【修行映画!】ドアーズDOORS(DOORS)81分

投稿者: | 2023年9月1日

修行度 🔥🔥🔥●●●●●●●

ある日突然地球上の各地に出現した未知の生物のようなドアを巡るドラマを、4話のブツ切りオムニバス形式で描く、結末無し説明無しのSFアドベンチャー!!宇宙には行きません!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、未知の生物に対処する人々を描いたSFオムニバス作品です。

それでは、まずはあらすじから、

突如世界の各地に謎の生物のような扉が現れた。

突然のロックダウンで、生徒たちは学校に閉じ込められ、扉の裏側を探るチームはその裏側で悪夢を見ることになり、

ある科学者は森の奥にある扉との対話に成功し、ある科学者は扉に支配されてしまうのだった!?

SFオムニバス作品(ポータルズ)の製作者クリス・ホワイトが、同じような設定で同じようにオムニバス形式で謎の扉に対処する人々を描いたSFオムニバス作品です。

で、本作は4話のオムニバスでそれぞれ別人が監督していますが、全ての脚本を2話目と4話目の監督サマン・ケッシュが執筆していて、

作品全体の製作なども兼ねていますのでこのサマン・ケッシュクリス・ホワイトが全体の指揮を執って製作した作品だと思われます。

サマン・ケッシュは音楽アーティスト、プラシーボのPV等や短編映画等を手掛けていた監督で、そういう意味では、短い内容の映像が得意な監督と言えそうです。

サマン・ケッシュ

で、それぞれの物語としては、学校で居残り授業を受けている(多分)四名の生徒が、学校外での多数のジェット機の飛行や、

ラジオの情報で、外の世界で何やらとんでもない事が発生している事を知るものの、外に出ようとしても、

廊下に何か生物のような正体不明の扉が立ちふさがって外に出る事が出来ずに学校に閉じ込められてしまう、

ファイブ・イヤーズ 12歳少女行方不明事件)等のジュリアン・コリンズ出演の【ロックダウン】、

ジュリアン・コリンズ
ジュリアン・コリンズ

そして、その数か月後、扉に吸い込まれた行方不明者も多数出した後、色んな場所でその扉の中を調査しようとする者たちが現れ、

ある森に存在する扉の裏側をチームで調査する若者達を描いた(エクスタシー)等のリナ・エスコ出演の【ノッカーズ】、

リナ・エスコ
リナ・エスコ

さらに数か月後、扉に対する政府の調査も進まない中、森の奥深くにある扉に、独自のアプローチで、意思疎通できるようになった学者と、

その友人の学者たちを描いた、(イット・カムズ・アット・ナイト)(詳しくはこちら)等の音楽家として活躍しているキープ・マローン出演の【ラマージ】、

キープ・マローン
キープ・マローン

さらにその後、ネット番組(多分)で、ある独特の説を説く科学者へのインタビュー中に巻き起こる出来事を描いた

ザ・ルーキー 40歳の新米ポリス!?)等のダリウス・レヴァンテ出演の【インタースティシャルズ裂け目】等、

合計4話の物語が描かれていきます。

ダリウス・レヴァンテ
ダリウス・レヴァンテ

クリス・ホワイトが製作した(ポータルズ)も同じような内容ですが、スタンリー・キューブリックの(2001年宇宙の旅)に多大な影響を受けているようで、

モノリスのような扉を中心にしたSFドラマが複数製作されていますが、本作の4話の物語は、世界観は同じながらも、

それぞれが完全に独立した物語で、最終的に繋がっていくという展開にはならずに、それぞれで完結してしまいます。

で、さらに、それぞれの物語が、全て完結せずに、ほぼバッドエンディング直前ぐらいで放り投げてしまうような物語で統一されていますので、

結果的に後味の悪さを4回味わう事になります。

地球にて

出だしの【ロックダウン】は、流石に世界観を説明する必要もありますので、若干丁寧な描写で、続きが気になるような描かれ方がされていますが、

本作のボスであるサマン・ケッシュが監督している綺麗なロケーション(勿論地球です)での宇宙服っぽい防護服を着た調査隊の物語ぐらいから、

地球にて

ハッタリ感は強まっていき、3話目ぐらいからブツ切り結末の後味の悪さが高まり、

4話目の

トンデモ博士の終始ニヤケながらのインタビュー映像

で、精神的な修行度合いはかなり高まります。

一応、4話目のラストが、冒頭で挿入されるちょっとした映像に繋がる、という映画的な面白味も少しはありますが、

それまでの雰囲気の悪さを補うには至っていません。

さらに、本作、それぞれの物語の後味の悪さに加えて、それぞれの物語全てに感情移入できないキャラクターが存在し、

分数の短い物語でイヤミを際立たせるために、このイヤミキャラが、他の作品以上に暴走し、短い物語を無理矢理に引っかき回していき、

逆に主人公は受け身、というパターンが多いので、全体で81分、4話の作品で、別のイヤミのイヤミっぷりを散々見せつけられた上に後味の悪いブツ切り結末を4回観る事になる、

というなかなかの作品となっています。

脚本を全て同一人物が描いている時点で、オムニバス形式にする意味もほとんど無いような気もしますが、

厭な感じで統一されている世界観は、サマン・ケッシュ独特の世界観なのだと思われます。

自身が監督している物語だけ、明らかに他の物語より予算や、綺麗な場所に撮影しに行く手間もかけられています(4話目も監督していますが、オマケ的な物語です)ので、

その辺のバランス感覚が、作品全体を包む監督と製作者の独特の世界観となって作品を包んでいるようにも感じられます。

という事で、恐らく鑑賞するほとんどの方が、地球以外の他の惑星や、数百年後の地球等、今現在の世界と違う世界の物語を期待して鑑賞する作品だと思われますが、

内容は、今現在の地球から一ミリも離れない、後味の悪い4話のオムニバス作品となっていますので、

もし、ご鑑賞の機会があるようでしたら、物語ごとに休憩しながらのご鑑賞をお勧めします。

作品情報

2021年製作 アメリカ製作 SFサスペンス

監督 ジェフ・デゾム、サマン・ケシュ、デューガン・オニール

出演 ウィルソン・べセル、ジュリアン・コリンズ、リナ・エスコ、ジョシュ・ペック、キープ・マローン、ジョーダン・ロック、ダリウス・レヴァンテ

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