【カンフー映画】フィスト・オブ・フューリー/復活!ドラゴン怒りの鉄拳(重振精武門RETURN OF DRAGON/FIST OF FURY IV)92分

投稿者: | 2025年5月24日

おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

世界中のブルース・リーファンを敵に回したドラゴン・セキ主演による(ドラゴン怒りの鉄拳)の正統続編、、、、ではなく、名作のラストを独自の解釈で別次元へと導いて、生き残った主人公のその後を描いたシンシア・カーン、エディ・コー、ウー・マ、ラム・ウェイと脇役陣が豪華な微妙なカンフーアクション作!!

作品紹介

2002年4月20日公開

今回ご紹介する作品は、ドラゴン・セキ主演の(ドラゴン怒りの鉄拳)のアナザー続編作品です。

それでは、まずはあらすじから、、。

20世紀初頭、恩師の仇を討った武術道場(精武門)の弟子チェンは、日本軍に追われる身となってしまったが、

なんとか生き延び、故郷の大理で、妹弟子のアユンと共に静かな日々を送っていた。

しかし、チェンを狙う鈴木は、日本の結社黒龍会の師範代岡本と組み、チェンの殺害を計画していた。

監督は、(錢從那裡來?)や(唐山功夫)等のハワード・チョウで、分かり易い悪日本人と中国人の戦いを描いています。

大胆にもブルース・リーが演じたチェン(チャン・ジャン)役を勝手に引き継いだのは、本作でデビューを飾り、その後

復活死亡遊戯)(詳しくはこちら)や(復活ドラゴン危機一発)(詳しくはこちら)等、ブルース・リー作品を勝手に復活させ続けた男、

ドラゴン・セキ(セキ・テンリュウ)で、本作でも成りきりブルース・リーぶりが空振りしています。

ドラゴン・セキ(セキ・テンリュウ)

で、演技のつたないセキに代わって主人公のように台詞をしゃべり、アクションもこなすのは、(香港東京特捜刑事)(詳しくはこちら)や(ベビーキョンシー)(詳しくはこちら)等の

女性アクションスター、シンシア・カーンで、本作でも身体能力の高さを披露しています。

シンシア・カーン

で、セキと激闘を展開する事になるに日本人役で、(激突!魔拳塾)(詳しくはこちら)や(忍者VS阿羅漢)(詳しくはこちら)等の

アラン・ツイが登場し、セキと激闘を繰り広げます。

アラン・ツイ

で、事件を追う警察官役で、(幻影拳ザ・マジックカンフー)(詳しくはこちら)や(チャイニーズファイター天空伝説)(詳しくはこちら)等の

ラム・ウェイが登場し、主人公達をサポートしていきます。

ラム・ウェイ

で、日本人に組する悪党官僚役で、(バーニングセンセーション)(詳しくはこち)や(電光!飛竜拳)(詳しくはこちら)等の

ウー・マが登場し、いつものひょうきんな感じで、憎めない悪党を演じています。

ウー・マ

で、仏像を日本人に盗まれる武館の館長役で、(ミラクルファイター)(詳しくはこちら)や(孔雀王)(詳しくはこちら)等の

エディ・コーが登場し、悪党と対峙して行きます。

エディ・コー

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、日本版オリジナルの【角田信朗&ドラゴンエンジェルス】が歌う

主題歌が流れているようには思えない、PVのようなオープニングが流れた後、ドラゴン・セキによる、大勢の男たちを相手にしたブルース・リーのモノマネシーンから始まります。

要するに、

本編とは無関係なイメージ映像がいきなり二回連続で流れます。

で、やっと始まった本編は、本家の(ドラゴン怒りの鉄拳)でブルース・リーが演じたチェン(本作ではドラゴン・セキ)が、クライマックスで、

日本軍に飛び蹴りを炸裂さようと飛び掛かかったまま終幕を迎えるあの名ラストシーンの直前から始まります。

チェンをセキが演じている事で、既に雰囲気は台無しですが、とりあえず本家で描かれた、その後の衝撃のクライマックスは無かったことになり、

日本軍から銃を向けられながらも、実は腹にダイナマイトを巻いていて、敵の一人を人質に取って逃げきれてしまう、という

名作とは無関係な本作独自の別次元(マルチバース)に突入します。

脱力マルチバースが始まります。
逃げないからこそ価値があるラストから、この状況で逃げ切ってしまうセキ

そこから、上海から逃げ出したセキが、故郷の大理で妹弟子ユアン(シンシア・カーン)と合流し、

密かに別名を名乗り、盲目のふりをして針治療の医師として暮らす、主人公のその後の日々が描かれます。

冒頭の一番盛り上がりそうな本編への繋ぎを、実際に逃げるシーンは撮影せずに、逃げるための船を要求した後は、凪いだ海をワンカットだけ入れて、場所の移動と時間経過の表現を済ませる、

というブツ切り省エネ演出に、本編突入早々に脱力&(ドラゴン怒りの鉄拳)の続編としての盛り上がりは、一旦リセットされてしまいます。

要するに、早めに(ドラゴン怒りの鉄拳)の要素は無くなります、、、。

で、身分を隠しているくせに、無料診断等で話題となり、多くの人が知る存在となったチョウ先生こと元精武門の門弟チェンは、

医師として活躍しつつも、一方では盲目のふりはせずに、武術を後世に伝えるために弟子を取って武術道場(道場自体は無いようですが)を開いて地道な活動を続けています。

もう、設定が良く分かりません、、、。

盲目の医師な割には
滅茶苦茶開けたところで弟子に指導するセキ

で、そんな大理を取り仕切る汚職司令官フー(ウー・マ)は、中国の国宝を海外に持ち去ろうとする西洋人ジョーンズ博士や、

チェンの行方を追いながら中国の国宝も持ち去りたい日本人等と取引し、悪事の限りを尽くしていますが、

ある日、仲良しの日本人が、ある寺(カンフー道場も兼ねる)から、古くから伝わる仏像を盗み出した事で事態は動き始めます。

寺の住職は、盗難にあったことをトアン館長(エディ・コー)に知らせ、さらには警察のズオ隊長(ラム・ウェイ)に知らせたことで、本格的な捜査が開始されます。

管轄のフー司令官が怪しいという事になりますが、権力をかざす外国のお友達の多いフーには、なかなか警察も手が出せない、という事で、

我らがセキが、ユアンと共に一肌脱ぎ、フーの邸宅から重要な書類を奪還、さらにはお宝を持ち出そうとしている真っ最中のジョーンズ博士もやっつけ捜査に協力していきます。

しかし、大打撃を受けた日本人は、お宝、、、、、どうこうよりも、ずっとチェンを探していたので、誘き出すためにある作戦を実行する、、、、というのが、大体の大筋となっています。

数年ごとに登場する自称ブルース・リーの後継者の一人、ドラゴン・セキの主演デビュー作品で、一応は(ドラゴン怒りの鉄拳)の続編となるカンフー作品です。

続編ではありますが、あのラストシーン直結の続きではなく、ラストの直線から描き直すという別のユニバース的な物語となっています。

ドニー・イェン主演の(レジェンド・オブ・フィスト怒りの鉄拳)も、同じような解釈から(グリーンホーネット)等に繋がるような

ファンタジックなヒーローアクションへと昇華していましたが、勿論本作はブルース・リーへのオマージュよりもセキのモノマネと、

その薄さを埋めるための、意外に豪華な脇役キャストの魅力だけで押し切る作品ですので、同じようなコンセプトの出だしではあっても、まるで違う、色んな意味で別次元の続編となっています。

本作以降もセキは、(復活死亡遊戯)や(復活ドラゴン危機一発)等、名作を勝手に復活していく事になりますが、

一貫しているのは、恐らく演技を学ぼうとしない、もしくわ、どれだけ努力しても演技力が全く備わらないのか、

全ての作品で主役としてふるまっているくせに、それぞれの出来事に対処する、いわば本当の主人公となる女性が必ず存在して、

感情表現や長い台詞等は全て代わりにやってもらう構成になっている点です。

後の2作品は、アクションもドラマもカレン・チョンがメインで活躍し、本作では同じ役目をシンシア・カーンが担っていきます。

カレン・チョン

二人に共通しているのは、演技もアクションもできるという点で、セキが物語の中心にいるように見えて、実は物事の対処は全て女性二人がこなしていきますので、

セキは全ての作品で、

主人公なのに、全く存在感が無い

という、セキの特徴的なキャラクターを、デビュー作の本作で早くも発揮しています。

常に女子が物事に対処し、セキはそこにいるだけです。

中盤以降、シンシア・カーンの退場に伴って、一瞬セキの怒りの表現を誤った狂気のような表情でラストバトルへと突入していきますので、

多分怒りの表現が良く分からないのだと思います
これも
このシーンに至っては、怒りとは別次元の狂気に、、、

ようやく本当の主人公に昇格か?という展開になりますが、医師としての助手でありながらも、なんとなく弟子っぽい小柄な青年が助っ人として参上してしまいますので、

結局最後まで、誰かのサポートを受けながらのなんちゃって主人公な怒りの鉄拳となっています。

助っ人参上

ドラマ自体も、国宝窃盗団と戦う話がメインなのか、チェンを追う日本人との因縁話がメインなのかもはっきりせず、

盲目の設定も、実は見えている、という周りの驚きのシーンもなくいつの間にか、設定自体が無くなってしまいますので、

作品全体を通して、ふわっとした印象の物語となっています。

アクションに関してもかなり乱暴な演出(編集含む)で、カット割りが激しい割には、合間に(セキのくせに)スタントマンの後ろ姿アクションを挿入したり、

左右反転させた映像を挿入し、1回の攻撃につき2回攻撃しているように見せている

ので、継ぎはぎ感が物凄く、

さらに結構な早回しなために、終始何をやっているのか分かりません。

要するに、右足で蹴ったカットの直後に、その同じ映像を反転させた左足で蹴ったようなカットが挿入され、それがほとんどのアクションで繰り返されていく、という

アクションが最大の売りである香港アクション映画では、まず観る事がほとんど無い(昔テレビ放映されたカンフー映画等では、日本独自でそういう編集が加えられた作品もありましたが、、、)ような

酷いアクション表現となっています。

ただ、カット割りが速すぎてしっかりと目視しにくいので完全には判断できませんが、もしかすると反転アクションの数回に一回は、

左右の攻撃を別アングルで連続で撮影している、という事も考えられなくもないですが、どちらにしても全然アクションの前後が繋がらないので、

何をやっているのか分からない事には違いありません。

印象的には、

繋がらない攻撃が角度を変えて延々と続く

といったイメージで、アラン・ツイエディ・コー、シンシア・カーンというレジェンド級のアクションスターがアクションを披露しているのに、

終始何をやっているのか分からない、という監督の決断か、撮影監督の決断か、アクション監督の決断か分かりませんが、

とにかく分かりにくいアクションの連続となっています。

超個人的な邪推ですが、もしかすると、なんらかの理由で、短い時間で撮影を終えなければいけない事になったので手早く撮影を済ませたけれども、

やっぱり尺が足りない、という事で急遽反転シーンを追加してなんとか1.5倍ぐらいの量にかさ増しして無理矢理完成させた、という事ではないでしょうか。

という事で、セキのアクションは勿論微妙ですが、周りのレジェンドスターのアクションは少しは観れる作品とはなっていますので

香港映画好きの方や、カンフー映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

因みに本作、日本での劇場公開は2002年4月20日で、その後同年の11月22日にDVDがリリースされましたが、

その時の宣伝文句が

【ブルース・リー生誕60周年記念作品】

でしたが、

その後、廃盤の時期を挟んで2010年11月26日に再リリースされた際には、

【ブルース・リー生誕70周年】

という、節操の無いセールスのされ方をされた作品となっています。

最早、好きにすれば良い、、、、。

作品情報

1998年製作 香港製作 カンフーアクション

監督・脚本 ハワード・チョウ 製作 染野行雄 武術指導 チョー・ウィン

出演 ドラゴン・セキ(セキ・テンリュウ)、シンシア・カーン、エディ・コー、ウー・マ、ラム・ウェイ、アラン・ツイ

↓ランキングに参加しています。もし、宜しければ下記をクリックお願い致します↓

映画評論・レビューランキング
映画評論・レビューランキング

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメントを残す