【B級監督列伝!】ビックリ落ちに呪われたM・ナイト・シャマラン監督

投稿者: | 2020年9月14日

みなさん、こんにちはまぁくです。

先日話題作(ミッドウェイ)のリメイク作を劇場で鑑賞してきました。

その感想などブログに書こうと思っていたのですが、史実の映画化ってなんとなく個人的な感想を言いにくい、というか基本的な物語は実際あったことなので、意見を挟む余地がない、というか語りにくい感じなんでよね、、。

一応、ローランド・エメリッヒ監督が20年のリサーチを経て製作!とか宣伝してたりして、、。

創作と思っていたエピソードが実話という事もありそうですが、正直大味大作メインのエメリッヒ監督が、20年間も小まめにリサーチしているようにも感じませんので、そういう宣伝文句として謳っているだけのような気もします。

個人的には戦闘シーンは今まで見たこともないようなカットのシーンの連続で物凄く迫力はありました。

ただ、人が死ぬ戦争映画なのに戦争の悲劇的な部分や悲壮感などはほとんど感じないサラっとした感触の作品、と感じました。

近年の(ダンケルク)や(1917)など賞レースに絡んだような戦争の悲劇的な部分がリアルに描写されているような作品とは明らかに違いました。

アメリカ側の主人公たちも敵を砲撃して『ヒュー!ワォー!』みたいな感じで叫んで歓喜しているような描き方で、とても今の時代で描くような戦争映画とは思えない作品でした。

ある意味流石エメリッヒ、といった感じの作品です。

あれ?結構作品の感想書いていますね、、。

さて、エメリッヒ監督の事はさておき、今回は【B級スター列伝!】ではなく、【B級監督列伝!】です。

自身が撮りたい作品を想う通りに撮れていそうな監督、

とにかくお金のかかった大味大作ばかりを撮る監督(〇メリッヒ監督)、

どう考えても普段の作品の色と違う作風の作品を一定の時期に連発する監督、

あえてB級ばかりを撮る監督、

と監督によって色々な作風がありますが、その監督の過去から現在までを年代別に振り返ってみると俳優以上に、自身が持っている娯楽性と芸術性がより分かり易く見えてきたりします。

その中で、一人目は(シックスセンス)であまりに衝撃的な内容と話題性で社会現象までになってしまったがために、

2作目以降もその陰に捕らわれてしまい、同じような作品を求められ続け、

ついに(ラジー賞)を取るまでになってしまい、

色々模索しながら、小さい規模のちよっと変わった作品に定位置を見つけ、

じんわりと復活を遂げたM・ナイト・シャマランの過去作品を監督作品に絞って、少し振り返ってみたいと思います。

M・ナイト・シャマラン監督

結構、同じような内容の作品が多いですが、、。

〇1998年 翼のない天使 シャマラン監督・脚本の商業映画第2作目。1995年に製作していたけれどお蔵入りだった作品。祖父を無くした少年の成長日記。

〇1999年 シックスセンス 言わずと知れた傑作サスペンスホラー。一応(恐怖の足跡)というモノクロサスペンスのほぼリメイクという感じで言われていますが、実際有名な落ち以外はそれほど共通点はないような気がします。DVDの映像特典ではシャマラン監督自ら、「本来のラストシーンはもっと別カットがあり、あまりに悲しすぎるので、そのシーンはカットした」など興味深いコメントが多く収録されています。

〇2000年 アンブレイカブル 予測不能の深刻なサスペンスかと思いきや、、。前作の期待を受け、そのジャンルごと覆すという大きいサイズのびっくり落ち作品。だいたい、主人公がそれだけ、超人的な力を持っているのに、赤の他人に指摘されるまで、自分で気づかなかったという良く考えたらあまりに鈍感すぎる主人公の物語、、。

〇2002年 サイン 信仰を捨てた神父VS宇宙人というとんでもSFサスペンス。このころから、同じようなジャンルで違う展開を模索しだしています。だんだんと否定的な意見が出始めたころの作品。宇宙人をバットでシバく、という発想がなかなかぶっ飛んでいる作品。トンデモ系ですね。

〇2004年 ヴィレッジ 1800年代のアメリカの田舎の村に伝わるその村の掟と怪物を扱った作品、、、。という展開で始まる物語。ロジャー・コーマン監督の(恐怖の獣人)に内容が似通っている、などと指摘を受けたりしますが、個人的には本作鑑賞時に、楳図かずお先生の漫画(14歳)のラストの展開にそっくりだと感じました。シャマラン監督が読んでいるとは思えませんが、、。探せば、結構ある展開、という事でしょうか。賛否両論ある作品ですね。

〇2006年 レディ・イン・ザ・ウォーター 賛否両論の雰囲気の中、ビックリ落ちを無くして割とストレートな展開のサスペンスファンタジーに。結果、ラジー賞を獲得してしまった、興行的にも批評的にも振るわなかった作品。

〇2008年 ハプニング アメリカで実際に起こったミツバチ失踪事件(蜂群崩壊症候群)を元に企画されたサスペンス作品。次々に人が自殺する事件が発生しても結局なんとなく、しか良く分からない結末に。実際のミツバチ失踪事件も原因は良くわからないそうです。良くわからない企画の良く分からない映画化、という感じでしょうか。模索中の模索期ですね。

〇2010年 エアベンダー アバターというテレビアニメの映画化作品。掃除機にキャメロン監督の(アバター)もあり、タイトルについて争って敗れて(ラストエアベンダー)という違うタイトルになった作品。あまりに普通のファンタジーアクションすぎてシャマランらしさは微塵もありません。しかも、本来は3部作構想だったとか、、。模索期から迷走期へ、、。

〇2013年 アフターアース ウィル・スミスが企画し、シャマランに直接監督を依頼した、一応SF大作。評価はすこぶるひどく、興行成績もウィル・スミス主演作品の中ではいまいちで、シャマランの評価を下げてしまった作品。とにかくこの時期の作品はシャマランらしさは全く感じません、、。

〇2015年 ヴィジット 製作費が少ないながらも、小味の効いた良質なホラーやサスペンス作品などを数多く製作するジェイソン・ブラム率いるブラムハウスプロダクションズ製作による、ついに見つけたシャマラン監督の定位置。本作で初のPOV撮影にも挑戦。(ちょっと遅いですが、、)復活黎明期作品といった感じでしょうか。

〇2016年 スピリット (ヴィジット)のヒットにより、かねてから構想中だった念願の企画がついに実現。ここにあくるまでが長かったです。ジェームズ・マカヴォイの熱演とアニャ・テイラージョイの存在感とシャマランの演出力の相乗効果でジャンルの垣根を飛び越えた傑作に。ここに至って完全復活!といっても過言ではないと思います。

〇2019年 ミスターガラス 前作のヒットを受けてついに実現した物語の完結篇。ここまでくるのに随分かかりましたが、ユニバース堂々の完結(多分)。やはりシャマラン監督はこれぐらいの規模の作品が調度良いのではないでしょうか。

という感じで、監督デビュー作の(翼のない天使)はお蔵入りのあとに限定的に公開された作品ですので、除外するとして(シックスセンス)の話題性によって次作からの内容でも同じような作品を求められてしまい、ジャンルとしては全て同じようなサスペンス作品を連発するようになってしまいました。

ただ、(アンブレイカブル)などは、前作の(シックスセンス)のようなホラージャンルを借りながらラブストーリー的な一面もあるようなビックリ落ち作品を期待してるであろう観客側に対し、

実は最後まで見ればサスペンスと見せかけたアメコミヒーロー映画という、映画のジャンルごと最後にひっくり返すという、周囲の期待を逆手にとったようなシャマラン監督の意地のようなものを当時劇場で鑑賞して感じました。

今後の監督作品でも、色々と楽しませてくれそうな期待感を含んだようなひっかけだと思われました。

しかし、なんだかんだとその後も(サイン)、(ヴィレッジ)とびっくり落ちありきの作品は続いてしまい、

しかも連発するごとに、滑稽で突拍子のない落ちと、感じた人も多く、このころから賛否両論の意見がでてきて続く、(レディ・イン・ザ・ウォーター)ではついにラジー賞受賞という不名誉な賞まで獲得してしまいました。

ここに至ってシャマラン監督ももう、びっくり落ちは止めようと決意したのか、続く(ハプニング)では今までと似たような物語でありながら、何かありそうで、何もない、という逆手にとっているかどうかもよくわからない物語を製作。

主演のマーク・ウォルバーグ自身が作品を失敗作と認めてしまっているそうです。

主演俳優に失敗と言われた監督も辛いでね、、。

その後は、テレビアニメの実写映画化(エアベンダー)でまたしてもラジー賞8部門ノミネートで5部門受賞し、

次作(アフターアース)ではウィル・スミス親子のためだけのような作品を製作、と正直どこに向かっているか分からないような作品が続きました。

しかし、2013年に製作費は少ないながらも小味の効いたヒットホラー作品で有名なブラムハウスプロダクションズで製作した(ヴィジット)で見事にシャマラン監督は同ジャンルのヒットメーカーとして返り咲きます。

おそらく、製作予算は少ないけれども、作家性と娯楽性を程よくミックスさせる製作体制が本来のシャマラン監督の作風と合っていたのだと思われます。

ヴィジット)がヒットしたことで、以前から構想のあった(アンブレイカブル)と同じ世界観の(スピリット)がいよいよ製作開始となり、それに続く(ミスターグラス)も続けてヒットとなりました。

インタビューでシャマラン監督自身が語っていましたが、(スピリット)に登場するキャラクターは実は(アンブレイカブル)の脚本の段階ですでに物語に盛り込まれていたけれども、あまりに話が膨大になりすぎるので、そのキャラクターごとカットした、ということです。

もし、その時点でビッグバジェットで(スピリット)が製作されていたら、もしかしたらまた空回りしてラジー賞をもう一つ獲得してしまっていたかもしれませんね、、。

そいうような流れで、近作では、自身の作風にあった製作環境を手に入れ、(アンブレイカブル)ユニバースも一応完結(?)したようなので、これからのシャマラン作品がどのような展開になっていくのか期待せずにいられないですね。

それでは、本日もお立ち寄り頂きありがとうございました。

食欲の秋ですが、食べ過ぎないように気を付けて頑張っていきましょう!

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