おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆
(VHS/シンドローム)のデヴィッド・ブルックナー、レイディオ・サイレンス等4人の監督によるホラーオムニバス!!
作品紹介
2018年8月27日公開
今回ご紹介するのは、(VHS/シンドローム)の監督による別々の主人公の物語が一つになるオムニバスホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
疲れ切った顔の二人の男が乗る車が荒野を走っている、、。何かの存在を常に気にして、何かから逃げるように車を走らせている。
そこへ突然、何かの生物が現れ、空中に浮遊し、彼らを追い詰める。
逃げるように彼らはあるモーテルへと入って行き、そこで驚愕の光景を目にする、、!?
(VHS/シンドローム)や(ザ・リチュアルいけにえの儀式)、そして期待の(ヘルレイザー)のリメイク版などのデヴィッド・ブルックナー監督、
同じく(VHS/シンドローム)のレディオ・サイレンス監督、
(デッドクリフ)(詳しくはこちら)などのロクサーヌ・ベンジャミン監督、
そして(ディスコード ジ・アフター)(詳しくはこちら)のパトリック・ホーバス監督
と新進気鋭のホラーサスペンス系監督が集まってそれぞれオムニバス形式で製作したホラー作品です。
とはいいつつ、本作はそれぞれの監督が別々の物語を制作して一つにつなげる、というタイプのオムニバス作品ではなく、
一つのつながった物語ではあるものの、主人公がどんどんバトンタッチしていく形で物語を進めていく構成になっています。
ですので、主人公は何度も変わりますが、世界観としては、全部連続した時間帯の物語ですので、オムニバス作品にありがちな、
新しい物語が始まるたびに気持ちをリセットさせる必要のない作品となっています。
例えるなら、話の前後しないホラー版(パルプフィクション)といった感じでしょうか。
要するに一つの物語の後半に登場した脇役の人物の方にスポットが当たって行って、それまでの主人公が脇役になっていく、といった感じです。
これが、意外に面白く、当然ながら物語の全体像が全く掴めない状態で、どの方向に物語が進んで行くのかが予想できませんので、
常に次の展開への興味が持続するので飽きる瞬間がほとんどない、という上手い構成になっています。
オムニバス作品としては、なかなかの発明ではないでしょうか。
で、物語は、恐らく本作のいきなりの目玉である、謎の浮遊生物の物語から始まります。
荒野の人気のない道路で疲れ切った男二人とその謎の浮遊生物とのチェイスが道路上で始まり、その後ガソリンスタンド、モーテルへと続きます。
説明は特になく、延々とその生物とのチェイスが描かれ、最終的にモーテルで謎の怪物以外に何か幻影のような光景まで見ることになります。
で、何かとんでもない事が起こったような様子で、モーテルの隣の部屋に泊まっていた女性バンド3人組の話に移っていきます。
主役交代です。
ワンボックスカーで移動中にタイヤがパンクしてしまい、困っているところに優しそうとも、怪しいともとれる老夫婦が通りかかり、自宅に招待されます。
で、しょうがないので行ってみると、隣人も怪しく、戸惑っているうちに3人のうち2人がおかしくなってしまい、まともな一人が脱出を試みる、という物語。
なんとか生き延びた一人が道路を走る車を止めようとすると、、、、
主役交代です。
で、今度は車を運転する男が主人公になり、自分が引き起こしてしまった事故の被害者を救うために自力でなんとかしないといけなくなり、
緊急番号にかけた相手の指示に従い、誰も人影のない病院で、まさかの自力で緊急手術を行う、というちょっとグロ目の物語。
で、その緊急電話で対話していた女性が電話(何故か公衆電話)を切ると、ある場末の酒場に入って行きます。
主役交代です。
で、そこにはこの女性を含めて、怪しい客と店員が数名います。
そこへ、行方不明になった妹を探すためにやってきた兄が銃をもって登場。
『妹はどこだ!』と殴り込みに来たようです。
で、その中の一人が妹の居場所を知っているという事で、その場所に案内してもらうとそこには、驚愕の光景が、、、
で、そんな建物の隣には若い女性がいて、今度はこの女性を含めた父親と母親が主人公です。
主役交代です。
旅の途中だったようで、車で移動し、あるモーテルに到着します。
そこで一家団欒を楽しんでいると、外に何やら怪しい人影が、、、
その人影の正体とは、、、
という感じで物語がつながっていき、最終的に冒頭の謎の浮遊生物の正体(とまではいきませんが)もだいたい分かり、
終わってみるとすべての物語がつながっている、というなかなか練られた物語となっています。
実際繋がってしまうと時間軸がおかしくなるのですが、そこはトワイライトゾーンみたいなものなので、異空間でつながっている、というファンタジーとして解釈するのが面白いですね。
という事で、89分という短い上映時間にきれいに色んなジャンルのホラー要素を詰め込んで、しっかりと1つの物語にまとまっている秀作オムニバスホラーとなっていますので、
ホラー好き、サスペンス好きの方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
あと、劇中で流れるBGMが80年代ホラー好きにはたまらない音色ですよ。
作品情報
2015年製作 アメリカ製作 ホラーオムニバス
監督 デヴィッド・ブルックナー、レイディオ・サイレンス、ロクサーヌ・ベンジャミン、パトリック・ホーバス
出演 ケイト・ビーハン、マット・ベティネッリ・オルビン、スーザン・バーク、ゾーイ・クーパー、ジェラルド・ダウニー
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