おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
(少林寺への道)のカーター・ワンが罠にはめられて投獄された刑事の、成り行き脱獄にあやかる相棒囚人を演じたハリウッド製バディアクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、(少林寺への道)のカーター・ワンがアメリカ作品に出演したバディアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
麻薬を牛耳る悪の組織と結託した相棒の罠にはまり、無実の罪で投獄された元刑事テッドは、そこで中国人の囚人エディと知り合う。
なんとか二人で協力し、厳しい刑務所生活を送り始めるテッドだったが、そんな刑務所内にも組織の刺客は送られてくる。
しかも、その刺客は、かつてテッドがベトナム戦争に従軍した時に、命を救ったかつての友人、トニーだった!?
(少林寺への道)シリーズや(カンフークエスト覇者の剣)(詳しくはこちら)、(猫拳カンフー無宿)(詳しくはこちら)、
(邪拳迫る!死守せよ少林寺秘伝)(詳しくはこちら)等の時代劇カンフー作品で知られるカーター・ワンが、
1986年製作の(ゴーストハンターズ)の翌年にアメリカ映画に出演したバディアクション作品です。
といっても、主役ではありませんので、主役は、(デッドリープレイ復讐のプラトーン)や、(バトルグラウンド)、
(バイオスピーシーズ新生命体誕生)、そして(獣人プレデター)(詳しくはこちら)等、
兄であるデビッド・A・プライアーの監督するB級作品に頻繁に出演している、テッド・プライアーが演じ、
それなりに整った容姿なのに何故かオーラが薄めな、B級作品の目立たないヒーローをさらりと演じています。
物語上はテッド・プライアーが主人公なので、刑事であるテッド・プライアーが、麻薬売買を牛耳る悪党と結託した相棒の罠にはまり、
無実の罪を着せられて投獄され、運命的にカーター・ワン演じる囚人と出会う、という物語を引っ張る役目を担って(当たり前ですが)います。
ただ、その薄さを監督も気づいていたのか、テッド・プライアー中心に始まる物語ながらも、、
カーター・ワンが登場するとカーター・ワンがメインで活躍するアクションが描かれ、テッド元刑事は、その周りでちょこちょことアクションしている、
という、アクションの見せ場になる度にテッドの存在感がさらに薄くなる、という負のスパイラルに陥っていきます。
で、悪党組織が、監獄内にまでテッドを亡き者にするために、刺客を送ることになり、
それに選ばれるのが、その昔、ベトナム戦争にテッドと共に従軍し、命を救われた過去を持ちながらも、
退役後は、刑事と悪党組織の一員という立場を違えていた元親友、という男臭い設定の組織員トニーで、
このトニーを演じているのが監督であるトニー・ザリンダストとなっています。
ジャッキー・チェン作品に登場する、ジャッキー演じるジャッキー刑事みたいな感じでしょうか。
トニー・ザリンダストは俳優よりも監督が本業のようですが、(デスフラッシュ)や(サンフランシスココマンドー)等、
ほとんどの監督作品で、製作や脚本も担当する等、(B級限定で)多才ぶりを発揮しています。
で、この親友トニーが登場すると、今度はトニーがまるで主人公のようになり、命の恩人であり、かつての親友の殺害命令を受けた事で、
友情と忠義心の間で苦悩する、渋いドラマが丁寧に描かれていきます。
監督が出たがりなのか、単に予算の都合か、テッドの実力で判断したのか、トニーの内面の苦悩は細かく描かれるのに、
テッドの方は、ほとんど内面の描写もなく、アクションもカーター・ワンの周りでコソコソやっている、というイメージなので、
作品を最後まで鑑賞しても、印象に残るのは監督兼出演者の苦悩の表情と、
カーター・ワンが
『あちゃ、あちゃ、あちゃーぃ!!あちゃーい!』
と掛け声と共に悪漢と戦っている印象しか残らず、主役であるはずのテッドの印象はほとんど残りません、、。
で、友情と忠誠心の間で悩みつつ、とりあえずテッドとカーターを乗せた囚人護送車を、何故か彼女と一緒に襲いながらも、
やっぱり友情に目覚めたトニーは、結局4人での逃避行に突入していきます。
当事者はトニーとテッドのみ、あやかりのカーターはむしろラッキーですが、トニーの彼女は、、、何故そこにいるのか分かりませんが、
恐らくこのキャスティングもテッドの薄さカバーもあるかと思われます。
トニーの彼女を演じているのは、モーリーン・ラヴェットで、アンジェリーナ・ジョリー主演の(サイボーグ2)等に出演しています。
で、悪党組織は、実は、こっそりトニーを見張っていたので、裏切り発覚で速攻で、トニーまとめて抹殺対象になってしまいます。
かくして、4人の逃避行と組織との激闘が始まる、という感じでクライマックスへと突入していきます。
途中、ストリッパーの奥さんにどうしても会いたいカーター・ワンのストリップバーでの格闘アクション等も踏まえながら、
後半は組織の追手とのバトルアクションがメインになり、結局なところ、大ボスまでは辿り着きませんが、
それなりに実権を握っていそうな幹部を倒したので、とりあえずめでたしめでたし、という終始行き当たりバッタリな薄味アクションとなっています。
ただ、薄いなりにもサクサク進むカーアクションやガンアクション、要所に挿入されるカーター・ワンの格闘アクションで、
薄いなりにも、それなりに飽きる事なくアクションを楽しめる、80年代をしっかり感じることのできる作品にはなっていますので、
80年代90年代アクション好きの方や、格闘アクション好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1987年製作 アメリカ製作 アクション
監督・製作・脚本・出演 トニー・ザリンダスト
出演 デッド・プライアー、カーター・ワン、モーリーン・ラヴェット
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