【推薦!】サバイブ 一本勝負 (SURVIVE)96分

投稿者: | 2022年11月30日

おすすめ度 ★★★★★★★★☆☆

高額賞金目当てに集まったリアリティ番組の参加者が、ゴール地点目指して砂漠の荒野をひたすら移動する、POV撮影と設定、登場キャラクターの描かれ方が上手くドラマに活かされた秀作サバイバルスリラー!!面白いです!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、低予算のPOV作品でありながらも、非常にサスペンスフルに物語展開するサバイバル作品です。

それでは、まずはあらすじから、

砂漠の荒野に目隠しして連れてこられた6人の挑戦者。

そこでは、砂漠の荒野をサバイバルしながらゴール地点を目指すリアリティ番組(サバイブ)の撮影が行われていた。

番組撮影が開始され、高額賞金を目立てに4つのポイントをクリアしながら、ゴール地点を目指す挑戦者だったが、

ある事故が発生した事で、事態は物わぬ方向へと進んで行くのだった!?

POV方式で撮影されたサバイバルサスペンス作品です。

砂漠に目隠しして連れてこられた6人の挑戦者が、4つのポイントにある指示に従いながらゴール地点を目指す、

というリアリティ番組のていで撮影された映像を、なんらかの事故が起こって裁判にかけられた番組プロデューサーのインタビュー映像と同時進行で流す、という構成になっています。

番組として製作するためのPOV映像、というのが上手い設定で、番組ですので、POV撮影でありながらも、しっかりと場を盛り上げるためのBGM等も流れるようになっています。

さらに、その出演者達それぞれを撮影するプロのカメラマンが一人同行していて、客観的な映像も加わったりしますので、

POV映像と客観映像(カメラマンが一人でカメラを担いで撮影しているので、これもPOVとは言えますが)がバランス良く融合されて雰囲気を盛り上げていきます。

その分、もっと低予算のPOV作品のような本当のリアルさは薄まってしまいますが、本作は、そこを絶妙のバランス感覚で乗り切っています。

ルール上は、このカメラマンに話しかけると失格になりますので、存在はするけれども、サバイバルに関しては頼れない、という秀逸な設定も加わっています。

で、このサバイバル番組の特徴で、ゴールした人数によって賞金が減らされていく、というルールがありますので、

できれば少ない人数でのゴールが一番望ましく、しかも最初にゴールした者(一人なら一人、3人同時なら3人)に賞金が支払われるので、

やはり、騙し合い、という要素も加わっていく事になります。

砂漠という自然の驚異+人間同士の騙し合い、というサバイバル要素も加わっていくわけです。

さらに、出演者それぞれには、一応役割があって、その役割に見合ったなんらかの荷物を持っています。

怪我や病気になった時のために全員分の一通りの薬を持っている者、宿泊用のテントを持っている者、コンパスを持っている者、

1区画分の食料を持っている者、全員分の水を持っている者、という感じで、それぞれが役割を担っています。

で、一人だけおしゃれ女子だけは、何も役割がなく能天気なキャラで、ムードメーカー的な雰囲気を放っています。

で、この6人にカメラマン一人を加えたメンバーがゴール目指して砂漠の荒野を歩いていくわけですが、

この同行カメラマン、序盤である事件に巻き込まれて、撮影続行できなくなってしまい、そこから番組側の演出なのか、本当の事故なのか、

分からなくなる、というサスペンスが加わっていきます。

カメラマンが脱落しているので、番組自体は続行不可能とも思えますが、出演者それぞれの頭に付けられた小型カメラは録画状態のままですので、

撮影自体は続けられています。

しかも、運営側との連絡手段であったカメラマンが所持していた砂漠でも使用できる衛星電話が、パスワード式なので、

カメラマンが通話できなくなると、運営側との連絡手段も無くなってしまう、という事で、出演者6人は孤立してしまいます。

水や食料も次のポイントに行かなければ底を尽きてしまう、という事で、小型カメラで一応撮影は続行しながらも、

本当に生き残るためのサバイバルが始まる事になります。

非常に上手い設定です。

全ての設定が、砂漠で行われるPOV撮影のサバイバルサスペンスの面白い要素を自然に盛り上げていくようになっています。

で、その4つのポイントには、次のポイントの場所のヒントとなる、なぞなぞのような問題が用意されていて、その謎をときながら次のポイントを目指す、

という謎解きアドベンチャー要素まで加わっていきます。

さらに、この謎ときにおいて、今まで、ただのお荷物だと思われていた派手な女子が、まさかの大活躍をしていきます。

このそれぞれのキャラクターの描かれ方(描き分け)も素晴らしく、意外な才能を発揮するギャルを筆頭に、

リーダータイプの男性は、自分勝手でお荷物となりそうな人物への扱いも酷く、そのお荷物となりそうな太めの男性は人一倍優しく、

医薬品担当の女性は、看護師で、他人の死を頻繁に見る激務に内面的に疲弊してしまって、自分を解放するために参加していたり、

という感じで、参加者全員にしっかりとしたキャラクターがあって、物語自体を盛り上げていきます。

キャラクターが描かれていくと、自ずと誰が生き残るか?という予測もついていきますが、その予測も上手く裏切りながら、サバイバルが進められていき、

それぞれのドラマも深く掘り下げられていきます。

あまりのドラマ展開の秀逸ぶりに、後半涙腺が緩んでしまうほど、しっかりとしたドラマとそれを活かしたサバイバルサスペンス展開へと突入してく事になります。

クライマックスでは意外性のあるサイコホラー的な要素もありつつ、しっかりと人間の成長も描かれ、誰もが出演者を応援したくなるようなドラマが描かれています。

そんな秀逸な作品を流行りのPOV撮影で監督した将来有望な映画作家、トム・サイドマン

他の監督作品も観たくなりましたので、調べてみると、、、

ファミリー向け動物映画ばっかり!!!

初監督作品が(THE CHRISTMAS BUNNY)、二作目が(GOLDEN WINTER)というまさかのファミリー向け動物映画!!

まさかの方向転換にこの若者に何があったのか?という感じでしたので、監督自身をもっと調べて見ると、、

トム・サイドマン

むちゃくちゃベテラン!!!!

そこで、監督作品以外の助監督時代の作品を調べて見ると、、、、

まさかのレジェンド!!!

数々の名作ハリウッド作品に助監督として携わってきた、生きる伝説とも言える、大ベテランのフィルムメーカーでした。

そのレジェンドが動物映画等で監督作を製作しつつ、少ない予算ながらも、今までの経験を活かして撮影したのが、本作という事で、

監督としてはまだ3作目ではありますが、経験の少ない若手というわけではなく、誰よりも経験豊かな監督の作品という事でした。

動物ものなんて撮影しながら砂漠の荒野で、若手にも負けないような勢いのある作品を製作するなんて、

動物ファミリー映画(べイブ)を製作し、ほんわか路線に行くのかと思いきや、まさかの(マッドマックス怒りのデスロード)で砂漠の超絶バイオレンスアクション路線に帰って来たジョージ・ミラー監督を思わせるようで、非常にこの先の監督作品も期待してしまいます。

ただ、本作が製作された2015年以降、ちょっと間が空いてしまっているのが気になりますが、、、。

という事で、秀逸な設定に、秀逸なキャラクター描写、それらを活かすストーリーと非常に良くできたPOVサバイバルサスペンス作品となっていますので、

POV作品好きの方や、サスペンス作品好きの方等、是非ご鑑賞してみてください。

面白いですよ!

作品情報

2015年製作 アメリカ製作 POVサスペンス

監督・製作・脚本 トム・サイドマン

出演 ジョナサン・キャンプ、ステファニー・グレコ、イングリット・ハウバート、エリック・エストラーダ

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