おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
(グリーンデステニー)でアカデミー賞を受賞したピーター・パウが監督し、絶好調のレオン・カーファイ、グロリア・イップを主演に招いて描くノワールガンアクション、、、、ではなく愛憎ドラマ!!
作品紹介
1993年2月13日公開
今回ご紹介する作品は、レオン・カーファイとグロリア・イップが共演した愛憎ドラマです。
それでは、まずはあらすじから、
イギリス留学中の学生マークとケントは、同じ学校に通うチャーリーに同時に恋するが、チャーリーは実は暗黒街を牛耳るマフィアのボスの養女なのだった。
次第にチャーリーと仲良くなっていく二人に、養父からの敵意が向けられ、ついに命が狙われ始めるが、
危ないところを、チャーリーの運転手兼ボディガード、ハンクに救われるのだった!?
ピーター・パウ監督、レオン・カーファイ主演、グロリア・イップ共演と豪華なスタッフ・キャストによる愛憎ドラマです。
監督は(グリーンディスティー)でアカデミー賞撮影賞を受賞したピーター・パウで、監督作品は(魔界戦記 雪の精と闇のクリスタル)、
ミシェル・ヨー主演の(レジェンド)等少な目ですが、撮影監督(指導)として、(狼/男たちの挽歌最終章)、
(ゴッドギャンブラー)、(テラコッタウォリア)(詳しくはこちら)、(ポイズンガールズ)(詳しくはこちら)等の香港作品だけではなく、
そして、ハリウッド作品の(ドラキュリア)(シューテムアップ)等も手掛ける国際的な活躍を見せています。
主演は、(ドラゴンイン)(詳しくはこちら)や、(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝天地笑覇)(詳しくはこちら)等に出演していた時期のレオン・カーファイで、
本作では、二枚目で、出来る裏社会の男をカッコ良く演じています。
ヒロイン役には、(孔雀王)や(孔雀王アシュラ伝説)、(チェイス・フロム・ビヨンド)(詳しくはこちら)等でアイドル人気を博していたグロリア・イップで、
その後も、日本と香港合作の(大阪プロレス飯店)や、最近作(正義廻廊)にも出演し、元気な姿を見せています。
で、グロリア・イップの義父であり、黒社会のボス役を演じているのは、(男たちの挽歌)で鮮烈な悪役デビューを飾って以来(シティー・オブ・フューリー)(詳しくはこちら)や、
(九龍大捜査線)(詳しくはこちら)等、裏社会の男役を演じる事が多いレイ・チーホンが、本作でもボス役を貫禄たっぷりに演じています。
で、もう一人の大人のヒロイン役で、同時期に、本作のピーター・パウが撮影を担当している(ポイズンガールズ)(詳しくはこちら)や、
レオン・カーファイも出演している(ブラックパンサー)(詳しくはこちら)等に出演している、ン・ガーライが扮し、作品世界を盛り上げています。
という、当時も人気絶頂で、その後の香港映画の名作にも多く関わっていく実力派が結集した本作の物語は、
イギリスに留学にやって来た韓国人青年マークとケントがその規律厳しい学校で、グロリア・イップ演じる天真爛漫な少女チャーリーと出会い、
2人同時に恋に落ちるが、イケイケのマークに対して奥手なケントは、自分の気持ちを表に出せないまま、2人の仲が親密になっていくのを悲しい表情で見守る、、、、
という初心すぎる甘酸っぱい青春物語として始まります。
で、その青春物語に、グロリア・イップの義父が、暗黒街を牛耳る、お待ちかねのレイ・チーホンで、
部下であるレオン・カーファイをボディガード兼送り迎えとして配置し、心優しいレオン・カーファイ自体は、グロリアに寄り添って味方しているが、
レイ・チーホン自体の異常性が少しづつ見え始める、、、
という感じで、学園恋愛ドラマとノワールドラマが融合された物語設定となっていきます。
で、暗黒街が舞台になって、レイ・チーホンが登場する作品で、レイ・チーホンがそのまますんなり大人しくしているはずもなく、
物語が進むにしたがって、養女であるはずのグロリアに向けられる視線が怪しくなっていきます。
で、仲良くしているマークとケントにも、嫉妬心のような敵意が向けられ、、、、
という感じで、若者達3人による純粋な青春恋愛展開と、黒社会のボスの屈折した愛憎が重なり、
そこに、レイ・チーホンとの間に過去に恩義のあるレオン・カーファイと、レイ・チーホンの恋人(か婦人候補)であるン・ガーライとの許されぬ恋、
という3種の愛憎が絡まって、レイ・チーホンの大暴走を中心に、一つの物語としてまとまっていく事になります。
ストーリー展開はこの愛憎ドラマがメインではあるのですが、流石にピーター・パウ監督作品らしく、非常に映像に凝っていて、
カメラもぐんぐん動きますし、登場人物は、カッコ良さげな位置で、カメラに映りこみます。
PV?と思えるようなやり過ぎ感も若干漂いますが、当時の香港映画において、全編海外ロケを慣行し、
主要メンバー以外は外国人キャストも登場(エキストラ的なですが)し、オシャレな風景をバックに、オシャレな雰囲気の漂う世界観で通している珍しい世界観の作品ですので、
この際、少し過剰なぐらいが、調度良いのかもしれません。
ただ、本作、恐らく意識的にだとは思われますが、あくまでガンアクションのジャンルに収まるような展開にはならずに、
黒社会が舞台で、緊迫した展開もあり、銃も登場するのに、決してそのままガンアクションが展開されることはありません。
銃も撃ちはしますが、2,3発撃って終わり、という感じの、ガンアクションとは呼べないようなシーンですので、
恐らく鑑賞している人のほとんどが、盛り上がりそうで盛り上がらない、という消化不良感を感じてしまうかもしれません。
流石にレイ・チーホンとレオン・カーファイが銃を向け合うクライマックスぐらいは、ガンアクションが合っても良かったと思うのですが、どうでしょうか。
日本版のVHS販売メーカーによる、苦肉の策のアクション映画風ジャケットが逆説的に内容を物語っています、、、。
という事で、海外を舞台に、ノワール風の世界観に近い内容ながらも、ガンアクション等は無く、愛憎ドラマが展開される、
当時としては珍しいジャンルの、後のアカデミー賞撮影監督ピーター・パウの監督作品となっていますので、
香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1992年製作 香港製作 アクション
監督 ピーター・パウ
出演 レオン・カーファイ、グロリア・イップ、レイ・チーホン、ン・ガーライ
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