おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆
サモ・ハンが1人3役をこなす、お馴染みのメンバー総出演のごった煮要素が楽しいギャンブルゴーストコメディアクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、サモ・ハンキンポーが、お馴染みのメンバーを集めてギャンブル映画ブーム時に製作したコメディアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ホテルの駐車場で働くハンとホイのコンビは、ある日車泥棒専門の詐欺師リリーと出会い、その利益にあやかろうとするが、
逆に黒社会の人間に追われる身となってしまい、ホイが人質に取られ、盗んだ車の返済を含めた高額の身代金を要求されてしまう。
偶然蘇った祖父の霊の力を借りて、軍資金を稼ぎ、ホイを助け出すハンだったが、祖父は過去に自分の命を奪われた宿敵への復讐の機会をうかがっていたのだった!?
サモ・ハンキンポーが(ゴッドギャンブラー)から始まるギャンブル映画ブームに乗って製作したアクションコメディ作品です。
ギャンブルものに(鬼打鬼)、(鬼喰う鬼)(詳しくはこちら)等のお得意のゴーストコメディ要素も含ませつつ、
最終的にはカンフーアクションで決着をつける、というサモ・ハン印のお約束作品となっています。
ただ、物語的には、結構行き当たりバッタリ、というか、一本の筋道を前に向かっていくようなストーリーではなく、
割と脇道にそれながら、なんとなく終幕に辿り着く、という香港映画らしい内容となっています。
ホテルの駐車係として働くしがないサモ・ハンと相棒のマン・ホイが、金銭目当てで、詐欺麻雀等を繰り返しているが、
ある日、成金のおじさんを騙して車泥棒を繰り返しているニナ・リーを発見、
その報酬にあやかろうと、詐欺を働いてゲットしたニナ・リーを騙して車を奪い取る、という二重詐欺を重ねて他人の車をゲット、
そのまま売りさばこうとしたら、以前にニナ・リーに騙されたおじさん達の捧腹をまとめて自分が受けることになり、
なんとか逃げ切ろうとするものの、相棒のマン・ホイが人質として捕まってしまったので、やけを起こして道端のお墓を蹴っ飛ばしたら、
たまたまギャンブル王だった自分の祖父のお墓で、その弾みで祖父が霊として復活、
で、その祖父の力を借りてギャンブルで儲け、その後マン・ホイを助け出し、ついでに祖父を殺したとされる宿敵を成敗するために悪党集団の元に向かうと、
たまたまそこにニナ・リーがいたので、なんとなく一緒に悪党相手に戦う事になる、
という、ストーリー自体はブレにブレて、途中面白いギャグなんかも挿入されて気が散らされますので、
今、どういう目的で、サモ・ハンが何をしているのか?も忘れてしまう瞬間が何度も訪れてしまいます。
ですので、非常に集中力は削がれたりはしますが、そこはサモ・ハン作品ですので、合間に入るアクション自体はやはりハイレベルなアクションの連続で、
しかも、そのアクションの合間にもサモ・ハン作品でお馴染みのキャストが次から次へと顔見世的にゲスト出演していますので、
ストーリーのブレで削がれた集中力は、即座に引き戻されていきます。
そのメンバーが凄まじく、まずは祖父の霊をお祓いしようと(霊幻道士)のラム・チェンインが道士として呼ばれ、ちょっとしたアクションを繰り広げつつ、
路上で出会う白バイ警官には(五福星)等の福星シリーズでお馴染みのフォン・ツイフェンが演じ、
同じく警察官役で、福星シリーズや(霊幻道士3)のリチャード・ンが登場し、
夢のシーンでは、ギャンブラー役で、(イースタンコンドル)等への出演や(レイジングサンダー)等では監督としても活躍するコーリー・ユエンと、
(大冒険家)や(ファントムブライド)等のチョン・プイが登場、
宝くじ番組の収録シーンでは、(チャイニーズゴーストストーリー)のような恰好で、イン道士役を演じていたウー・マが登場、
思い出の中のシーンの運転手役で、(鬼打鬼)のチョン・ファが登場し、少しですがサモ・ハンとのアクションも演じ、
ラストバトルでは(帰って来たデブゴン昇竜拳)や(フィスト・オブ・レジェンド精武英雄)等のビリー・チョウが登場し、
マン・ホイとサモ・ハン両方と激闘を演じ、
そして香港スタントマン協会に始めて所属したアフリカ系アメリカ人で、後のサモ・ハン主演(死角都市香港)等にも出演しているロバート・サミュエルズとの激闘、
最後にまさかのラスボスとして登場する悪徳僧侶役の(龍拳)等のジェームス・ティエン、と3人の悪党とサモ・ハンのバトルを楽しむ事ができます。
勿論、武術指導のマン・ホイのアクションもありますし、ニナ・リーもラストで謎のカンフー使いとして前半とは全然違うイメージのキャラクターを痛快に演じています。
しかも、これだけ多くのメンバーが登場する上に、サモ・ハン(役名もハン)一家の父親と祖父も、サモ・ハンが太り1人3役をを最後まで演じ切る、
という凝った描き方で、スタンドダブルを使いながら、上手いカットの切り替え等で演じ分け、違和感がないようにシーンをつなげています。
内容的に、1人3役が必要かどうかは別として(それをギャグにするという演出は全くないので、本当の意味で1人で3役を演じています)演じ分けはしっかりできているので、
1作で、サモ・ハンを3倍味わう事ができる作品となっています。
恐らく、撮影には相当な手間がかかっているのではないでしょうか。
というわけで、正直物語はブレブレなので、面白ストーリーとまでは行きませんが、勢いは全盛期とはいかないまでも、
サモ・ハン作品の、あのワイワイガヤガヤとした楽しい雰囲気は十分味わえる作品となっていますので、香港映画好き、アクション映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1991年製作 香港製作 アクションコメディ
監督・製作 クリフトン・コー 製作総指揮 イップ・ウィンツォー 武術指導 マン・ホイ
出演 サモ・ハンキンポー、マン・ホイ、ニナ・リー、イップ・ウィンツォー、ラム・チェンイン、ジェームス・ティエン、チョン・ファ、リチャード・ン、フォン・ツイフェン、ウー・マ、ビリー・チョウ、ロバート・サミュエルズ、チョン・プイ、コーリー・ユエン
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