【レア作品!香港映画】妖獣大戦(衛斯理之老貓THE CAT)100分

投稿者: | 2023年9月19日

おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

(孔雀王)のラン・ナイチョイ監督が再びヒロインにグロリア・イップを起用し、日本版には赤井英和も出演している特撮アクション作品!!

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作品紹介

日本劇場未公開

別題 猫 NINE LIVES

今回ご紹介する作品は、香港と日本が合作で製作した特撮アクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

恋人の誘いで新規オープンの美術館を訪れたウェイは、そこで謎めいた少女と老人と黒い猫を目撃する。

しかし、その夜その美術館に展示されていた八角器という土器が強奪され、そかも、警備員が惨殺される事件が発生し、

目撃者の証言から、ウェイが目撃した少女と老人が第一容疑者となり、担当刑事のウォン警部と共にウェイも捜査に協力する事になるのだった。

しかし、手がかりを探るうちに、この付近で撮影された写真に少女と老人が映り混んだ写真を発見するが、その写真は30年前の写真だった事で、事件の謎は深まっていくのだった!?

香港の人気作家ニー・クワンの人気小説(ウェズリーシリーズ)を原作とした香港、日本合作の特撮アクション作品です。

ウェスリーシリーズ)は他にもチョウ・ユンファ主演の(セブンスカース)やジェット・リー主演の(冒険王)(詳しくはこちら)、

アンディ・ラウ主演の(ブルーエンカウンター)、サミュエル・ホイ主演の(飛龍伝説オメガクエスト)(詳しくはこちら)等、

本作以外でも様々な原作シリーズが映像化されています。

で、本作以前にも日本と香港で合作で製作された(孔雀王)シリーズと同じように、香港公開版と日本公開版が同時に製作されている作品で、

共通するシーンとそれぞれでオリジナルになるシーンとが存在し、香港版の主人公であるウェイスリー役を(男たちの挽歌)、(シティー・オブ・フューリー)等のレイ・チーホンが演じ、

日本版の主人公ウェイスリー赤井英和が演じる、という変化球なキャスティングとなっています。

ただ、(孔雀王)の場合、主演の二人が日本版と香港版で主役と準主役が入れ替わる、という程度の変更ですので、

どっちにしても主演の二人はほとんど画面に映っているので共通部分が多いですが、本作の場合一人の主人公を別俳優が演じる、

というなかなかの難題となっていますので、日本版で主人公を演じている赤井英和は必然的に独り言を言ったり、

独り相撲をするシーン等が多く、説明もかなり不足していますので、全体を通してかなり違和感を感じるような物語展開となっています。

簡単に言ってしまうと、赤井英和演じる主人公は、ずっと関西弁で独り言を言っていますが、名前はウェイ、つまりウェイスリーですし、

冒頭でヘリコプターの操縦をしているシーンがあっても、特にそれ以降のシーンでは仕事をしているシーンは登場しませんし、

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なんとなく付き合っている人のヒモのようにも見えますし、夢にグロリア・イップが出てくる理由の説明もありませんし、

何故、それほどグロリア・イップの事件にのめり込むのかも分かりませんし、その後の戦いに命がけで参加する理由も、

クリマックスで突然嫌がるグロリア・イップを思いっきり抱きしめて抱え上げる理由もさっぱり分かりません。

極端に言うと、何者が、何をしたくて、何故そんな事をするのか?1から10までさっぱり分かりません。

それも、全て、恐らく資金集めのために日本版を別に無理矢理製作してしまったためだと思われます。

ここまで違和感があるなら、香港版をそのまま日本でも上映すれば良いだけのような気もしますが、どうでしょうか。

孔雀王)と似て非なる部分は、香港版と日本版の両方のバージョンを製作しながら、しっかりと日本版だけで一つの作品として成立していた(孔雀王)と、

本作のように香港版ありきで、その共通して使用できるシーン+日本版用の追加撮影のような継ぎはぎ感のある本作との違いが、

本作の日本版が一般劇場公開さえされなかった理由ではないでしょうか。

そんな両方の総監督を務めるのは(孔雀王)シリーズをヒットに導き、本作と同じく(ウェイスリーシリーズ)の(セブンスカース)や、

日本のバイオレンス漫画の実写化(力王)等の特撮系アクション作品で手腕を発揮していたラン・ナイチョイで、

本作でも特撮魂溢れるアクションを演出しています。

ラン・ナイチョイ

物語の鍵となる謎の少女役で、(孔雀王)シリーズにも出演し、(ミスティー)(詳しくはこちら)や(チェイス・フロム・ビヨンド)(詳しくはこちら)等、

当時絶大なアイドル人気を誇っていたグロリア・イップが登場し、可憐な少女を魅力的に演じています。

グロリア・イップ
グロリア・イップ

で、グロリア・イップが行動を共にする老人役で、(少林寺武者房)や、(酔馬拳クレージーホース)(詳しくはこちら)等のカンフー作品でお馴染みの

クワン・ホイサンが登場し、物語に深みを与えていきます。

クワン・ホイサン
クワン・ホイサン

で、赤井英和と一緒に事件を追う警察官役で、(タイムソルジャーズ)や(ハリケーンコップ)(詳しくはこちら)、

ゴッドギャンブラー2)等のシン・ラップマン(パル・シン)が珍しく善人役で登場し、意外な魅力を披露しています。

シン・ラップマン(パル・シン)
シン・ラップマン(パル・シン)

で、主人公の彼女(大金持ち)のボディガード役で、(五毒拳)(詳しくはこちら)や、(忍者外伝)(詳しくはこちら)等のアクション派フィリップ・コクが登場し、

モンスターに襲われて自身もモンスター化するという意外な役柄を演じています。

フィリップ・コク
フィリップ・コク

そんな異色のスタッフ・キャストが結集した本作は、ヘリコプターの操縦士ウェイが、大金持ちの彼女(という事は知らなかったようですが)に誘われるままに美術館開館パーティに出席し、

そこで開かれている個展の【八角器】という展示物が盗まれる、という事件に遭遇するところから本筋に関わっていきます。

で、ウェイには何か第六感のようなものがあるようで、他人には見えない(多分)謎の少女の姿が見えたりします。

で、その少女と同じく黒い猫と老人も見えたり消えたりしますので、その事件にはその2人と1匹が深く関わっている、という流れになっていきます。

で、そういう事なら捜査に協力して欲しい、という事で、シン・ラップマンとバンディを組んでいく事になります。

で、なんだかんだと捜査を進めると、このバディではなく、部下の一人が30年前の写真を持ってきて、ここに映っているのが探している2人と1匹ではないか?

と突然証拠写真が登場します。

どこで見つけてきたか?等の謎は置いておいて、とりあえず似てはいても、流石に30年前の写真と姿が全く変わらないので、シン・ラップマン刑事は、

逆に部下をどやしつけますが、横にいた関西バディは、その写真が本人達だと確信します(根拠はありませんが、、、)

で、そういう事なら、という事でその写真に写っている少年が、今もその場所の住職(お寺なので)としてその場所にいるので、

証言を聞きにいくと、まさかのその時のことを覚えているという物凄い記憶力で、その時にその寺に二千年間行方不明だった御神体が戻った、という事件があった事を教えてくれます。

で、その御神体の写真を見てみると、、、、、

という感じで、2人と1匹が30年前にも同じ姿で盗難事件に関わっている事が分かってくる、という感じで、本題へと入って行く事になります。

大筋としては、この八角器を求める2人と1匹と、それを阻止しようとするモンスター、そして、その一行を追うバディ、

という三つ巴のチェイス展開が見所とはなっていきます。

で、この本筋であるはずの日本版のみのバディ展開部分が、かなりの停滞感で、

進んでも進んでも核心にせまらない、という大渋滞に、シン・ラップマンの日本語の吹き替えを担当しているレジェンド声優池田秀一の、

何とも言えない片言イントネーションのゆったり日本語の名演が、名演であるがために停滞感に凄まじい拍車をかけ、

話しても話しても、核心にせまらない、というかなりのゆったり感に、関西弁の独り言が炸裂するというかなりのカオス感に満ちた物語展開となっていきます。

しかしながら、本作、特技スタッフに樋口真嗣監督も参加してる作品で、特撮シーンに関しては素晴らしく、

樋口真嗣監督

合成や特殊メイク、着ぐるみモンスター等、非常に味のある見事な特撮表現が多数登場する展開が多く、

その素晴らしい特撮シーンが、ドラマ部分の停滞感を補っていきますので、特撮シーンだけを目当てに鑑賞しても十分楽しめる内容となっています。

という事で、ご鑑賞される場合は、説明の無い物語展開に挫折してしまいそうになりますが、そこをぐっとこらえて特撮部分に期待を寄せてご鑑賞される事をお勧めします。

作品情報 

1992年製作 香港・日本製作 SFXアクション

監督・脚本 羽仁未央 総監督 ラン・ナイチョイ 製作総指揮 レイモンド・チョウ 原作 ニー・クワン

出演 赤井英和、グロリア・イップ、シン・ラップマン(パル・シン)、クワン・ホイサン、フィリップ・コク(コク・チョイ)、ニー・クワン、チャーリー・チョー

チャーリー・チョーも出てます

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