ザ・ローブ THE HEROES HIGHT VOLTAGE (CORRECTIVE MEASURES)106分

投稿者: | 2023年7月9日

おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ブルース・ウィリスが特殊能力を持つ囚人を演じ、刑務所長のマイケル・ルーカーと激突するグラフィック・ノベル原作のヒーローアクション!!

作品紹介

2023年1月27日公開

今回ご紹介する作品は、ブルース・ウィリスが特殊能力を持つ囚人を演じたSFヒーロー作品です。

それでは、まずはあらすじから、

世界中が災害に襲われ、数十億人が犠牲になった際に、災害時の遺伝子の突然変異によって、特殊能力を持つ超人達が誕生した。

その強大な力を恐れた政府は、超人専用の法律を作り、超人専用の刑務所を設立した。

そこに収監されてきたディエゴは、特別囚人ザ・ローブと接触し、ある事件をきっかけに共闘することになるのだった!?

ブルース・ウィリスが引退前に撮影済みだった未公開作の内の一作です。

共演は、最近のブルース作品では珍しい(ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー)シリーズや(クリフハンガー)等の有名俳優マイケル・ルーカーで、

ブルースのライバルとなる刑務所長を嫌味ったらしく(誉め言葉です)好演しています。

マイケル・ルーカー

で、物語上の主人公として登場するのは、日本の特撮シリーズのアメリカ版、(パワーレンジャービーストモフィアー)シリーズでもヒーローを演じているブレナン・メビアで、

【共感】という良く分からない特殊能力で、なんとなくピンチを切り抜けていきます。

ブレナン・メビア
ブレナン・メビア

で、破壊的な能力を持ちながらも、気が優しく主人公の親友となる囚人役で、(400デイズ)や(サブライム)等のトム・キャヴァナーが登場し、前半のみですが盛り上げていきます。

トム・キャヴァナー
トム・キャヴァナー

で、ブルースの今回の役柄は、世界中がある大災害に襲われ、数十億人が犠牲になった後、その災害時の何かの異変で様々な特殊能力を持つ超人が誕生し、

その力を恐れた政府は、特殊能力を封じるナリーという足かせ装置を開発し、超人独自の法を規制して、超人専用の刑務所まで新設する、

という世界観で、ブルースは、人の精神を操る能力を持つ、最も危険な囚人として特別に幽閉されている、という役柄で登場します。

ブルース・ウィリス、今回は特殊能力者役。でも、、、、座っているだけ、ですが、、、。

という事で、もうお分かりだと思いますが、今回もブルースは特別扱いなので、主演っぽくアピールされていますが、主役ではありません。

ただ、そろそろブルースのパートタイム出演に製作陣も慣れてきたのか、初めから無理に主演として扱う事は無く、

完全に大勢いる囚人の中の特別扱い、という位置での役柄ですので、物語上の違和感などは、ほとんどありません。

ですので、しっかりと他の俳優がメインで展開する物語に、ブルースが味付けとして登場する、まともな展開のB級作品を楽しめる作品となっています。

そして、その幽閉されている特殊能力者という設定から、ブルースの大ヒット作品(アンブレイカブル)(スピリット)(ミスターガラス)にあやかったような設定の、

特殊能力を持つ者たちの刑務所を舞台にしたSFヒーローものを連想しがちですが、

そうではなく、グランド・チャスティン原作のグラフィックノベル(CORRECTIVE MEASURES)を映像化した、原作ありきの作品となっています。

原作を未読ですので、どこまでが原作に忠実に映像化されているか分かりませんが、イメージ的には、ヒーローものというより、

異能の犯罪者の囚人もの、という雰囲気ですので、そういう意味では結構原作の雰囲気に合った映像化にはなっていると思われます。

ただ、本作、ジャンル的にはSFアクションには入ると思われますが、予算の都合か、原作の都合か、派手な能力を持っている割には、

派手なアクションに繋がる事はほとんどありませんので、どちらかというと、刑務所内のドラマやサスペンスに重心を置いた作品となっています。

で、そのドラマを動かしていくのも、勿論、囚人同士の争いもありますが、それよりも刑務所長であるマイケル・ルーカーの圧政ぶりと、

看守達の仕事ぶり、次期刑務所長に選ばれるのは誰だ?的は脱線サスペンス、という感じでストレートに囚人もの的な見せ場も描かれる事はありませんので、

全体的には、その刑務所を舞台にした群像劇的な作品となっています。

もしかすると、原作の人気キャラクターの活躍場面の良い所取りの結果、そうなったのかも知れませんが、

この物語構成のためにイマイチ全体的にふわっとした物語で、一応の主人公は登場し、活躍するシーンも描かれるのですが、

そのキャラクターが、後半まで中心となって活躍するわけでもなく、最終的に特別扱いのブルースが良い所を全て持っていく終わり方ですので、

それぞれが、ある程度見せ場を作った後は、なんとなくエンディングを迎えてしまっている、という流れで、主役ではないブルースマイケル・ルーカーの因縁話だけはしっかりと決着がつきます。

という感じで、超人はやたらと登場するのに、いまいち活躍せずに、消化不良感の残る物語ですが、本作の最大の難点は、

絶対に刑務所以外に物語を移そうとしない部分で、電力の供給が無くなって、特殊能力を無効化する足かせ装置が無効化されても、

囚人たちは、一人も脱獄しようとせずに、お互い元気一杯にバトルロワイヤルを繰り広げます。

一応、押さえつけようとする看守も参戦しますので、荒れた状況になりますが、それでも、脱獄しようとする者が一人も現れません。

結構、個性的な
面子も登場しますが、
喧嘩するだけ

刑務所を舞台にしているのに、かなり不自然ですが、それが暫く続いてしまうと、(Xメン)のように、ミュータントVS人間の地球規模のバトルロワイヤル

等には絶対に発展しないと分かってしまいますので、

クライマックスで描かれる、ブルースマイケル・ルーカーへのしっぺ返し、ぐらいのこじんまりとした規模で終わっているのが残念です。

壮大な対決の序章、としても描けたようなエンディングですが、恐らく続編が製作されたとしても、また監獄に戻るのではないでしょうか、、。

もしかすると、ブルースマイケル・ルーカーが出演していない方が、作品としては面白くなっていたのではないか?と思えてしまいますが、

ブルースが出演していないと、鑑賞しようと思う人も一挙に減ってしまうと思われますので、難しいところです。

サンダルプリズナーブルース

という事で、SFヒーローものとしては、かなり消化不良な作品ですが、一応、B級SF作品としては変な違和感の少ない、楽しめる作品になっていますので、

ブルース・ウィリスファンの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

2022年製作 アメリカ製作 SFアクション

監督・脚本 ショーン・パトリックオライリー 原作 グランド・チャスティン

出演 マイケル・ルーカー、ブルース・ウィリス、ブレナン・メビア、ヘイリー・セールズ、トム・キャバナー、ダン・ペイン

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