【カンフー映画】少林寺 怒りの金剛拳 (南少林之怒目金剛SOUTHERN SHAOLIN AND THE FIERCE BUDDHA WARRIORS)74分

投稿者: | 2022年7月17日

カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆

低予算で短い上映時間ながらも、しっかりとした武術アクションとツボを押さえたドラマを、有名香港俳優ルイス・ファンとホン・ヤンヤンが演じる少林寺カンフーアクション!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、香港映画界のアクションスター、ルイス・ファンホン・ヤンヤンが出演しているカンフーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

海賊の蔡炎は、腹心の部下に裏切られ、重傷を負うが、なんとか命は取り留め、南少林寺の僧侶、彗遠に命を助けられる。

追っ手から逃れるために記憶喪失を装って寺院内に身を潜める蔡炎だったが、弟子達と生活を共にする内に、

自身が生来持っている善人の部分を見出し、己の行動を悔い改めていくようになるのだった!?

ルイス・ファン主演の少林寺カンフー映画です。

監督は、ディラン・クォがカッコ良く活躍するツボを押さえた秀作武侠作品(ライズ・オブ・レジェンド楚留香覚醒す)(詳しくはこちら)のドン・ウェイ監督です。

そちらも、ドラマとアクションのバランスが良く、しかも、本当に動けるチョウ・シャオフェイをキャスティングするという、

アクションにもちゃんと力を入れている作品で、本作でもその片鱗が伺えるような作風となっています。

ただ、現代劇、というかジャンルの違うディザスターパニック(ハリケーンマックス超破壊)(詳しくはこちら)というある意味破壊力のある作品も監督していますので、

あまり色んなジャンルの作品を製作せずに、カンフーアクション系の作品をメインに活躍してもらいたいところです。

主演のルイス・ファン自体は(イップマン)シリーズ(詳しくはこちら)や、(少林寺達磨大師)(詳しくはこちら)等、

素晴らしい香港アクション映画に出演していますので、新作の少林寺カンフーアクションとなると期待が凄く高まりますが、

近年の出演作品(孫悟空 地獄からの復活)(詳しくはこちら)のアクションのあまりの少なさには、そのまま中国映画界の現在の闇を見ているようで、

非常に残念な作品となっていました。

本作も同じく、中国では配信専用の極めて予算と上映時間の短い作品、という事で、期待と不安が1:9ぐらいの割合で鑑賞し始めたのですが、、、

ルイス・ファン

これが、まさかのしっかりしたドラマとアクションを短い時間にまとめた、小ぶりながらもちゃんと楽しめるカンフーアクション作品となっていました。

それというのも、本作には、ルイス・ファン以外にもう一人香港レジェンドが出演しています。

ツイ・ハーク監督の(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ天地争覇)以降のシリーズの顔となる鬼脚七役や、

同じくツイ・ハークの(ブレード刀)(詳しくはこちら)等のアクション作品での超絶アクションの披露や、

アクション監督としてもハリウッド作品(ヤングブラッド)等で、活躍し、キャストとしてもスタッフとしても一流の作品を残してきたホン・ヤンヤン(昔の愛称は、くまきんきん)です。

ホン・ヤンヤン
鬼脚七を演じていた当時

多くの作品でのキャストとして登場している時のように、本作でもルイス・ファンを裏切る元腹心の部下を爽快に演じ、

ルイス・ファンとの激闘を前半と中盤、クライマックスと三回もバトルを繰り広げます。

初戦
船上での二回戦
そして高所でのラストバトル

この二人がちゃんと激突するシーンがある作品で面白くないはずもなく、他のキャストのアクションシーンも、

動けるキャストと動けないキャストが交じっているようですが、ちゃんと全員カンフーの達人に見えるようなアクションとなっています。

こういう見栄え重視のハッタリ技(良い意味でです)も良い感じです

特にメインで活躍する南少林寺の僧侶3人(少ないっ!)は、初老の師匠と若手の青年弟子、まだ少年の子坊主(+元一番弟子の優しい食堂店主)と、

メンバー的には役割分担ギリギリではありますが、この3人(+1)がしっかりと個性も発揮し、アクションもこなしていく、

という全員感情移入しやすいキャラクターとなっています。

人数は少ないですが上映時間に見合った登場人数

特に師匠は、非常に深みのある名言をさり気なく、言っていくタイプで、この師匠の言葉が悪人だった主人公の心の中の善人の部分を引き出していきます。

その都度、物凄く的確な言葉を発していきますので、鑑賞している側もいつのまにか、その師匠の言葉に自然に耳を傾けてしまう、という

凄く魅力的なキャラクターとなっています。

非常に魅力的で深みのある師匠
師匠の善行を始めはばかにしていたルイス・ファンが、、

後半、結構な展開がありますが、師匠が主人公の中に見出した何かを吐露するシーンでは、結構涙腺が緩むぐらいの名シーンとなっています。

子坊主も愛らしく、青年弟子も、正義感が強く、やがて主人公と心を通わせていく過程が、的確な演出で描かれていきます。

元弟子のドラマも熱い

惜しいのは、当初海賊のリーダーという悪人としてスタートした主人公が、

やがて部下の裏切りに合い、なんとか落ち伸びて少林寺に助けられ、そのまま身を隠すために弟子になるものの、

門弟たちと生活を共にする中で、やがて自分自身の中の善人の部分と向き合い、少林寺の僧として生きていく事を決意する、

という基本的な(アンディ・ラウの新少林寺のライト版という感じです)ストーリーを描くには、

やはりあまりに上映時間が短いために、善人として目覚めていく過程が、割とあっさり目ですので、多少観ている側の感性で補う必要がある、という事ぐらいでしょうか。

かつては海賊
ギターも奏でます
かつての知り合いを見つけて顔を隠す元海賊
善の心が芽生えていきます

いつも思いますが、あと30分あれば、、、もっと面白い作品になっていたはずなのに、、と本作でも思いました。

短い

ただ、それでも、少ない予算で、どう考えても少なすぎるキャストで、それでもこれだけ感情移入できる物語が製作されるようでしたら、

まだまだ中国映画も良い作品が沢山製作される機会も増えるのではないか、と思えるような内容の作品となっています。

という事で、非常にこじんまりとした作品ですが、香港レジェンドが二人も登場して、しっかりバトルも堪能できる作品となっていますので、

香港映画好きの方や、カンフー映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

それにしても、こういうちゃんとしたカンフーアクションが観れる作品も減ってしまいましたね、、、。

作品情報

2021年製作 中国製作 カンフーアクション

監督 ドン・ウェイ

出演 ルイス・ファン、ホン・ヤンヤン、リ・ムユン

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