お薦め度 ★★★★★★★★★★
完全な密室から漏れる秘密。犯人とその方法、目的が解ったとき、一人の天才作家の物語が始まる。
作品紹介
2020年1月24日公開
世界的ベストセラー小説ダヴィンチコードシリーズの第4作インフェルノ、が翻訳出版される際に、迅速に秘密裏に翻訳出版するために11人の翻訳家を地下室に隔離して作業を行わせた、という実話を元にした作品です。
それでは、まずはあらすじから、
世界的ベストセラー【デダリュス】の第三巻を翻訳・出版するため権利を持つ出版社社長エリック(ランベール・ウィルソン)はネタバレの厳守のため、出版予定の9か国の翻訳家を自社の地下室に隔離し、外界との連絡手段をたち、屈強な警備員の監視の元に翻訳させようとしていた。
しかし、翻訳作業を開始しだすと外部には一切出ていないはずの冒頭10ページが、突然ネットに流出し、犯人が24時間以内に500万ユーロを支払わなければ次の100ページも流出する、と脅してきたのだった。
【デダリュス】の内容を知っているのは著者と社長のエリック、そして密室で隔離されている翻訳家の9人のみ。
犯人はいったい誰なのか?
犯人の目的は何なのか?
9人はお互い疑心暗鬼の中、精神的にも肉体的も追い詰められていく、、。
冒頭集められる9人の翻訳家たちの人物紹介と状況の説明が非常に歯切れ良く、始まってすぐに心を鷲づかみされてしまいました。
それぞれの人物のスポットの当てられ方が絶妙で、すべての登場人物が誰も埋もれる事なく、人となりも分かってくるので誰が犯人と言われても違和感のないようになっていました。
そもそも内部に犯人がいるかどうかも分からないようになっており、後半近くまでずっとハラハラしていました。
中盤以降、ある程度の事実が分かると今度は別のタイプのサスペンス演出が加わります。
ここはまるでアクションサスペンスのようでした。
例えるなら、(オーシャンズ11)シリーズのような、複数の登場人物が一つのミッションのために周到に計画した任務をクリアしていくような、そんな展開でした。
その先には、また物語が展開して、やがて真実にたどり着く事になりますが、そこに至るまでの物語が非常に秀逸でした。
物語がどう展開するか、を書いてしまうと楽しみが半減してしまうタイプの作品なので肝心な部分は割愛しますが、
とにかく、見ている間ずっと次の展開が気になりっぱなしでした。
中盤のハラハラ感はちょっとやりすぎかと思えるくらいで、もしかしたらこの辺りで気持ちが離れてしまう人もいるかもしれませんが、
個人的には非常に楽しんで最初から最後まで鑑賞できた作品でした。
フランス映画の元々のイメージ(リュック・ベッソン作品を除く)もあり、おそらく、ほとんどの人が、鑑賞前の本作のイメージと鑑賞後の感想が、途中からの娯楽作品的な展開のため、違うタイプのものになるとは思います。
ですが、静かなイメージのあるミステリージャンルの中で、これだけのエンターテイメント的な展開に発展していく作品もなかなか珍しいと思います。
逆に、その静かなフランス映画のイメージのためにハードルを高く感じてしまっている方もいるかと思いますので、そういった方にも是非鑑賞して頂きたい作品となっています。
お薦めです。
作品情報
2019年 フランス・ベルギー製作 サスペンス
監督・脚本 レジス・ロワンサル
出演 アレックス・ロウザー、オルガ・キュリレンコ、ランベール・ウィルソン
スタッフ・キャスト
監督はタイピスト!でセザール賞新人監督作品賞にノミネートされた注目株レジス・ロワンサル。
出演はイミテーションゲームのアレックス・ロウザー、私生活のない女のランベール・ウィルソン、007シリーズなどハリウッド作品にも多数出演しているオルガ・キュリレンコ他、実力派キャストが揃っています。
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最近サスペンスにハマっちゃってるので、これはぜひ観たいですね!
最後に明かされる真実も気になりますが、先が読めない展開がとても楽しみ!
オーシャンズシリーズも非常によくできたストーリー構成でしたよね。最後のどんでん返しにはいつも驚かされます。
こんにちは、いつもお立ち寄り頂き、ありがとうございます。本作は、本当にお薦めですよ!とにかく先の読めないストーリーと、犯人というか、裏切り者の目的もはっきりしない中で、物語が二転三転するのですが、話が展開するたびに、『そうくるかっ。』と唸りますよ!で、いつの間にか(オーシャンズ)シリーズのようになっていて、スパイ映画のようになります。さらに何故そんなスパイ映画みたいな事をするのか?という秘密が後半に解ったときに、また『そうきたかー。』となります。盛り上げる音楽もカッコ良くてサントラを購入してしまいました。それぐらい盛り上がる作品ですので、お時間ある時にでも、是非ご鑑賞ください!