スペースレイダース(SPACE RAIDERS)86分

投稿者: | 2022年10月5日

おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆

全編気の抜けたような展開ながらも、(オーバー・ザ・トップ)で人気となるデビッド・メンデンホールの愛らしい好演と味のある特撮が魅力のB級映画の帝王、ロジャー・コーマン製作の(スターウォーズ)的SF活劇!!

作品紹介

2012年4月14日公開

今回ご紹介するのは、B級映画の帝王、ロジャー・コーマンが製作したSF活劇です。

それでは、まずはあらすじから、

宇宙を支配する大企業、カンパニーの重役の息子ピーターが、ホークをリーダーとする宇宙海賊の宇宙船に紛れ込んでしまった。

カンパニーはピーターを奪還するために兵を送るが、身代金目的の悪党たちも加わり、壮絶なピーター争奪戦が開始されてしまう。

そんな中、ホークはピーターと熱い友情を交わし、必ず親元に返す事を約束するのだった!?

B級映画の帝王、ロジャー・コーマン製作による(スターウォーズ)のあやかり作品です。

ずっと劇場未公開でしたが、2012年に公開されたロジャー・コーマンを描いたドキュメンタリー(コーマン帝国)公開時に、一緒に劇場で公開されました。

見方を変えると劇場公開も、ある意味あやかり公開、という生粋のあやかり作品です。

そんな、あやかりっぱなしの作品ではありますが、面白くないかと言うとそうではなく、(スターウォーズ)に張り合うような見方ではなく、

スターウォーズ)をやりたかったけれども、残念ながら足元にも及ばなかった映画、という感じで広い心で、包み込む様に鑑賞してみると、

意外と味の湧き出てくる愛すべきB(C~Fぐらいも覚悟)級映画として、楽しむことができる作品となっています。

あまり真剣な目で観ずに、本当にポテトチップスを食べながら、途中他の用事等も済ませながら鑑賞してみたりすると、実にしっくりとくる作品となっています。

着ぐるみを着ている人にしか見えない特殊効果が、また良いです。

そんなB級魂満載作品の実際の内容ですが、物語自体は至ってシンプルで、独裁者を筆頭にした大企業、カンパニーが支配しているある銀河系で、

ならず者ばかりで構成された海賊船に偶然乗ってしまった少年が、実はカンパニーの重役の息子だった事で巻き起こる騒動を描いています。

基本的には、皆優しい、というのも良いです

物語上の見どころとしては、当初やっかいものだった少年と、乗組員たちが一緒に危機を乗り越えていく中で見栄える友情が熱く描かれています。

海賊のリーダー、ホークを演じるのは、日本でもヒットした医療ドラマシリーズ(べンケーシー)の主演や、(マッドボンバー)(詳しくはこちら)の刑事役でお馴染みのヴィンセント・エドワーズで、

荒くれ者のリーダーには不釣り合いな優しい表情で、少年の目線まで降りて、友情を交わしていきます。

ヴィンセント・エドワーズ

で、その少年役ピーターの方には、後にシルベスター・スタローン主演の(オーバー・ザ・トップ)のスタローンの息子役で名演を見せる事になるデビッド・メンデンホールが扮し、

ピュアな魅力を放っています。

純粋!!
少し、大きくなりました。
かなり、大きくなりました。

このデビッド・メンデンホールの、本作における存在感が意外に大きく、無邪気ながらも、それなりに成長し、

クライマックスでは死に瀕しているホークを、何か良く分からない機材をつかって(ビーチボールを膨らます器具ぐらいの装置)命を救う、という大活躍を見せてくれます。

ピュア!!

ただ、その明るい笑顔と無邪気な行動が、魅力ではあるのですが、やはり(オーバー・ザ・トップ)の4年前という時期の出演という事で、

まだまだ幼さの残る年代で、後の名演ほど感情表現が豊かに備わっていない時期ですので、

熱い友情を交わしていったメンバー達が、自分のために次々と命を落としていっているのに、一切感情的にならない、

という無邪気な割に、非常にクールな少年に映ってしまっているのが、少し残念なポイントとなっています。

無邪気なシーンが非常に魅力的に映っているだけに、まるで二面性があるように見えてしまうので、非常に勿体ないですね。

ただ、クライマックスのホークの命が危うい時だけは、かなり涙を流して、逆にベタベタとお互いの頬を擦りつけて感情を表現していましたので、

よっぽどヴィンセント・エドワーズの子役への接し方が良かったのではないでしょうか。

それにしてもスキンシップが凄いですね、、、。

さっき出会った子供に、この距離感

色々なキャラクターが登場する割りには、皆あっさりと脱落していってしまう中、ヴィンセント・エドワーズだけは、かなりしぶとく生き残りますので、

振り返ってみると本作は海賊ホークと少年ピーターのSFバディムービーのような捉え方もできるかと思われます。

できれば、もっと他のキャラクターの活躍も観たかったところですが、本作はどうもロジャー・コーマンの相変わらずの低予算主義が炸裂した作品のようで、

自身の製作作品(宇宙の七人)からのフッテージ映像を流用したり、音楽まで流用する、という徹底ぶりで、

一粒で二度美味しい路線を狙った作品でもあるようなので、活躍しそうでそんなには活躍しないキャラクターや、

同じ状況のピンチが繰り返されたり、なんとなくシーンが繋がらなかったり、等のなんとなくの不具合も頻繁に見受けられる作品となっています。

無茶苦茶と言ってしまえばそうかもしれませんが、それでもなんとなくずっと観ていたくなるような魅力(というか沈黙シリーズのような安定感)が存在する作品ですので、

アナログ的なB級作品好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

ちょっとした中毒性もありますよ。

コマ撮り特撮もあります

作品情報

1983年製作 アメリカ製作 SFアクション

監督 ハワード・R・コーエン

出演 ヴィンセント・エドワーズ、デビッド・メンデンホール、パッツィ・ピース

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