おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆
期待の新人監督、マイケル・サルノスキとニコラス・ケイジがタッグを組んで描く、ブタをさらわれた世捨て人のリベンジスリラー、、、、ではなく、ある出来事が原因で世捨て人になってしまった男が、ブタを探す旅の果てに、踏み出せなかった第一歩を踏み出す、じんわり男泣きドラマ!!
作品紹介
2022年10月7日公開
今回ご紹介する作品は、ニコラス・ケイジが新人監督と組んで描くサスペンスドラマです。
それでは、まずはあらすじから、
オレゴン州の森の奥深くで、トリュフハンターのブタと暮らす孤独なロブは、ある日何者かの襲撃を受けて大事なブタをさらわれてしまう。
唯一の家族で親友のブタを奪い返すため、ロブはトリュフの取引相手である青年アミールの協力を得て、街へと帰ってくるのだった!?
ニコラス・ケイジ主演のサスペンスドラマ作品です。
配給会社の宣伝文句、
【二コラス・ケイジが愛するブタを奪還する、慟哭のリベンジスリラー!】
というような内容の作品ではなく、
ある出来事が原因で、世捨て人になってしまった男が、ブタを探し、その旅に決着をつける事で、今までずっと踏み出せなかった第一歩を踏み出せるようになるまでを描いた男泣きドラマ
となっています。
ですので、この宣伝文句から期待される、亡くなった奥さんの犬を殺された伝説の殺し屋が、マフィア相手に百倍返しバトルを繰り広げる爽快なアクション映画(ジョン・ウィック)
のようなリベンジアクションやリベンジスリラー要素は、ほとんどありません。
もっというと、ニコラス・ケイジは喧嘩が強い、という役柄でもありませんので、殴られたり蹴られた要るするシーンはありますが、
やられるだけです。
ですので、まずリベンジではなく、ただ、可愛がっていたトリュフハンターのブタを奪われたので、純粋に取り戻したい、というのが本作主人公の行動の理由です。
どれだけの量のトリュフを採取できて、どれだけの金額になる、という事が描かれていないので、ピンときませんが、
それだけでとりあえず山奥の小屋で自給自足生活ができてしまうほど、なのでそれなりの金額を生み出す貴重なブタ、という事のようです。
ニコラスからすると、リベンジとか報復等よりも、とりあえずブタさえしてくれれば良いのですが、これが色んな所に捜索に行きますが、手がかりはそれなりにつかめるものの、
はっきりとした答えは出ず、最終的に街の有力者へと行き当たる事になります。
で、その有力者は、ニコラスが採取したトリュフを、結構な金額(それも説明されないのでピンときませんが)で買い取ってくれている若者の父親で、
親子の中はあまり良くなく、息子は強権な父親にいつも認められたいとは思いつつも、父親の前では委縮してしまって会話もあまりできない、
という一見すると金持ちの道楽息子のように見えても、実は心根の優しい若者で、色々と悩んでいる、という人間味の溢れる若者像となっています。
この若者が、ニコラスの行動に戸惑いながらも、結局協力してしまう、ある意味感情表現の薄いニコラスのキャラクターの感情面を担当しているような重要な役柄を果たしていきます。
この若者を演じているのが(ジュマンジ ネクストレベル)(詳しくはこちら)等のアレックス・ウルフで、深みのある役柄を持ち前の人懐っこい演技で、作品世界を掘り下げていきます。
全編通じて、このアレックス・ウルフと二コラス・ケイジがバディを組んで、ブタを捜索していくのですが、
最終的には強権の父親と3人が一堂に会する事になっていきます。
作品自体が、あえて、ある程度の空白の部分を残しながら、その部分を詳細に説明せずに物語を進めていく表現の作品で、
その隙間が味となっていて、謎映画的な側面もある作品ですので、あまり詳しくは書けませんが、10年ぶりに街に戻ったニコラスが、ブタを捜索して各地を訪ねるうちに、
世捨て人であるニコラスの意外な過去が、段々と明らかになっていきます。
で、ニコラスが何故世捨て人になってしまったか?という事も、なんとなく、うっすらと明らかになっていき、
この若者がどういう理由でニコラスと出会ったのか?等の語られていなかった過去の出来事も少しづつ明らかになっていきます。
で、クライマックス、父親と息子、そしてニコラスの3人の面会の果てに、ニコラスはある事実を知ることになります。
※↓ここからは、少しクライマックスに触れていますのでご注意下さい↓※
ただ、その事実と共にブタ探しの旅は終わり、ニコラスは踏み出せなかった第一歩を踏み出す決心をつける事になります。
ですので、ブタ探しの旅は、恐らくニコラスにとっての過去の出来事を含めたそれまでの生活の最後の砦でもありながら、
逆の見方をすると、過去の呪縛から解き放たれるための旅、とも言えるかもしれません。
という事で、宣伝文句で言うところのリベンジスリラー要素は、0に等しいですが、年齢を重ねた今のニコラス・ケイジにしか表現できない、
久しぶりに、かつてのハリウッドスター、ニコラス・ケイジを感じさせてくれるような、男泣きのサスペンスドラマ作品となっていますので、
ドラマ映画好きの方や、単館映画館で上映されるような作品好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
久々にニコラス・ケイジの魅力が全開に出ている作品となっていますよ。
それにしても、マイケル・サルノスキ監督、新人のようですが、今後の監督作品には大いに期待できそうで、今から楽しみです。
作品情報
2021年製作 アメリカ製作 サスペンスドラマ
監督・脚本・製作総指揮 マイケル・サルノスキ 製作 ニコラス・ケイジ
出演 ニコラス・ケイジ、アレックス・ウルフ、アダム・アーキン、カサンドラ・バイオレット
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