おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
ヤクザ組織に両親を殺された女性が、祖父の日本刀の導きによって復讐の鬼と化す!!ブラジルで人気のグラフィックノベル(SAMURAI SIRO)を米国で活躍中のアーティストMASUMIを主演に映像化したレディースソードアクション!!
作品紹介
2022年1月7日公開
今回ご紹介する作品は、ブラジルで人気のグラフィックノベル(SAMURAI SIRO)の映像化作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ブラジルで暮らすアケミは、ある日記憶を失った男が所持していた日本刀の導きによって、自身の両親がヤクザ組織に惨殺された事実を知る。
そこで、自身のルーツを知り、運命を受け入れたアケミは、日本刀村正を手に、両親の仇である敵対勢力へと戦いを挑むことになる!?
マーベルコミック(デッドプール VS. ガンビット)等が有名なブラジルで活躍するコミック作家ダニーロ・ベイルース原作による人気のグラフィックノベル(SAMURAI SIRO)の映像化作品です。
ダニーロ・ベイルースは、日本の名作劇画(子連れ狼)等に非常に影響を受けているようで、日本の義理、人情等を題材とした剣客ものにインスパイヤされたようなシーン多も多く、
剣道や武道などの精神を物語に上手く取り込んでいるのが特徴の原作となっています。
そんな日本文化を取り入れたコミックを映像化したのは、ブラジルのヴィセンテ・アモリン監督で、ヴィゴ・モーテンセン主演のナチス政権下の人間ドラマ(善き人)や、
戦後のブラジルの日系移民社会で起きた事件を伊原剛志、常盤貴子主演で描いた(汚れた心)、
そして謎の殺人バイカー軍団と人々の戦いを描いた(モーターラッド)と、
娯楽を追求したエンターテイメントな作品と芸術性重視のドラマ系の作品、両方で通用するような多様性のある作風が特徴となっています。
そんなヴィセンテ・アモリン監督の芸術的な部分と娯楽的な部分が良いバランスで融合されたのが本作(ヤクザプリンセス)となっています。
主演はMASUMIという米国ロサンゼルスで活躍中のシンガーソングライターで、いきなり映画初出演でいきなり主演、という事ですが、
アクションも自ら演じているようで、なかなかの存在感を発揮していますので、今後他のアクション作品でも活躍が期待できそうです。
共演は、ヴィセンテ・アモリン監督の(汚れた心)でも主演している伊原剛志が、主人公のアケミを助けるヤクザ役を好演しています。
邦画でよく見かけるような完全に気合の入ったヤクザ役なので、登場時は悪役なのかと思いましたが、中盤以降ほとんどヒーローのように
ガンアクションを披露して主人公をサポートしていきますので、ソードアクションはMASUMIが担当、ガンアクションは伊原剛志が担当、
という感じではっきりと、役割分担して活躍していきます。
で、キャストや役柄面では実は一番重要なsiro役で、(ベルベット・ゴールドマイン)や(テッセラクト)(詳しくはこちら)、
最近では(フラッシュバック)(詳しくはこちら)等が人気のジョナサン・リス・マイヤースが出演しています。
病院で意識を取り戻したら記憶を無くしていた、という(フラッシュバック)と全く同じシチュエーションの謎の男を演じていますが、
何故か日本刀を所持していて、理由も分からずに病院の職員たちに暴行を加えて病院を脱出します。
で、彷徨っているうちに、主人公である日本人アケミに出会う、という雰囲気重視の展開ですが、原作コミックのタイトルロールであり、
ラストでは、いよいよこれから活躍していくぞ!というところで終幕となりますので、続編が製作されれば、
確実に今後大活躍していきそうな役柄となっています。
ブラジル資本でブラジル製作の作品ですが、基本はヤクザ映画に近く、(HEROESヒーローズ)でも活躍している尾崎英二郎等の日本人キャストも多数出演していますが、
基本は英語で会話が進められる英語圏での公開を前提とした作品ですので、そういう意味でもジョナサン・リスマイヤースは知名度も実力も兼ね備えた重要キャストといえるのではないでしょうか。
で、期待のアクションですが、アクション自体はなかなかスタイリッシュでありながら、ブラジル人スタントマンのセンスと実力の光るカッコ良いアクションの連続となっていますが、
予算の都合からか、アクションシーン自体が少な目で、ストーリーと世界観(なんとなくブレードランナーのようなダークでオリエンタルな世界観)を見せていくシーンが多めとなっていましたので、
アクションになればテンポ良く痛快なシーンの連続となるものの、そこに行き着くまでの説明が割とゆっくり目、
というちょっともどかしい構成となっています。
ただ、それは日ごろ日本の文化や義理、人情の物語に慣れ親しんでいる日本人目線だから少々説明に退屈するのであって、
ブラジルや英語圏の人からすると全てが新鮮に映ると思われますので、説明を退屈と感じてしまうのはしょうがないのかと思われます。
それでも、ここまで日本人や日本の文化が変な誇張もほとんどなく(勿論コミック原作なのである程度の誇張はありますが)自然に描かれている海外作品も珍しいのではないでしょうか。
それもひとえに(汚れた心)で、既に日本の文化を描いていたヴィセンテ・アモリン監督の経験とセンスと実力によるものかと思われます。
という事で、独特の世界観で描かれるコミック原作のブラジル版ヤクザソードアクションとなっていますので、
レディースアクション好き、オリエンタルな世界観の海外作品好きの方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
やっぱり海外で活躍する日本人キャストの活躍を観るのは楽しいですね。
作品情報
2021年製作 ブラジル・日本・アメリカ製作 レディースアクション
監督 ヴィセンテ・アモリン
出演 MASUMI、ジョナサン・リス・マイヤース、伊原剛志
その他の日本人キャスト海外進出作品
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