おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
キプロスを舞台にコナン・リー&サイモン・ヤムが、フィリップ・コー、ロビン・ショウ、鹿村泰祥と激闘を繰り広げる刑事アクション!!ジョイ・ウォンも一応、出てます!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、サイモン・ヤムとコナン・リーがコンビを組んだ刑事アクション作品です。
それではまずはあらすじから、
キプロスで刑事として活躍しているディック・キッド・ボムの【キプロスの虎】たちは、街で暗躍する偽札組織のボス、キングを逮捕するために捜査を進めていた。
しかし、捜査の過程でキングの罠にはまり、一時停職となってしまったディックとボムだったが、留守中にキッドがキングに襲われる事件が発生したため、
復帰後、キングの組織を壊滅させるためにディックとボムは決死の作戦を決行する!?
今現在も演技派として活躍し続けるサイモン・ヤムと、(龍の忍者)等で第二のジャッキー的なカンフースターとして売り出されたコナン・リーが共演した刑事アクション作品です。
サイモン・ヤムは、同年に同監督の(紅い愛の伝説)(詳しくはこちら)や、ブレイクのきっかけともなった(香港舞男)等への出演で、
人気が急上昇中の時期で、本作でも、コメディにカンフーアクションにガンアクションにと大活躍を見せています。
対するコナン・リーは1988年にチョウ・ユンファと共演した(タイガー・オン・ザ・ビート)(詳しくはこちら)に出演し、
その続編が製作された1990年に出演している作品ですので、その2作で演じたキャラクター設定と非常に似ていて、
同キャラクターをさらにコメディ色強めたような主人公となっています。
この二人+ちょっと目立たない存在の警察官を(彼女はシークレットエージェント3)でも助演しているチョン・チータクが演じ、一応トリオとして活躍していきます。
因みに、ジョイ・ウォンに関しては正直まったく重要な役柄ではなく、キプロスが舞台なのに、中盤何故かサイモン・ヤムが香港に帰省し、奥さん役のジョイ・ウォンと再会し、
なんとなくまたキプロスに戻っていく、という、どう見てもジョイ・ウォンのスケジュールをぬって急遽そのシーンだけ撮影したような強引な登場の仕方となっています。
恐らく(紅い愛の伝説)との兼ね合いで、なんとか本作の出演シーンを強引に撮影した、という感じでしょうか。
作品的には、どう見ても脱線ですので、必要とは思えないシーンですが、恐らく当時のジョイ・ウォンの人気ぶりからすると、このシーンの存在が作品セールスに大きく影響したと思われます。
監督は悪役が多めのカンフースター、フィリップ・コーとジャッキーの(神拳ヤングボディガード)や、チョウ・ユンファ主演の(ゴッド・ギャンブラー)等の日本人カンフースター鹿村泰祥、
という事で、同年製作の(紅い愛の伝説)(詳しくはこちら)と同時期に製作(もしかすると2本撮りぐらいかもしれません)された作品となっています。
そちらも、同監督コンビで、同じく出演もこなし、主演がサイモン・ヤム、重要な役柄でジョイ・ウォンも登場し、
海外ロケシーンの多い作品で裏社会が舞台となる、という事で共通点の多い2作品となっています。
ただ、その2作品、共通点は多いものの、実際の内容がかなり違う雰囲気で、完全なノワールものにカンフーアクション要素を加えた(紅い愛の伝説)に対して、
本作は、(スカイハンガー)(詳しくはこちら)が製作されたキプロスを舞台にしていますので、カラッとした陽気な明るさに包まれていて、
終始、ノー天気なコメディ刑事アクションシーンの連続となっています。
そんな本作の物語は、至ってシンプル、というか、ほとんどストーリー性は無いに等しい物語で、キプロスの警察に勤務する中国人刑事3人が、
表の顔は、慈善事業を行う地元の有力者、しかし裏の顔は、偽札で巨大な利益を得ている大悪党と激闘と繰り広げる、
という分かり易いストーリーを、テンポ良く進めていくのではなく、物凄く脱線に次ぐ脱線を繰り返して、
最終的になんとなく決着を付けていく、という実に香港映画らしい、勢い重視な作品となっています。
正直あまりの脱線ぶりに、結構長い間、何を観ているのか分からなくなってしまったりもします。
例えるなら(福星)シリーズのお笑い要素のみを、笑いの部分をもっともっと寒くしたような感じで、それが意外に長く続く、という感じでしょうか。
という感じで、ストーリー的には無いに等しい作品ではありますが、面白くないのかというと、決してそうではなく、
カンフーアクションを数多く製作してきたプロが集まって製作している作品ですので、アクションが非常にハイレベルで、
さらに、(タイガー・オン・ザ・ビート)のように現代アクションとカンフーアクションが上手く融合してしますので、
非常に手に汗握るアクションシーンの連続となっています。
ストーリーはイマイチ、アクションはピカイチという感じでしょうか。
特に後半、ラスト近辺で展開されるサイモン・ヤムとコナン・リー、コンビと鹿村泰祥、ロビン・ショウコンビの混合バトルは非常に盛り上がり、
その後に続くフィリップ・コーとのバトルも非常に名勝負で、それぞれが見逃せない見所となっています。
名アクションシーンを彩るロビン・ショウは、本作の5年後にハリウッド作品の(モータルコンバット)で有名になりますが、本作で既にその素晴らしいアクションを披露しています。
という事で、アクションが素晴らしいだけに、ストーリーのスカスカ感が非常に残念ですが、当時の香港映画の勢いは感じられる作品となっていますので、
香港映画好きの方や、ジョイ・ウォンファンの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1990年製作 香港製作 アクション
監督 フィリップ・コー、鹿村泰祥 製作総指揮 フィリップ・コー アクション監督 鹿村泰祥、パンサー・ウォン
出演 サイモン・ヤム、コナン・リー、ジョイ・ウォン、フィリップ・コー、鹿村泰祥、チョン・チータク、ロビン・ショウ、ロジャー・トーマス、ジョン・ラダルスキ、ウィンストン・エリス、ソフィア・クロフォード
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