The name is Bond,James Bond

投稿者: | 2020年11月2日

皆さん、こんにちは、まぁくです。

2020年10月31日に初代ジェームズ・ボンド役の名優ショーン・コネリーが亡くなられました。

引退宣言後、有意義な時間を過ごされていたそうですが、もうあの渋いスラっとした英国紳士の姿を見れないと思うと寂しいですね、、。

沢山の作品で楽しませてもらいました。

ご冥福をお祈り致します。

ショーン・コネリーといえば、やっぱり、ジェームズ・ボンドですね。

ボンドが登場するときに初対面の人に言う有名な台詞「The name is Bond,James Bond。」ショーン・コネリーが言い始めたそうですが、

後に続くボンドのイメージもショーン・コネリーの元々持っているパーソナルなイメージがそのまま役柄に大きな影響を与えたのではないでしょうか。

途中で不人気だったジョージ・レーゼン・ビー版や娯楽路線に急速に舵をきったロジャー・ムーア版、

コネリー的路線に原点回帰したティモシー・ダルトン版、それをさらにマイルドにしたピアース・ブロスナン版、

そして、ハードな路線にリニューアルしたダニエル・クレイグ

と振り返ってみると結局初代のショーン・コネリー版を軸にして時代によってアレンジを加えているような印象も受けます。

いかにショーン・コネリーが残した功績が大きいかという事ではないでしょうか。

007シリーズ最新作(ノー・タイム・トゥ・ダイ)の公開も待ち遠しいですが、今回の作品でダニエル・クレイグ版も見納めという事で次回以降の動向も気になりますね。

さて、今回はそんなジェームズ・ボンドの活躍する007シリーズを少し駆け足ぎみに振り返ってみたいと思います。

007シリーズ、ダニエルクレイグ版の最近作以外はどの作品を、その順番で観ても問題なさそうですが、

実は初期のころは物語が続いている作品があったりしますので、鑑賞し直すときはできれば年代順に鑑賞してもらった方が良いと思います。

因みに何作目かまではスタッフロールの最後に字幕ではありますが、

次回作〇〇〇でお会いしましょう、とメッセージが入っていたりしますので、ちょっとしたファンサービス的な部分もあったようです。

それでは、記念すべき1作目から、

〇1962年 007ドクターノオ Dr.No 主演ショーン・コネリー

映画化シリーズ記念すべき1作目。小説ではジェームズ・ボンドシリーズ6作目。日本での初公開時のタイトルは(007は殺しの番号)。そちらのタイトルも味があって良いですね。すでに初回からマネー・ペニーやM、犯罪組織スペクターなどの今も登場するお馴染みのキャラクターが登場しています。

〇1963年 007ロシアより愛をこめて From Russia with Love 主演ショーン・コネリー

映画でのシリーズの人気や、スパイ映画の人気も決定づけた名作。小説では第5作目。日本での初公開タイトルは(007危機一髪)。ちょっと単純ですね。本作からオープニングの有名なシーンや秘密兵器などその後のシリーズに引き継がれる設定が固まった。

〇1964年 007ゴールドフィンガー Golefinger 主演ショーン・コネリー

小説では7作目。シリーズ当初は少ない予算の作品だったが、この辺りから大作映画になってきてます。敵役で現役プロレスラーハロルド坂田が登場。その後、偽ブルース・リー映画とかに出てました、、。

〇1965年 007サンダーボール作戦 Thundeaball 主演ショーン・コネリー

小説では8作目。本来は映画化1作目のはずだったが、権利関係で訴訟問題になって遅れて製作された作品。その後その問題がこじれて最近まで争いは続いていたそうです、、。因みに本作は日本の1966年度劇場興行収入で断トツの1位作品。

〇1967年 007カジノロワイヤル Casino Royale 主演デヴィッド・ニーブン

別会社製作による、シリーズ番外編。スパイ映画を完全にパロディとして笑い飛ばした作品。でも、キャストはピーター・セラーズ、オーソン・ウェルズ、ウディ・アレン、ジャン・ポール・ベルモンドと超豪華。

〇1967年 007は二度死ぬ You Only Live Twice 主演ショーン・コネリー

日本が舞台の異色編。丹波哲郎、浜美枝、若林映子など日本人キャストが多数出演。シリーズが増えてくるとこういう番外編は増えてきますね。ウルヴァリンも途中で日本来ましたね。スペクターのボス役でドナルド・プレザンスが初登場。

〇1969年 女王陛下の007 On Her Majesty`s Secret Service 主演ジョージ・レーゼンビー

ボンド作品の異色編。本作のみで変更になったジョージ・レーゼンビー主演。その後香港映画でジミー・ウォング主演の(スカイ・ハイ)とかアンジェラ・マオ主演の(電撃ストーナー)なんかに出てました。しかも、本作でボンドは結婚し、しかもスペクターによって奥さんを殺される、という異色展開。

〇1971年 007ダイヤモンドは永遠に Diamonds Are Forever 主演ショーン・コネリー

ショーン・コネリー復帰作にして最終作。物語的には前作より引き継いでおり、前作で殺害された奥さんの復讐を本作で果たす、という内容。でも、原作には登場しない、スペクターのボスを登場させてしまったので、訴訟問題がこじれて、近年の(スペクター)まで、スペクター自体が登場しなかったようです、、。長い間揉めてたんですね、、。

〇1973年 007死ぬのは奴らだ Live And Let Die 主演ロジャー・ムーア

3代目ボンド、ロジャー・ムーア登場。ジョーン・コネリーとイメージを変えるために明るいコメディチックなシーンが多くなっている。この路線はダニエル・クレイグ版で路線変更するまで続きます。時代の変化ですね。

〇1974年 007黄金銃を持つ男 The Man with the Golden Gun 主演ロジャー・ムーア

シリーズ4作品で監督を担当したスパイ映画の名匠ガイ・ハミルトン監督の最終作。敵役でドラキュラ役で有名なクリストファー・リーが登場。脇役でヒップ中尉が続けて登場。その部下役で、香港カンフー映画(ドランクマスター酒仙拳)やチャウ・シンチーの(カンフーハッスル)などで人気のユン・チウが出演しています。興行的には不振作。

〇1977年 007私を愛したスパイ The Spy Who Loved Me 主演ロジャー・ムーア

前作の2倍の予算で興行収入も2倍になったシリーズ中最高収入作品(当時)。有名なリチャード・キール演じる殺し屋ジョーズ登場。この作品ぐらいから、時代の流れに合わせてコメディ路線の完全娯楽作品になっていきます。ジェームズ・ボンドの第二期黄金期。でも、その娯楽路線は次作でかなり荒唐無稽な方向に、、。

〇1979年 007ムーンレイカー Moonraker 主演ロジャー・ムーア

(スターウォーズ)の公開によるSFブームの影響で、ボンドがまさかの宇宙で戦うというかなり荒唐無稽なファンタジックな路線に、、。前作に引き続きジョーズも登場する100%娯楽映画。時代ですね。今観返すと、娯楽映画としてそれはそれで味があって良いのですが、007のイメージが、、。

〇1981年 007ユア・アイズ・オンリー For Your Eyes Only 主演ロジャー・ムーア

初めて原作が短編集のエピソードをまとめて一つにした物語に。監督がジョン・グレンに変わった1作目。前作までのSF荒唐無稽路線からアクション娯楽路線に軌道修正。本作では(女王陛下の007)で無くなった奥さんのお墓参りに行くシーンがちゃんと入っていたりします。

〇1983年 007オクトパシー Octopussy 主演ロジャー・ムーア

前作に引き続き短編小説の映画化。前作までのユナイテッドアーティスツ社から吸収合併によって現在のシリーズまで続くMGM社に製作が移った1作目。シリーズ降板宣言をしていたロジャー・ムーアが、別会社製作のショーン・コネリーの007シリーズ番外編(ネバー・セイ・ネバー・アゲイン)の出演が決まっていたために、それに対抗するために再び出演する事になった大人の事情作品。

〇1983年 ネバー・セイ・ネバー・アゲイン Never Say Never Again 主演ショーン・コネリー

(007サンダーボール作戦)のリメイクにして別製作会社によるシリーズ番外編。製作の権利をショーン・コネリーが持っていたそうで、当初はまさかのロジャー・ムーアが主演する予定だったそうです。ややこしい大人の事情ですね。監督も(スターウォーズ帝国の逆襲)などのアービン・カーシュナー。

〇1985年 007美しき獲物たち A View to a Kill 主演ロジャー・ムーア

ロジャー・ムーア最後の出演作。原作は短編。ロジャー・ムーア版娯楽路線の集大成的な大掛かりなアクション多め。ボンドガールにタニア・ロバーツ、敵役にクリストファー・ウォーケン、グレース・ジョーンズと豪華キャスト。ドルフ・ラングレンも端役出演してるのは有名ですね。

〇1987年 007リビング・デイライツ The Living Daylights 主演ティモシー・ダルトン

4代目ジェームズ・ボンドをティモシー・ダルトンが演じた25周年記念作。原作は短編。前作までのロジャー・ムーアの明るい娯楽路線ではなく、シリアス路線に変更された。

〇1989年 007消されたライセンス Licence to Kill 主演ティモシー・ダルトン

ティモシー・ダルトン出演2作目にして最終作。結局2作限りのボンド役に、、。原作はなく、ほぼオリジナルストーリーだが、短編から設定のみ使用。シリアス路線を追求した結果、シリーズ中最もバイオレンスな作品に。

〇1995年 007ゴールデンアイ 007 Goldeneye 主演ピアース・ブロスナン

5代目ジェームス・ボンド、ピアーズ・ブロスナン初主演作。監督はマーティン・キャンベル。下降気味だった人気が復活。前作の約3倍の興行成績をあげる。M役にジュディ・デンチが初登場。以降ダニエル・クレイグ版まで続くシリーズの顔に。

〇1997年 007トゥモロー・ネバー・ダイ Tomorrow Never Dies 主演ピアース・ブロスナン

監督はロジャー・スポティウッド。興行収入は前作をさらに上回り世界興行収入第4位に。敵役にジョナサン・プライス。戦うボンドガール役でミシェル・ヨーがハリウッドデビュー。以降(グリーンデスティニー)に繋がる。

〇1999年 007ワールド・イズ・ノット・イナフ The Wold is Not Enough 主演ピアース・ブロスナン

監督はマイケル・アプテッド。ボンドガールはソフィー・マルソーとデニス・リチャーズ。でもデニス・リチャーズは本作でゴールデン・ラズベリー賞を受賞、、。興行成績は(ゴールデンアイ)を越える大ヒット。また、本作でQが引退し、代わりにRにバトンタッチ。

〇2002年 007ダイ・アナザー・デイ Die Another Day 主演ピアース・ブロスナン

ピアース・ブロスナン主演最終作。シリーズ通算20作&シリーズ開始40周年記念作品。記念作品という事で随所に過去作品へのオマージュを挿入。過去に使用した歴代秘密兵器なども登場。ジョン・クリーズが新星Qとして出演。興行成績もシリーズ中一番に。ボンドガール役のハル・ベリーの主演スピンオフが製作予定となっていたようですが、なんとなく消えてしまいましたね、、。

〇2006年 007カジノ・ロワイヤル Casino Royale 主演ダニエル・クレイグ

6代目ジェームズ・ボンド、ダニエル・クレイグ初主演作品。イアン・フレミングの小説でも1作目。監督は(ゴールデン・アイ)以来のシリーズ復帰となるマーティン・キャンベル。21作目にして初のリブート作品。でもM役のジュディ・デンチは続投。ボンドガールにエヴァ・グリーン、敵役にマッツ・ミケルセンやジェフリー・ライトなどキャストも豪華。本作から配給がソニーピクチャーズに。

〇2008年 007慰めの報酬 Quantum of Solace 主演ダニエル・クレイグ

完全に前作の直後から始まるシリーズ初のしっかりとした続編。物語もそのまま前作の続きとなっている。前作と合わせて前後編的な物語。同名短編が原作だが、実際の物語はほぼ映画オリジナルストーリー。

〇2012年 007スカイフォール Skyfall 主演ダニエル・クレイグ

監督がアカデミー賞監督サム・メンデスに。シリーズ50周年記念作品。本作でM役のジュディ・デンチが殉職し、その後を受け継ぐ形でレイフ・ファインズがM役に就任している。その他、Q役にベン・ウィンショーが登場。敵役はハビエル・バルデム。

〇2015年 007スペクター Spectre 主演ダニエル・クレイグ

監督は前作に引き続きサム・メンデス。敵役にクリストフ・ヴァルツ、ボンドガールにモニカ・ベルッチとレア・セドゥ。(サンダーボール作戦)から続いていた訴訟問題が解決し、スペクターの名称使用権が戻り、早速そのままタイトルに。でも、内容批評的には前作に及ばず、賛否両論に。

〇2020年 007ノー・タイム・トゥ・ダイ No Time To Die 主演ダニエル・クレイグ

近日公開予定。ダニエル・クレイグ主演最終作。

という流れになっています。

年代ごとに振り返ると時代と共にジェームズ・ボンド像も、作品の内容も、下手したらジャンルごと違う、

ぐらいに変化に敏感なシリーズとなっています。

それでも、作品イメージとして一向にブレないのは、初代のショーン・コネリーが定着させたキャラクターイメージがそのまま根付いているからなのでは、ないでしょうか。

ダニエル・クレイグ版も今回の新作で最終作という事ですので、次回以降どうなるかも楽しみですが、

おそらく、ショーン・コネリーが作ったジェームズ・ボンドというキャラクター像は、この先も覆る事はなさそうですね。

それぐらいにショーン・コネリーが残した遺産は大きいという事ですね。

それでは、本日もお立ち寄り頂きありがとうございました。

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