作ですが、これが残念ながら他の台湾製のドタバタアクションのような痛快度は薄く、
それぞれのキャストも持ち味を十分活かせているとは言い難いような登場の仕方ばかりですので、いまいち盛り上がりそうで盛り上がらない、という展開の連続となっています。
アクションも、ユエン・チュンヤンが登場してアクションを披露するシーンは、どのシーンも楽しめますが、
それ以外のシーンは、比較的盛り上がらずに、メインはアクションよりも機密書類をいかに騙してゲットするか?
という騙し合いのやり取りが描かれていきますので、登場人物の多さと裏切りの繰り返し、騙し合いの繰り返しで、
中盤ぐらいまでくると、どの人物がどのチームに所属しているのかも混乱して判断できなくなってしまいます。
その合間のアクションもいまいち盛り上がらず、という感じで、後半には痛快などんでん返しもあるのですが、
パッとしない雰囲気を盛り返すまでには至らず、さらにハッピーエンドと思ったら、最後の最後にリチャード・キールがラスボスとして登場し、
リチャード・キール一人に対して7人で戦う、という7VS1という流石に、強敵感を演出するにはあまりに無勢に多勢なラストバトルとなっていて、
決着の付け方も、縛ったリチャード・キールを海に落としてボートで引っ張り回す、というなんとも言えないエンディングに痛快感はさらに下がってしまう終幕となっています。
個人的には、サリー・イップの(アマゾネスコマンドー)(詳しくはこちら)のような痛快アクションガールぶりや、
リュウ・ハオイとシャー・クワンリの実際に動けるレディドラゴンの痛快アクションをほとんど見れない扱いぶりが、
一番残念なポイントだと感じてしまいました。
アクションシーンが存在して、動ける女性スターがキャスティングされているのに何故?というキャスティングです、、。
というか、シャー・クワンリはまだラストで艶やかな恰好で再登場するので良いのですが、リュウ・ハオイに至っては、
老け役メイクをして変装しているエージェントぐらいに思っていたら、最後まで老けたままで、本当に初老の女性としてキャスティングされている、という製作陣の判断が、全く理解できません、、。
という事で、色々と残念な面もある作品ですが、これだけの豪華キャストが揃う作品もなかなかありませんので、
香港・台湾映画好きの方や、アクション映画好きの方等ご鑑賞されてみては、いかがでしょうか。
因みに、日本でリリースされたVHSは英語圏でのリリースや公開が意識されていたのか、英語の歌詞で歌う『もぉぉぉう、、、ぶ、ばすたぁぁぁず』という雰囲気たっぷりの主題歌が挿入されている
バージョンで、全編英語に吹き替えられている、という点も盛り上がりに欠ける点となっているかもしれません。
雰囲気を例えるなら、ニコイチ作品で有名なフィルマーク社の忍者映画群のような、感情のこもっていない吹き替え英語声優による棒読み台詞、という感じで、
演技をしている、というより台本を音読している
ようにしか思えないのが残念です。
作品情報
1983年製作 台湾製作 アクション
監督 チェン・チュンリャン
出演 サリー・イップ、ヤン・ホイサン、ユエン・チュンヤン、リチャード・キール、チェン・ホンリー、ファン・ムイサン、チョイ・シウキョン、リー・クン、シャー・クワンリ、リュウ・ハオイ、シウ・プリャオ、ルー・イールン、フォン・チェン
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