おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
麻薬組織捜査のために女性捜査官たちが借りたマンションが、悪霊の住家だった事で巻き起こる騒動を描いたサンドラ・ン、アン・ブリッジウォーター等(機動女警察ハリケーンコップ)と同スタッフ・キャストに、チョン・マンを加えたシリーズ第二弾!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、サンドラ・ンやビリー・ロウ主演のゴーストコメディアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
犯罪組織を捜査するため、取引相手に変装した香港警察の女性刑事サンドラ率いる4人の刑事は、取引現場に、あるアパートを借りて、そこに組織の一員であるマディーを呼び出す。
しかし、そのアパートは、実は有名な幽霊アパートで、取引を進めようとする刑事たちに様々なゴーストが襲い掛かるのだった!?
まず本作、(チャイニーズ・ゴースト香港の幻)というハリウッド作品にあやかった邦題はさておき、原題が非常にややこしいので混乱しますが、
公開される地区によって(猛鬼大廈)と(魁星踢斗第二集)という二種類の原題が存在ますが、日本でもリリースされたジェッキー・チュン、リッキー・ホイ共演の(バンパイアコップ原題 猛鬼差館)が、
(魁星踢斗)というタイトルで公開された地区があり、似た内容の本作が、その(バンパイアコップ)のシリーズ第二弾として公開された地区があったために、
(魁星踢斗第二集)という別題が付けられて公開された地区があるようです。
ですので、(バンパイアコップ)には正当な続編(バンパイアコップ2原題 猛鬼額堂)が存在しますが、そちらと本作も全く無関係の作品となっています。
さらに、英題も(THUNDER COPS)と(OPERATION PINK SQUAD2)の二種類存在し、こちらは、(機動女警察ハリケーンコップ 英題OPERATION PINK SQUAD)の第二弾として
海外様に配給された事もあったようです(VHSやDVD等のみかもしれませんが)が、確かに同スタッフ・キャストによる第二弾ではありますが、内容的は関連性の無い作品となっています。
ですので、中国語題と英題で、バラバラの作品の続編として表記される、というタイトルも、(楽園の瑕)のウォン・カーワイ監督の撮影が一向に進まないため、
集められた豪華スターを使って、急遽製作者であるジョフ・ラウが指揮を執って、ササっと撮影した(大英雄)を、大ヒットさせてしまう、
という逸話を持つ、THE香港映画人なジェフ・ラウ監督らしい作品となっています。
さらに、ややこしいのは、本作の半年後に公開されたサンドラ・ンはじめ本作と同スタッフ・キャスト、
そしてチャウ・シンチーが一部出演している(サンダードラゴン)の英題が(THUNDER COPS2)と本作の第二弾のような英題が付いていますが、
こちらも同じスタッフ・キャストによる、別世界観の物語となっていますので、特に本作を鑑賞していなくても理解できる内容となっています。
因みに、1989年製作の本作以降、1996年に製作されたニッキー・ウー主演の(男たちの挽歌 烈火之章)の原題が(THUNDER COP)と、
本作の原題を単数形に変更しただけの英題が付けられていますが、勿論、本作とは全く無関係の作品です。
ややこしいですね、、、。
で、そのTHE香港映画人、な監督は(カンフーサイボーグ)や(チャイニーズオデッセイ)等のジェフ・ラウで、本作でも、実に香港映画らしいドタバタアクションを演出しています。
主演の女刑事役には、(レディスクワッド)(詳しくはこちら)や(ちびっこキョンシー危機一髪)(詳しくはこちら)等の
名コメディエンヌ、サンドラ・ンで、本作でもいつものような明るいズッコケキャラクターを好演しています。
で、その夫役で、(霊幻道士)(詳しくはこちら)や(スーパーティーチャー)(詳しくはこちら)等のビリー・ロウが登場し、
多くの作品で共演しているサンドラ・ンとの名コンビぶりを発揮して行きます。
で、サンドラ・ンと同じ部署の同僚刑事役で、(フルコンタクト)や(カリー&ペッパー)(詳しくはこちら)等の
アン・ブリッジウォーターが登場し、本作でも元気で可憐な魅力を振りまいています。
で、同じく同僚の刑事役で、(霊幻道士7ラストアクションキョンシー)(詳しくはこちら)や(ハイリスク)等の
クワン・サウメイ(スーキー・クワン)が登場し、元気な魅力を振りまいています。
で、同じく同僚の新人刑事役で、(チーズとハム)(詳しくはこちら)や(天空伝説ハンサムシビリング)(詳しくはこちら)等の
チョン・マンが登場し、フレッシュな魅力でドタバタに参加して行きます。
で、刑事たちを率いる上司役で、(霊幻道士2)や(ハートビート100)(詳しくはこちら)等、多くの作品でバイプレーヤーとして活躍しているウー・ファンが登場し、
本作では、珍しくメインメンバーとして作品を盛り上げていきます。
で、悪霊たちと戦う道士(法師)役で、(少女戦士`88)(詳しくはこちら)や(妖怪道士)(詳しくはこちら)等の
ユエン・チュンヤンが武術指導兼任で登場し、素晴らしいアクションを披露しています。
で、麻薬組織の構成員役で、(ジョイウォンの時空伝説)(詳しくはこちら)や(少女隊HOW ARE YOU MY FRIEND)(詳しくはこちら)等の
シン・フイオンが登場し、本作ではコミカルな一面を発揮し、作品世界を盛り上げています。
で、主人公達に襲い掛かる女ゴースト役で、ユン・ピョウ主演の(オン・ザ・ラン)やロザムンド・クワン主演の(エロティック・ヘヴン鶯花楼)等の
チェン・チョイメイが登場し、同騒動を巻き起こしていきます。
で、主要メンバーとの関りはあまりありませんが、格闘アクションシーンでの出演で、(シックスストリングスサムライ)や(香港レディレポーター)等の
ジェフリー・ファルコンが登場し、素晴らしいアクションを披露しています。
そんなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、日本人が絡む犯罪組織の取引現場に、ウー・ファンやジェフリー・ファルコン演じる香港警察特捜隊が突撃するシーンから始まります。
ジェフリーは完全なアクション要因ですので、ほとんど台詞も無く、犯罪組織員との激闘が暫く描かれます。
出だしから結構な超絶アクションの連続ですので、このままアクション路線が展開されるのかと思いきや、
とりあえず一息ついた後は、組織を撲滅するための囮捜査にサンドラ・ンとアン・ブリッジウォーター、クワン・サウメイ、チョン・マンが選ばれ、逮捕した女性犯罪者としてホステスに変装し、
香港の犯罪組織員であるシン・フイオンに接触する、、、という完全なコメディ100%展開へと突入していきます。
で、シン・フイオンと取引を進めるための現場としてあるマンションの一室を借りるのですが、そのマンションが、まさかの幽霊マンションで、
既にユエン・チュンヤン法師によって、悪霊退治が実行されていますが、あまりの悪霊の多さに手が回らない、というレベルの地獄のマンションとなっています。
で、そんなところへ、ウー・ファン部長と4人の女性捜査官がやって来ますが、サンドラ・ンとウー・ファンが浮気していると勘違いした別の部署の刑事で夫でもあるビリー・ロウが、
ずっと勘違いしながら作戦を邪魔し続ける、という流れで、無関係のビリー・ロウも騒動に加わっていきます。
で、いよいよシン・フイオンとの取引が始まると、今度は、悪霊のボスのようなチェン・チョイメイが暴れ周り出し、
メンバーに襲い掛かりつつ、ユエン・チュンヤンも戦いに参加する、という実に香港映画らしい、ジェフ・ラウ監督作品らしい、
ドタバタに次ぐドタバタ、脱線に次ぐ断線が痛快なコメディアクションとなっています。
本題であるドタバタに入ってしまうと、犯罪捜査という要素(一応偽札の原版をやり取りするという要素は残ってはいますが)は、
いつの間にか消えてしまい、目的も薄まってしまいますが、それでもなんとなく強引に押し切ってしまえるのが、ジェフ・ラウ作品の特徴となっています。
(大英雄)や(チャイニーズオデッセイ)等もそうですが、むしろ、この脱線ドタバタこそがジェフ・ラウ作品の真骨頂という感じで、
楽しい雰囲気に包まれ、他の作品でもそうですが、演じているキャストが、とにかく楽しそうに役柄と、ドラバタシチュエーションを演じていますので、
鑑賞している側も、ばかばかしいとは思いながらも、楽しい雰囲気に浸れるようになっています。
そのドタバタの合間に、本作では武術指導としても参加しているユエン・チュンヤンのアクションと、冒頭と中盤で登場する
ジェフリー・ファルコンの超絶アクションが挿入され、一応ジャンル的にはホラー要素もありますので、
チープ系のアナログ特撮も楽しめる、というジャンルさえも刑事アクション、ホラー、コメディと境界線を越えて断線する、
という非常に娯楽度の高い作品となっています。
もう少し、ジェフリー・ファルコンパートと本筋が絡んで、犯罪捜査の物語の進展が描かれて行くような、一本の筋の通ったストーリーがあれば、
作品の世界観にもっと引き込まれて行きそうではありますが、軌道修正するとジェフ・ラウ作品の良さも薄まってしまいそうですので、
ある意味、
ツッコミどころ満載な未完成な状態こそが、ジェフ・ラウ監督作品の完成形
ではないかと思われます。
という事で、脱線ドタバタがメインで、物語的にはあまり展開の少ない作品ですが、当時の香港映画の楽しい雰囲気は十分味わえる作品ですので、
香港映画好きの方や、コメディ愛が好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1989年製作 香港製作 ゴーストコメディアクション
監督・脚本 ジェフ・ラウ 武術指導 ユエン・チュンヤン
出演 サンドラ・ン、ビリー・ロウ、アン・ブリッジウォーター、チョン・マン、クワン・サウメイ、ウー・ファン、ユエン・チュンヤン、シン・フイオン、チェン・チョイメイ、ジェフリー・ファルコン、チャーリー・チョー、ヘレナ・ラウ
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