おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
街に蔓延したウィルス兵器のワクチンを開発するために、免疫学者で医師のセガールが、奔走するアクション控えめなインテリセガールのパニックサスペンス!!
作品紹介
1999年2月20日公開
今回ご紹介する作品は、スティーヴン・セガールが、悪党よりも細菌と戦うサスペンスアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
広大な自然の広がるモンタナ州エニスで、元免疫学者のウェスリーは娘と二人で幸せに暮らしていたが、
ネオナチのリーダーによって、ウィルス兵器がまき散らされてしまった。
街がパニックに陥る中、ウェイスリーはかつての研究施設でワクチン開発に挑む!?
セガールが、主にウィルスと戦うパニックサスペンス作品です。
監督は、撮影監督として(マッドマックス)シリーズや、(ウォーターワールド)、(ダンス・ウィズズ・ウルブズ)、(カクテル)等の有名作品で活躍し、
監督としては、本作と同年にハウィー・ロング主演の(ファイアーストーム)でデビューを飾ったばかりのディーン・セムラー。
その後は(マレフィセント)や(レディキュラス6)等、また撮影監督に戻ったようですので、2本だけの監督作品の内の一作という貴重な作品となっています。
何かに懲りたのかもしれませんが、、、。
で、主演のセガールは、1994年製作の(沈黙の要塞)(詳しくはこちら)から始まる反環境破壊(大自然愛)系3部作の1997年製作の(沈黙の断崖)(詳しくはこちら)に続く最終作で、
本作も、製作者のジュリアス・R・ナッソーと共に製作側も担当し、広大な土地を有する大自然の田舎町でのウィルス騒動を描いています。
共演は、年上の親友役で、(ワイルドバンチ)から(マスク・オブ・ゾロ)まで、若い頃から常にちょいワルな渋さの光る役柄の多いL・Q・ジョーンズが登場し、
浅めのドラマに深みを与えています。
で、セガールの娘役で印象を残しているのは、その後主演映画(ストレンジャーコール)や、(紀元前1万年)のヒロイン役などで、
大活躍していく事になるカミーラ・ベルで、幼いながらも名演を披露し物語に深みを与えています。
で、前半一切登場しないのに、後半何故か急にヒロイン&相棒的に(沈黙の要塞)のジョアン・チェンのような活躍を見せる役柄で、
ホイットニー・イエロー・ローブが登場しますが、本国のデータベースにも本作以外の出演作品が見当たりませんので、恐らく製作者でもあるセガールのなんらかのパワーが発動したと思われます。
で、本作、見落としがちですが、前半の診療所シーンで、アヤコ・セガール(藤谷文子)が登場し、少しだけですが、
実際のセガールと親子共演を果たす、という感慨深いシーンが存在します。
セガールの助手役ですので、その後もう少し登場してもおかしくない、少なくともどういうキャラクターかも良く分からないのに急に相棒のようになるホイットニー・イエロー・ローブよりは、
十分活躍できる役柄でしたので、2シーンぐらいしか登場しないのが残念です。
で、そんなキャストが集結した本作の物語は、広大な大自然が広がるモンタナ州エ二スを舞台に始まります。
元免疫学者でCIAの秘密研究所に勤めていた医師役のセガールが、今は田舎街の町医者として娘と二人で幸せに暮らしていますが、
その街には、ネオナチのリーダー、フロイド率いる武装集団が籠城事件を既に起こしていて、そのためにその地区一帯に緊迫した状態が続いている、というところから始まります。
で、セガールは、今日も街で経営している【Dr.セガール診療所】で、助手のアヤコセガールと共に無料で診察をしたりして、
町民とも信頼関係を築いて、平和な一日を送っていますが、
ネオナチのリーダーフロイドが、警察に投降する事で逆に街がとんでもないパニックに陥っていきます。
フロイドは、投降するにあたって、CIAの研究所から盗み出した細菌兵器(プラスティックビーカー)を服用し、
自身に故意に感染させて、留置所に囚われ、裁判所に行き、そして裁判官に唾を吐きかける、という薄汚い方法で、
ウィルスをばら撒く、という自爆テロのような作戦で、その地区一帯を恐怖に陥れていきます。
ただ、フロイド自身は細菌兵器とセットで、ワクチンもゲットしていたので、散々ばら撒いた後に、自身だけワクチンを接種して、しめしめ、、、、、、、
と、思ったら、
効くと思っていたワクチンが実は、全く効かない、
という嘘みたいな事実が判明します。
で、街ではウィルスが蔓延していき、セガールの所にかつての同僚から連絡が入り、(プラスティックビーカー)が盗まれた事を知らされます。
で、その細菌兵器の開発に携わっていたセガールは、専門家ではありますが、とりあえずワクチンも効かないので、
急いで新しいワクチンを開発しなければいけない、という状況に陥ります。
ただ、ネオナチの方の情報でもパニックに陥り、ウィルスの検査を受けた市民の中で、
一人だけ偶然免疫があって、ウィルスに感染しながら回復した者がいる!という事で、勿論その一人というのはセガールの(役柄上の)の娘、カミーラ・ベルというのが分かり切っていますので、
カミーラ・ベルの血液からワクチンを開発するためにテロリストに追われる身となります。
かくして、セガールと娘(カミーラ・ベルの方)の逃避行と、ウィルス開発大作戦が開始されます。
ただ、本作はテロリストをやっつける腕力的な見せ場よりも、ウィルス開発のサスペンスドラマの方に見所を集中していますので、
いつものような過剰な暴力は、
顔面を10発ぐらい連続で殴ったり、割れたガラス片の尖った部分を相手の脳天に突き刺す、
程度のバイオレンス描写ですので、アクション的な爽快感は薄めで、その分、秘密の研究施設でウィルスを散々研究した免疫学者セガールが、
完全に匙を投げたあとに、助手の何気ない行動からヒントを得て、(というか助手が答えを出してくれた)シンワクチンを開発し、
そのままウィルスを撲滅していく、という腕力よりも知力勝負が一番の見せ場となっています。
鍵となる要素も大自然愛が全開となっていて、クライマックスは、それまでのドタバタが嘘のように綺麗なシーンで終幕となりますが、
この辺の演出は、勿論セガールというより(ダンス・ウィズ・ウルブズ)等の大自然を舞台にした名作で撮影監督を務めているディーン・セムラーのセンスが前面に出ていると思われます。
だったら、もっと本編中に大自然愛を押し出したような内容を含めて欲しかったところですが、(沈黙の要塞)、(沈黙の断崖)と大自然愛アピールを前面に出す度に、
ラジー賞を漏れなくゲットしていたセガールの、何らかの反省が出ているのかもしれませんが、結局メッセージ性は、他の2作よりも薄めで、過剰な暴力描写も薄め、
という、セガール主演作品中でも、色んな意味でセガールらしさの薄い作品となっています。
という事で、いつものセガールアクションを期待していると、消化不良感が残りますが、大自然を舞台にしたウィルスパニックサスペンスとしては、
見所のある作品となっていますので、セガールファンの方や、大自然の景色好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
ただ、いつものアクション面での肉体的な無敵ぶりが薄まっている雰囲気の本作、
見方を変えると、、、、
結構な住民が感染して、スタッフも物凄い防護服を着ているのに、、
体の体型を隠す以外は何も防げていない、いつも通りの服装なのに、セガールだけは全くウィルスに感染しない、
という本当の意味での無敵ぶりが炸裂する作品となっています。
多分コロナ禍でもマスクしてなかったのではないでしょうか、、、。
周りが注意すると腕を可動範囲外の反対側にされそうですし、、。
作品情報
1998年製作 アメリカ製作 サスペンスアクション
監督 ディーン・セムラー 製作 スティーヴン・セガール、ハワード・ボールドウィン、ジュリアス・R・ナッソー
出演 スティーヴン・セガール、L・Q・ジョーンズ、ホイットニー・イェロー・ローブ、カミーラ・ベル、アヤコ・セガール(藤谷文子)
↓ランキングに参加しています。もし、宜しければ下記をクリックお願い致します↓
映画レビューランキング
にほんブログ村