カンフー映画としてのお薦め度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
アレクサンダー・ルー出演のめずらしい忍者ものではない時代劇カンフー作品!!でも主役はほとんど、バイクスタントで有名なブラッキー・コー!!ガリガリに痩せてます!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、類まれなる身体能力を持ちながらも、粗製乱造された多くの香港製忍者作品のみでの活躍に終わってしまった不遇のアクションスター、アレクサンダー・ルー主演のカンフー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
中国北部のある村で、街の権力者の横暴によって若者二人が殺害された。
その事件を捜査するため村を訪れた警察官と、殺された若者の弟が復讐のために協力し合い、
村の権力者を裏で操る巨悪に戦いを挑む!!
多くの香港製忍者映画で活躍していたアレクサンダー・ルー出演のカンフー作品です。
ですが、本作は多くのニコイチ忍者映画を量産してきた悪名高きフィルマーク社作品です(フィルマーク社の悪の所業VHSシリーズについてはこちら、と悪の所業その弐はこちら)
ですので、(擒兇)というブラッキー・コー主演作品に無理やり新撮影のアレクサンダー・ルーの出演シーンを付け足すという強引な展開になっていて、前半と後半で別の主人公の物語になる、というニコイチ映画らしい構成の作品となっています。
という事で、アレクサンダー・ルーは実際物語開始50分ほどからの登場(オープニングの演武シーンを覗いて)ですので、
実際大部分の主演はそれまで物語を引っ張っているブラッキー・コーが務めています。
ブラッキー・コー、まさかのブラッキー・コーです。
あのジャッキー・チェン主演の(スパルタンX)の前半で広場でジャッキーに絡んで、その後バイクで走りながら飛び蹴りを喰らわされて吹っ飛んでいた、パンキッシュな出で立ちの黒塗り悪者を演じていたブラッキー・コーです。
(悪漢探偵)では、バイクに乗りながらビルから飛び降りて着地するスタントが誰もやりたがらずに撮影に困っていたところを、
一人だけ手を上げた男がブラッキー・コーだった、という男らしい逸話まで残っています。
それぐらいに後ほど香港映画界で大活躍するブラッキー・コーが若き日に本作ではまさかのカンフーヒーローとして途中まで主演しています。
(ピンクフォース)でもそれなりに目立つものの、得意のバイクアクションでのキャスティングという感じでしたので、生身のカンフーアクションでの活躍は珍しいのではないでしょうか。
しかも、その後有名になってからの見かけとはかなり異なるガリッガリの細マッチョぐらいの体型で、常に猫背、しかも何故か劇中ほとんど上半身裸でパンツも膝から下をまくっている、
というほとんど半裸状態というあまりに貧相なとてもヒーローとは呼び難いキャラクターの主人公を演じています。
しかも、そのガリガリ君が繰り出す技が、あまりキレのある技ではなく、バトルも終始善戦するもギリギリ勝つか
ギリギリ負けるか、というバトル中心で、強いのか弱いのかもはっきりわかりません。
一応戦い続けているので、武術はできるという設定にはなっているようです。
そんな感じのアクションですが、何故か蹴り技だけは得意なようで、打点位置のかなり高いハイキックが連続で繰り出されます。
このタイプのカンフースターもたまに見かけますが、ここまで手技がぬるっとしているのに足技だけキレがあるのも珍しいのではないでしょうか。
という事で、前半活躍していたブラッキー・コーは知らないうちにあっさりと殺されてしまい、その後その事件を捜査する形でアレクサンダー・ルーが登場します。
しかも、韓国カンフー作品で、ジャッキー・チェンもどきで人気があった(のかどうかは分かりませんが)程龍とコンビを組んで悪の大ボス徐忠信とのバトルに突入していきます。
ここからの後半はアレクサンダー・ルーのキレのあるアクションと意外に動ける程龍のアクションと安定の徐忠信のハイレベルのアクションが堪能できますので、
やっと、怒涛のカンフーバトルが楽しめる見せ場の連続となっています。
二つのアクション作品をニコイチにするというより、厳密には一つの作品に新しく撮影した短いアクションシーンを加えて一つの新しい作品にする、というのがフィルマーク社の常套手段ですが、
本作は前半数分間の徐忠信が追っ手を返り討ちにするシーンと後半のアレクサンダー・ルー登場シーンに関しては、他のニンジャ映画とは違い、
しっかりと撮影されていますので、そこまで撮影できるなら、1本分ちゃんと撮影してしまっても良いような気がしますが、
それでもニコイチにするのがフィルマーク作品の真骨頂といったところでしょうか。
それまでのブラッキー・コー編の展開があまりに取り留めのない展開で、ほとんど後半とリンクしていないので、実際早送りしても問題ないですが、
一応ブラッキー・コーが活躍するカンフー作品という貴重な存在でもありますので、それだけのためにだけ鑑賞してみるのも良いかもしれません。
という事で、カンフー作品としては見どころはほとんど後半のみですが、香港映画としては、レジェンドの若き日が観れる貴重な作品でもありますので、機会がありましたらご鑑賞ください。
ちょっとVHSがレアですので、鑑賞のハードル高めですが、、。
因みに、物凄い邦題ですが、明らかに週刊少年ジャンプ誌で当時人気だった(魁!男塾)から頂いているタイトルかと思われます。
ですので当然、魔拳も塾も登場しません。まぁ、そりゃそうですね、、。
作品情報
1984年製作 香港製作 カンフーアクション
監督 ロバート・タイ
出演 アレクサンダー・ルー、ブラッキー・コー、シャンカン・ワンルン、アラン・シュー、ユー・ユエン
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