おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
呪われたおもちゃ達が、人々を襲う、80年代90年代ホラーにオマージュを捧げた、独特の表現でショックシーンを描く特撮ホラー作品!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、呪われた玩具が人々を襲う特撮ホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ハンナ一家は山奥にある廃小児病院をリフォームして売るために、クリスマス時期に一家で訪れていた。
しかし、到着早々に屋敷に置いたままになっていたおもちゃで遊ぶ子供達の様子がおかしくなり始める。
さらに、屋敷内で不可解な事が起こり始め、ついに家族が何者かに襲われ始めるのだった!?
80年代90年代に人気のあった人形、おもちゃ系ホラージャンルの最新作です。
監督は(シークレット・オブ・ハロウィン)のニコラス・ヴェルソで、80年代のおもちゃホラー系にオマージュを捧げたような世界観を復活させています。
主演の母親役には、テレビドラマ版の(シャドウハンター)等に出演しているキャナ・テレサで、幼い子供達を守る母親として、
呪いのおもちゃ達に果敢に挑んで行きます。
で、幼い子供達のベビーシッター役で、(スパイダーマン)の親友役ネッド・バタロンがバンパイアヒーローを演じるテレビドラマ(Reginald The Vampire)等に出演している
ジョージア・ウォーターズが登場し、母親同様に子供達を守っていきます。
そんなスタッフ・キャストが揃った本作は冒頭、ある山奥に、住人がいなくなったある小児病院に、そこをリフォームしつつ、
クリスマスを過ごす目的で、ある一家がやってくる所から始まります。
で、いざ生活を始めてみると、屋敷の中で何かの気配を感じ始め、子供達の様子がおかしくなり始めて、
少しづつ常識では説明できないことが起こり始め、次第にその元小児病院に残されていたおもちゃ達が自ら動き始める、、、、
という感じで、オーソドックスなホラー展開へと突入していきます。
おもちゃが人間を襲う、というと(チャイルドプレイ)や(パペットマスター)シリーズ、(デモーニックトイズ)シリーズ等がこれまでにも製作されましたが、
本作はどちらかというと(チャイルドプレイ)のようなしっかりとした予算の作品ではなく、(パペットマスター)(デモーニックトイズ)シリーズのような、
低予算系のおもちゃホラー作品の流れを汲む作品となっています。
ただ、本当に低予算で、そうせざるを得なかった、というより、両シリーズにオマージュを捧げたような作品となっています。
はっきりとそうと分かる理由は、この作品に登場する呪われたもちゃ達が描かれているほとんどのシーンが、、、、
まさかのストップモーションアニメ
で製作されているからです。
呪われたおもちゃ達は、本作においてはかなり重要なキャラクター(下手すると主人公以上に)ですので、
その作品の重要な存在を表現するのに、今の時代でCGを用いずにストップモーションアニメで表現するのは、恐らくあえて手間と予算を懸けているとしか思えませんので、
ストップモーションアニメホラーの代表格(パペットマスター)等の路線を狙った作品だと思われます。
ただ、(パペットマスター)等はあくまでコメディホラー的なユニークな要素(良い意味でのおふざけ感)が売りでしたので、
ストップモーションアニメーションでのカクカクとした動きの人形特撮でも、楽しく鑑賞できるのですが、
本作は、そういう雰囲気のホラー作品では無く、全体的には真面目に怖がらせるタイプのホラー作品ですので、
散々不穏な空気で家族への危機感を煽った挙句に開始から40分経過してやっと登場した呪われたおもちゃが、
まさかのカクカク表現で、しかも、登場する結構なシーンで、
背景が合成で、おもちゃが浮き上がってしまっている状態
での登場ですので、
リアルな恐怖に怯える人間キャストとカクカク異空間を浮遊している呪われたおもちゃのわんぱくなシーンがどうしても同じ世界観とは思えないようなシーンの連続となっています。
おもちゃ達も、おしゃべりなキャラクターもいたりますが、特に(パペットマスター)のキャラクター達や、(チャイルドプレイ)のチャッキーのように、
憎たらしいけれど、その活躍から目が離せない、といった魅力を持っているわけでもなく、ただただ騒いで、人間に危害を加えるだけ、
という感じですので、わざわざストップアニメーションで表現している意味もあまり感じられないような見せ場となっています。
それと、本作登場人物達の家庭環境が非常にややこしく、
父、母、長男、長女、次女、の家族5人に、女性のベビーシッター、男性の屋敷の改修人、の二人を加えた合計7人がメインキャストなのですが、
この家族が、父と長女(15歳)の二人が血の繋がった親子で、母と長男(幼い)と次女(幼い)の3人が血の繋がった親子、
そしてベビーシッターの女性は、以前に子供を出産する前に亡くしてしまうという悲しい過去を持ち、屋敷の修理に来ている気の良いおじさんは、
帰宅しようと思っていたらクリスマスなのに、猛吹雪で帰宅できないために屋敷に留まる、という一家族の物語に見えて、
実は色んな背景を背負った別パーティの混合メンバーのような構成になっています。
この家族構成と微妙な関係を説明していくのに40分かけて、大体説明が終わるとやっと本題に入って行く、という感じです。
長女は母親を名前で呼びますし、幼い弟達を気味悪がりますし、母親は長女と上手くいっているようには見えないですが、幼い子供達は凄くなついている、
という感じで、本来こういう作品では一家族の愛が試される、という感じの流れになる事が多いですが、本作もそうなりながらも、
プラスアルファの要素が多いために、役割分担も分散してしまいます。
簡単に言ってしまうと、母親役が二人いて、父親役も二人存在しますので、勿論見せ場も分散してしまい、
さらに、母2人、父2人、それぞれがイヤミ担当や、変人等が存在せずに、全員基本的に善人ですので、本当に役割が分散してしまいます。
で、さらに、母親役が二人存在する意味もクライマックスぐらいになって判明するのですが、これがまたカクカクストップモーションアニメおもちゃの世界観とは全く合わないようなクライマックスで、
要するにギレルモ・デルトロ等のスペイン系ゴシックホラー作品に見受けられるような(作品名を書いてしまうとネタバレになってしまいますので割愛させていただきます)
切ないクラマックスでエンディングを迎える事になります。
勿論、さっきまでカクカクおもちゃと空想バトルを繰り広げていたようなホラー作品で、急に切ない展開になったとしても、
なかなか気持ちの切り替えができるはずもなく、エンディングシーンでも違和感を感じながらの終幕となってしまいます。
ただ、クリスマス時期に鑑賞するホラー映画としては、雪に包まれた屋敷での散々な一夜の物語としての雰囲気は、結構出ていますので、
その時期に鑑賞する作品としては、結構盛り上がる作品だと思われます。
ただ、何故、真夏にリリースしたんだ!?
というのはありますが、、、。
夏はホラー!というのは分かりますが、クリスマスホラーは、やっぱりクリスマス時期だと思います、、。
という事で、カクカク表現は、冷めてしまう方もいるかと思われますが、冬場の寒い時期に鑑賞すると結構雰囲気のある作品ですので、
そういった時期に、もし機会があれば、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
2020年製作 アメリカ製作 ホラー
監督 ニコラス・ヴェルソ
出演 キャナ・テレサ、ジョージア・ウォーターズ、ベリティ・マークス
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