RUN/ラン (RUN)90分

投稿者: | 2021年6月23日

お薦め度 ★★★★★★☆☆☆☆

憧れの大学進学を夢見る車椅子の少女が、異常なレベルの母の愛から脱出する姿を描いた(SEARCH/サーチ)監督による監禁サスペンス!!

作品紹介

2021年6月18日公開

今回ご紹介するのは、車椅子を使用している少女が、母親の異常な愛に監禁状態となる監禁サイコサスペンス作品です。

それでは、まずはあらすじから、

郊外の一軒で暮らすクロエ(キーラ・アレン)は、献身的な母ダイアン(サラ・ポールソン)と仲良く暮らしていた。

クロエは幼少期より慢性の病気を患っており、車椅子生活を余儀なくされていたが、人一倍向上心は強く、大学進学を希望し、受験の結果を待っていた。

しかし、そんな時、献身的に支えてくれている母親から渡された薬に疑念を抱き始めた事で、日常の全てが一転するような出来事に発展していく、、、!?

二階建ての家屋は車椅子用のリフトを完備

傑作サスペンス(Ssearch/サーチ)のアニーシュ・チャガンティ監督・脚本による、ヒッチ・コック風の王道サスペンス作品です。

アニーシュ・チャガンティ監督のデビュー作である前作は、物語の全てをパソコンのモニター上で描いていく、というPOV系のサスペンス作品の変化球的な内容が秀逸の傑作となっていました。

モニターでのメッセージのやり取りと、POV映像だけで、しっかりと物語が展開し、ミスリードも誘い、最後には捻りも見せる、という非常にサスペンスフルな作品となっていました。

そんな前作を受けて、注目の第二弾である本作ですが、本作は同じサスペンス系の作品ではありますが、前作のような変化球的な作品ではなく、

ヒッチコック風の王道サスペンス作品となっています。

監督自身がヒッチコック監督や、M・ナイトシャマラン監督作品の大ファンだという事で、設定や、物語展開など、往年のヒッチコック作品を思い出させるようなゾクゾクする作品となっています。

まず、主人公は幼少期より、持病があり、その病気による慢性的な、吐き気や虚脱感、下肢の麻痺などがあり、車椅子生活を余儀なくされています。

生活は郊外の一軒家で母親と二人きりですが、親子の仲は良好で、常に娘を献身的に支えてくれる母親と前向きな娘で、二人三脚、平和な日々を送ってきました。

そんな二人の生活は、娘クロエが母ダイアンに渡された新しい薬を何気に調べた事で一変します。

その薬は、絶対に人間が服用してはいけないような薬だったのです。

その瞬間から、クロエの幸せな日々は一転して地獄の日々に変わります。

母親は何故、絶対に人間が服用してはいけないような薬を自分に飲ませるのか?

しかも、偽装してまで飲ませている理由は?

というより、もしかしたら自分の病気は、その薬が影響しているのでは?

など、一つの嘘を疑い出すと、今まで信じていた愛の象徴である母親の姿が、恐るべき監禁者へと変貌を遂げていきます。

なんなんだ、この薬は?

ダイアン自身も、疑い出したクロエに対して、ごまかし切れるレベルは早々に過ぎ去り、本来の姿をさらけ出していきます。

果たして、本来の姿をさらけ出したサイコな母親から、体が不自由な状態の娘は逃げきることができるのか!?

というのが、物語の大筋となっています。

ですので、本作では、前作のような色々推理しながら、行方不明の娘や犯人を探していくような頭を使う展開ではなく、いきなり絶体絶命のピンチに陥った主人公が、

どのようにして、脱出していくのか?という部分にテーマを絞った作品となっています。

前作とはタイプは違いますが、本作も非常にハラハラドキドキが持続する傑作サスペンスとなっています。

狂気の母親を演じるのは(アメリカンホラーストーリー)で5度エミー賞にノミネートし、同シリーズで監督デビューも果たした才人サラ・ポールソンがイメージを覆すような危機迫る演技で主人公を追い詰めます。

キレる母

ですが、母親も物凄いですが、本作の物語の注目ポイントは、なんといってもその困難な状況にある日突然陥ってしまう実際の主人公である娘の方ではないでしょうか。

慢性的な病気による障害と戦いつつも母親の愛によってポジティブな明るい少女として育ちながらも、母親の狂気に気づいて絶望、

でも、持ち前の前向きな性格で、自由への希望は決して失わず、なにがなんでも脱出しようとする、その力強い主人公像は、見ていて感動すら覚えます。

ラストシーンでは、女性主人公ではありますが、まるでポパイがピンチに陥ってほうれん草を食べて百人力になるように、自身の夢見る未来のために、計り知れない力を発揮します。

それまでのドラマの積み重ねがあってこそ、カタルシスを感じる事のできる名シーンです。

主人公は諦めない!

そんな、どんな状況に陥っても、決して希望を失わない車椅子のヒーローを演じているのは、

実生活でも車椅子を使用しているキーラ・アレンです。

本作が劇場映画デビュー作にして初主演という期待の新星ですが、オフブロードウェイなどの舞台では既に活躍しているようで、脚本家としての一面も持っているような才気あふれる新星です。

本作の出演はオーディションに参加して勝ち取ったそうですが、本作の完成度はそのまま、このキーラ・アレンの貢献度に比例する、

と言っても良いぐらいの活躍を見せてくれていますので、今後の活躍には大いに期待できそうですね。

という事で、本作は難しい頭を使うようなサスペンスではなく、エンターテイメントとして気軽に、ハラハラドキドキを味わう事のできる作品となっていますので、

機会がありましたら、是非ご鑑賞ください。

ラストのきつ目の落ちもスカッとして良い感じですよ。

作品情報

2020年製作 アメリカ製作 サスペンス

監督・脚本 アニーシュ・チャガンティ

出演 サラ・ポールソン、キーラ・アレン、パット・ヒーリー、サラ・ソーン

それまでのイメージが一変する後半は圧巻

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