【レア作品!香港映画】サンダーボルト如来神掌(摩登如来神掌KUNG FU VS. ACROBATIC)99分

投稿者: | 2023年10月26日

おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

古くから映画化・テレビシリーズ化されている(如来神掌)を1990年当時の最先端のSFX技術を使ってアンディ・ラウ、ジョイ・ウォン主演で再映像化したバリー・ウォン脚本のハチャメチャ作品!!

作品紹介

日本劇場未公開作品

今回ご紹介する作品は、アンディ・ラウジョイ・ウォンが豪華共演したSFXコメディアクションムービーです。

それでは、まずはあらすじから、

中国の奥地に出張を言い渡されたフェイとチーだったが、その地で人気のない洞窟に迷い込んでしまう。

そこで、偶然見つけた教本通りに身体を動かすと、何者かの封印を解いてしまい、不思議な力が身に着くのだった。

その不思議な力を狙って封印を解かれた悪の戦士と不思議な力を守る姫とその侍女が復活し、フェイとチーも戦いに巻き込まれていく!?

これまで何度も映画化、テレビドラマ化、漫画化、小説化されてきた題材を現代に舞台を移したSFXアクションコメディ作品です。

監督は、1982年製作の同じ物語をコメディではなく真面目に武侠アクションとして製作した(カンフーウォーズ如来神拳)や、

本作のアンディ・ラウチョウ・ユンファが主演した香港ノワール(愛と復讐の挽歌)等のテイラー・ウォンで、本作ではコメディ演出全開で、スッコケアクション世界を描いています。

テイラー・ウォン

主演のアンディ・ラウは、本作のテイラー・ウォン、チャールズ・ヒョン、バリー・ウォンが製作した(カジノシンジケート)(詳しくはこちら)や、

豪華スター出演のジミーさん映画(炎の大捜査線)、(欲望の翼)、(獄中龍)、(ゴッドギャンブラー2)と、

日本でも紹介されているような話題作に出演し続けている大ブレイク時期に出演した作品で、本作に限っては、お気楽感満載の役柄を楽しそうに演じています。

アンディ・ラウ
アンディ・ラウ

で、その相棒役を演じているのは、アンディと同じく(カジノシンジケート)や、バリー・ウォン脚本のバンパイアコメディ(嘩鬼住正隔籬)、オールスター映画(富貴兵團)等、

多くの作品で笑いを振りまいているナット・チャンで、いつものとぼけたお笑いで、コメディ要素を掘り下げていきます。

ナット・チャン
ナット・チャン

で、ヒロイン役で、同年に(紅い愛の伝説)(詳しくはこちら)や、(チャイニーズゴーストストーリー2)、(チェイス・フロム・ビヨンド)(詳しくはこちら)等に出演している時期の、

まさにブレイク真っ最中のジョイ・ウォンが出演し、物語に華を据えています。

ジョイ・ウォン
ジョイ・ウォン

で、ジョイ・ウォンの侍女役で、(カジノシンジケート)や(痩せ虎とデブゴン)等のコメディ演技で人気だったムイ・シウワイが登場し、

主にナット・チャンを相手役にコメディシーンを盛り上げていきます。

因みに、ムイ・シウワイ、英語名はキューティーなので、別名はキューティー・ムイです。

ムイ・シウワイ(キューティー・ムイ)
ムイ・シウワイ(キューティー・ムイ)

で、本作の武術指導でもあり、ラスボス役も演じているのは、(サイクロンZ)や(カンフーハッスル)(詳しくはこちら)、

ハリウッド作’(シャン・チー テンリングスの伝説)(詳しくはこちら)等、長きに渡って香港映画界で活躍するユン・ワーで、

本作の前年製作のユン・ピョウ共演作(タイムソルジャーズ)と同じような時を越えて現代にやって来る悪役を痛快に演じています。

ユン・ワー
ユン・ワー

で、ゲスト的な出演ですが、1964年度版で主人公を演じていたチョー・ダッワーが登場し、ファンサービスながらも、中盤物語を盛り上げます。

チョー・ダッワー
チョー・ダッワー
チョー・ダッワー

で、ユン・ワー攻略の鍵を握る超能力者役で、(チャイニーズゴーストストーリー3)や、(スウォーズマン)等のラウ・シュンが登場し、後半を盛り上げていきます。

ラウ・シュン
ラウ・シュン

という結構なスタッフ・キャストが(カジノシンジケート)と重なる本作の物語は、これまで映画やテレビドラマ、漫画や小説等、

色んなメディアで紹介されてきた人気の武侠物語ですが、本作は、現代に舞台を移し、これまで語られてきた物語が、

実際に過去に起きた出来事として描いていきます。(別な見方では全ての物語の続編とも考えられます)

冒頭で、過去作品の映像が流れます

ですので、基本的には、ナット・チャンアンディ・ラウ演じる会社員のズッコケ日常生活に、過去から復活した美女と侍女、

そして、美女を追う形で復活したユン・ワー演じる暴君の物語が割り込んでくる、という流れがメイン展開となっていきます。

実際の物語としては、かなり香港映画らしい勢い重視な内容で、ザっと説明させて頂きますと、

会社員のズッコケコンビが、中国の辺境地に出張に行く事になり、

お金儲けがしたい二人は密輸で一儲けしようと企みますが、実際に取引相手に会ってみると、模造品を仕入れて香港で売るはずが、

まさかの本物の国宝が登場して、捕まった時の死罪を避けるために逃走、森の中を彷徨っていたら、洞窟に行き当たり、

出口を探していると、如来神掌の力を得る事ができる教本と謎の食べ物を発見し、それを食べた二人は、とんでもない力を身に付け、

そのパワーを使って暴れていると、ジョイ・ウォンキューティー・ムイが封印されていた岩の封印を解き、

さらに勢い余って近くに封印されていたユン・ワーの封印も解いてしまい、復活したジョイ&キューティーと直ぐ仲良くなったズッコケコンビは、

ユン・ワーが復活するまでに遠くに逃げないといけない、という事で、香港に戻り、いずれ迎える事になるユン・ワーとの対決までに、

如来神掌の全ての技を会得するためにジョイ・ウォンに技を伝授してもらう特訓の日々が始まる、、、、というのが大筋となっています。

実に当時の香港映画らしい、行き当たりバッタリな展開ですが、本作、その行き当たりバッタリストーリーを後押しするように、

絶えず香港映画らしいベタべタなギャグが挿入されていきます。

ベタギャグ担当ナットあんど、、、
キューティー!!

大体の流れはナット・チャンがぼけて、アンディが突っ込みつつ被せていく、という感じで、2人が丁々発止を繰り広げていきます。

ギャグ要素と物語展開が同じぐらい重要視されている感じですので、ジョイ・ウォンアンディが共演していながら特にロマンス要素が盛り上がるわけではなく(後半いきなり求婚しますが、、)、

修行シーンもそんなに多くはありません(というより修行シーンさえギャグ優先になっています)し、なんなら暫くジョイ・ウォン自体が登場しなくなります。

何故か、急に映画を撮影している二人、、、。

で、ロマンス要素はキューティーナット・チャンがある程度担いますので、2人のギャグ強めのロマンスは描かれて行く事になります。

で、後半になってくると、いよいよユン・ワーが前面に出だして、香港の街で暴れまわったりするのですが、

ユン・ワーのキャラクターも横暴ではありますが、どこか憎めないような愛嬌も感じる悪役となっていて、そういう部分でもコメディ要素を深めています。

ユン・ワーのカルチャーギャップシーンもあり

この辺の、とにかくお笑い要素と勢い重視のドタバタ展開は、恐らく脚本を担当しているバリー・ウォンのセンスが爆発しているようで、

豪華な俳優陣が、他では色んな賞を獲得しているような作品に出演している人気絶頂期に、本作では、

おしりを蛇に噛まれて、友達のために毒を吸い出すのが嫌なので、その場で友達を辞める、

というギャグシーンを軽快に演じています。

これで、ユン・ワーが武術指導を担当するアクションシーンが超絶系のアクションだったら笑いとギャグの均衡がとれた(五福星)のような感じで良いのですが、

本作は、技の構えをキメるだけで、基本的には合成処理されたビーム等が勝手にアクションを展開してくれるような対決表現(つまりギャグ寄り)で、

武術的なアクションはほとんど無い、という思い切った表現方法となっています。

アクション対決というより、特撮合戦という感じで、しまいには、亀のアニメキャラクター(精霊?)が登場して、

ナット・チャンとちょっとしたアクションを繰り広げる、というファンタジックな要素も色濃くなっていきます。

分かり易く言うと、何でもありな娯楽作、という感じでしょうか。

さらに、対決後、ユン・ワーは何故か急に改心し、ジョイ&キューティーも、そのままどうなったのかも放りっぱなし、

という事件が終われば、エピローグも何もなく、突然閉店ガラガラという感じで終幕となるのも実に香港映画らしいエンディングとなっています。

ナット『向こうで元気でな。』
ユン・ワー『ありがとう、キミたちと別れるのが実につらい』、、、、、、、何故?

という事で、アクション性はそれほど高くはない作品ではありますが、当時の香港映画の勢いだけはしっかりと感じられる作品となっていますので、

ジョイ・ウォンファンの方や、アンディ・ラウファンの方等ご鑑賞されてみては、いかがでしょうか。

作品情報

1990年製作 香港製作 SFアクションコメディ

監督 テイラー・ウォン 製作 チャールズ・ヒョン 脚本 バリー・ウォン 武術指導 ユン・ワー

出演 アンディ・ラウ、ジョイ・ウォン、ナット・チャン、ユン・ワー、チャン・パクチュン、ムイ・シウワイ、チョー・ダッワー、ラウ・シュン

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