【レア作品!香港映画】キング・オブ・ギャンブラー(神龍賭聖之旗開得勝ALWAYS BE THE WINNER)98分

投稿者: | 2023年7月20日

おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

トニー・レオンとレオン・カーファイが本格的に共演した(ゴッドギャンブラー)のパロディギャンブルコメディ!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、トニー・レオンレオン・カーファイが共演した、実に香港映画らしいコメディ作品です。

それでは、まずはあらすじから、

賭神の息子であるシャは、長年のライバルであるヤムと賭博王の座を巡って勝負するが、一回戦はあえなく敗退してしまう。

そこで、中国の天才ギャンブラーと言われる男からギャンブルテクニックを学ぼうと招き入れるが、シャには、才能が無い事が明らかになってしまうのだった!?

1994年2月に香港で公開された、旧お正月映画です。

この時期様に製作された作品は、(逆噴射おもしろ家族)(詳しくはこちら)や、(特撮異星人大騒動)(詳しくはこちら)のように、誰が見ても楽しくなれるような、

皆で、めでたい旧正月を笑って祝う、というような意味合いが強く、大体の作品が、物語終了後に、全員登場して『恭喜發財』と皆で言う、というのが常ですが、

本作も、そんな例に漏れず(ゴッドギャンブラー)のパロディをしつつも、騒動の最後には皆で『恭喜發財!!』で終幕となる作品となっています。

ですので、(ゴッドギャンブラー)絡みではありますが、本格的なギャンブルアクションというより、ギャンブルもの作品を全てパロディ化したような、かなり緩めの物語となっています。

かなりの緩めです。

監督は、前年に本作と同じレオン・カーファイ主演の大ヒット作の続編(黒薔薇VS黒薔薇2)を監督した女流監督ジャッキー・パンで、

本作以降も、本作のトニー・レオン主演、ウォン・カーワイ監督のイップマン映画(グランドマスター)や、

欲望の翼)、(天使の涙)、(ブエノスアイレス)等、ウォン・カーワイ作品のプロデューサーとして大活躍しています。

ジャッキー・パン

主演は、(恋する惑星)と(楽園の瑕)に出演していた時期のトニー・レオンで、あの雰囲気たっぷりの名演を披露していながらも、

本作のようなどうしようもない主人公が活躍する緩過ぎコメディにも出演する、という、実に香港らしさを象徴したような役柄を演じています。

トニー・レオン
トニー・レオン

ダブル主演のレオン・カーファイも、(楽園の瑕)に出演し、翌年にはトニー・オウ監督の(南京の基督)というアート寄りの作品に出演している時期ですので、

本作のやりたい放題な賭博の師匠役は、トニー・レオン同様に香港映画らしさを象徴したようなキャラクターとなっています。

レオン・カーファイ
レオン・カーファイ

そして、トニー・レオンの奥さん役で出演しているのは、ユエン・ウーピン監督の(ファイヤードラゴン)に出演していた時期の名コメディエンヌ、サンドラ・ン

本作では、やたらとトニー・レオンに意地悪される健気な奥さんを好演しています。

サンドラ・ン
サンドラ・ン

で、そんな二人の世話係役で、男性ながらも女性役を演じる、というコメディ作品だからこそ許される配役で登場するのは、

レスリー・チャン主演の(君さえいれば)やミシェル・ヨー主演の(プロジェクトS)に出演していた時期のエリック・ツァンで、

そんなに違和感なく女性役を演じ切る、という芸達者ぶりで、作中全体を通して、空回り気味のギャグが多い中、

エリック・ツァンの登場シーンだけは安定の笑いで、登場するたびに爆笑シーンの連続となっています。

エリック・ツァン
エリック・ツァン

で、トニーがギャンブル勝負を挑まれる憎き悪役ギャンブラー役で、ラウ・チンワン共演の(男たちの挽歌4)や金城武共演の(人魚伝説)に出演していた時期の、

1996年の(欲望の街)でブレイクする前のイーキン・チェンで、雰囲気に似合わない悪役を演じています。

イーキン・チェン
イーキン・チェン

で、さらにトニー・レオンの妹役で、アイドルグループ、開心少女組のメンバーで、(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/天地笑覇)(詳しくはこちら)や、

香港魔界境 死霊の呪文)(詳しくはこちら)(黒薔薇VS黒薔薇2)にも出演しているチャーリーン・チャンが登場し、

そんなに活躍はしませんが、緩い世界観を彩ります。

チャーリーン・チャン
チャーリーン・チャン

そんな、当時一流のスタッフ・キャストが結集したのに、物凄く緩めの本作は、(賭神)の息子、

つまり(ゴッドギャンブラー)でチョウ・ユンファが演じていた賭博の神、コウの息子であるシャ役のトニー・レオンが、

イーキン・チェン演じる賭博王と対戦して、豪快に負けるシーンから始まります。

この冒頭のギャンブル対決が、大きい方が勝ち、というサイコロ勝負で、イーキン・チェンがサイコロの数字の大きさではなく、

サイコロ自体のサイズの大きさで勝利する、という勝敗の決め方で、作品自体の世界観が一目瞭然で理解できる出だしとなっています。

そこからの本筋の展開で、そういう脱力系のギャグがとにかく連発されていきます。

で、大敗を喫したのに、なんとなく屁理屈をかまして、負けた方は腕を切り落とす、という(チャンピオン鷹)並みの物騒なペナルティを脱したトニー・レオンは、

次の再戦までに、なんとかギャンブルテクニックの腕を上げなければいけない、という事で、考え抜いたトニー・レオン、、、、、

ではなくて、奥さんのサンドラ・ンは(トニー・レオンは基本やる気がないというキャラクター)、

中国で有名なギャンブラーであるレオン・カーファイ演じるホイに連絡を取り、

高額な賃金を払って、住み込みで自宅にレオン・カーファイを招き、トニーにマンツーマンでギャンブルテクニックを伝授させようとします。

本作のメインの見せ場は、このトニー・レオンと英名(トニー)レオン・カーファイダブルトニーによる、

秘技を伝授する、しない、秘伝書を盗む、盗ませない、のやり取りで、ホームコメディのようなアットホームなズッコケ合戦が繰り広げられていきます。

その二人のズッコケ合戦に、珍しく比較的真面目な奥さん役のサンドラ・ンと、世話好きのばあやであるエリック・ツァンの意外な過去と活躍、

そして、ぐうたらな妹役のチャーリーン・チャンが合間で絡んでくる、という感じで、取り留めのないズッコケ騒動が繰り返されていきます。

脱力系のお笑い+トニー・レオンが演じているキャラクターの性格的な酷さ(とにかく自己中で奥さんを叩いたり、などが頻繁で、

チャウ・チンチーが得意にしていた、ちょっと意地悪なキャラクターを、もっと感情移入できないぐらいまで進めたようなキャラクター)で、

笑いたくても、笑えない、とにかくサンドラ・ンが気の毒になってしまうような主人公像となっています。

そんな酷めの(キャラクターの)トニー・レオンと、それなりに良い面もあるレオン・カーファイですが、

長めのドタバタの後、クライマックス近辺では、いよいよイーキン・チェンとの再戦の日がやってきます。

しかし、まさかの主役が失踪してしまって、どうしようもなくなった賭神家族は、やむを得ずレオン・カーファイを代役に立てて勝負に挑みます。

イーキン・チェンもそれで良いのか?という感じですが、作品自体がそれで良い世界観ですので、そのまま、主役不在で勝負が展開されていきます。

さて、勝敗は?

カーファイ『へへへ、俺です。』
イーキン『いいぜ。』   ヒョイッ

という所が、クライマックスの見せ場へと繋がっていくのですが、勿論、本作はパロディ作品で、終始トニー・レオンレオン・カーファイから学ぼうとする秘技も、

トニー『賭博の神よ!我に力を与えよ!』

念じてトランプの絵柄を変化させる、

という

トニー『変われ!変われ!』

ギャンブルテクニックというより超能力

という方がしっくりくる勝負となっていますので、基本的には最後の勝負でも、

いや、流石にしつこ、、、、
イッ!!!

手品、インチキ、超能力、

を駆使した迷勝負で、パロディ感、おふざけ感を増していきます。

作品全体が、おふざけ感に満ちた作品となってはいますが、本作が旧正月映画だという事を考えると、

この独特の緩さ、こそが他の時期に製作される真面目な作品にはない、この時期だけの独特な雰囲気に満ちた、

ある意味貴重な作品とも言えますので、香港映画ファンの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

例によって、最終的には、さっきまで賭け金の無くなったトニー・レオンに、『では、家族を賭けろっ!』と言っていたイーキン・チェンが、

満面の笑みで現れて『恭喜發財っ!』と皆であいさつする、というお約束シーンで終了となります。

作品情報

1994年製作 香港製作 コメディ

監督 ジャッキー・パン

出演 トニー・レオン、レオン・カーファイ、エリック・ツァン、サンドラ・ン、イーキン・チェン、チャーリーン・チャン、テレサ・マック、谷垣健司

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